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避難所用SS投下スレ11冊目

954ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2017/07/31(月) 20:26:24 ID:CWP4DxYk
「まぁ無理に波風立てる必要は無いと思い戦いはしませんでしたが、あんな態度では人との共存など不可能かと…」
「そう。……あら?」
 命からがら逃げた…というワケでもない藍からの話を聞いていた紫は、ふとルイズ達の方で騒ぎ声がするのに気が付いた。
 先ほどまで和気藹々とルイズを褒めていた二人の内魔理沙が、何やら彼女と揉め事になっているらしい。
 …とはいっても、その内容は至ってシンプルかつ非常に阿呆臭いものであった。

「だから、私の虚無が覚醒した記念とやらで飲み会をしたい気持ちは分かるけど…何で私がアンタ達の酒代まで負担しなきゃいけないのよ!」
「まぁ落着けよルイズ、そう怒鳴るなって」
 先ほど照れていた時とは打って変わり、顔を赤くして怒鳴るルイズに魔理沙は両手を前に突き出して彼女を宥めようとする。
 彼女の言葉が正しければ、恐らくあの魔理沙が持ち金の無い状態で今夜は一杯…とでも言ったのだろう。
 ルイズもまぁ、それくらいなら…という感じではあるが、どうやらその酒代に関して揉めているらしかった。
「何もお前さんにおごらせるつもりはないぜ?ちょっとの間酒代を貸してもらうだけで……―――」
「だーかーらー!結局それって、私のなけなしの貯金を使って飲むって事になるじゃないの!」 
 とんでもない事を言う魔理沙を黙らせるようにして、ルイズは更なる怒号で畳み掛けていく。
 すぐ傍にいる霊夢は思わず耳を塞ぎ、至近距離で怒鳴られた魔理沙はうわっと声を上げて後ろに下がってしまう。
 しかし、幻想郷では霊夢に続いて数々の弾幕を潜り抜けてきた人間とあって、それで黙る程大人しくはなかった。

 思わす後ずさりしてしまった魔理沙はしかし、気を取り直すように口元に笑みを浮かべる。
 まるで我に必勝の策ありとでも言いたげな顔を見てひとまずルイズは口を閉じ、それを合図に魔理沙は再び喋り出す。
「なぁーに、昨日の悪ガキに奪われた金貨を取り返せればすぐにでも返してやるぜ。やられっ放しってのは性に合わないしな」
「…!魔理沙の言う通りね。忘れてたけど、このままにしておくのは何だかんだ言って癪に障るってものよ」
 彼女の言葉で昨晩の屈辱を思い出した霊夢の『スイッチ』が入ったのか、彼女の目がキッと鋭く光る。
 思えば…もしもあの少年をしっかり捕まえる事ができていれば、今頃上等な宿屋で快適な夏を過ごせていたはずなのだ。
 そして何よりも、自分がカジノで稼いだ大金を世の中を舐めているような子供盗られたというのは、人として許せないものがある。

「今夜中にあの悪ガキの居場所を突きとめてお金を取り戻して、この博麗霊夢が人としての道理を教えてあげるわ!」
「その博麗の巫女として相応しい勘の良さで乱暴な荒稼ぎをした貴女が、人の道理とやらを他人に教える資格は無くてよ」
「え?…イタッ」
 左の拳を握りしめ、鼻息を荒くして宣言して霊夢へ…紫はすかさず扇子での鋭い突っ込みを入れた。
 それほど力は入れていなかったものの、迷いの無い速さで自身の脳天を叩いた扇子が刺すような痛みを与えてくる。
 思わず悲鳴を上げて脳天を抑えた霊夢を眺めつつ、紫はため息をついて彼女へ話しかける。

「霊夢?貴女とルイズ達からお金を奪ったっていう子供から、そのお金を取り戻す事に関して私は何も言わないわ。
 だけど、取り戻す以上の事をしでかせば―――勘の良い貴女なら、私が何も言わなくとも…理解できるわよね?」

「……分かってるわよ、そんくらい」
 先ほどまで浮かべていた笑顔ではなく、少し怒っているようにも見える表情で話しかけてくる紫の方へ顔を向けた霊夢は、
 流石に反省…したかはどうか知らないが、少し拗ねた様子を見せながらもコクリと頷いて見せる。
 一度ならず二度までも霊夢が大人しくなったのを見て、ルイズは内心おぉ…と呻いて紫に感心していた。
 どのような過去があるのか詳しくは知らないが、きっと彼女にとって紫は特別な存在なのだろう。
 子供の様に頬を膨らませて視線を逸らす霊夢と、それを見て楽しそうに微笑む八雲紫を見つめながらルイズは思った。


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