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避難所用SS投下スレ11冊目

952ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2017/07/31(月) 20:22:45 ID:CWP4DxYk

「……もう、何なのよさっきから?揃いも揃って私を褒め称えてくるだなんて」
 デルフにまでそんな事を言われたルイズの顔がほんのり赤くなり、それを隠すように顔を横へと向ける。
 しかし、赤くなった顔は薄らと笑っており、霊夢達は何となく彼女が照れているのだと察していた。
 そんな微笑ましい光景を目にしてクスクスと笑いながら、紫は同じく静観していた藍へと小声で話しかける。
「ふふ…どうやら私が思っていたより、仲が良さそうで安心したわ」
「ですね。霊夢はともかくあの霧雨魔理沙とあそこまで仲良く接するとは思ってもいませんでしたが…」
 主の言葉に頷きながら、藍もまたルイズと仲良く付き合っている二人を見て軽い驚きを感じていた。
 照れ隠しをするルイズを見てニヤついている魔理沙と、顔を逸らした彼女を見て小さな溜め息をついている霊夢。
 そして鞘から刀身を出したまま三人を見つめるデルフという光景に、不仲な空気というものは感じられない。
 
 先程ルイズから聞いた話では大切にとっておいたお菓子を食べられたとかどうかで揉み合いになったらしいが、
 そこはあの喋る剣が上手い事彼女を説得して、何とかやらかしてしまった霊夢達と和解させたのだという。
 剣とはいえ伊達に長生きはしてないという事なのだろう。彼曰く自身への扱いはあまりよろしくないらしいが。
「ちょっとは心配してたけど、今のままなら異変が解決するまで不仲になる事はないと思うわね」
「仰る通りだと……あっ、そうだ!紫様、少々遅れましたが…これを」
 まるで成長した我が子を遠い目で見るような親のような事を言う紫の「異変解決」という言葉で何か思い出したのか、
 ハッとした表情を浮かべた藍は懐に入れていた一冊のメモ帳を取り出し、それを紫の方へと差し出した。
 最初は何かと思った紫は首を傾げそうになったものの、すぐに思い出しのか「あぁ」とそのメモ帳を手に取った。
「ご苦労様ね、藍。いつまで経っても渡されないから、てっきりサボってたものかと思ってたわ」
「滅相もありません。紫様が来てから少しドタバタしました故、渡すのが遅れてしまいました」
「あら、頭を下げる必要は無いわ。私だって半分忘れかけてたもの」
 紫はそう言って手に取ったメモ帳をパラパラと捲ると、偶然開いたページにはハルケギニアの大陸図が描かれていた。
 その地図にはハルケギニアの文字は見当たらず、紫にとって見慣れた漢字やひらがなで幾つもの情報が記されている。

 国や地方、そして各街町村の名前まで……。
 紫の掌より少しだけ大きいメモ帳に『びっしり』と、それこそ虫眼鏡を使えば分からぬほどに。

 王立図書館に保管されている大陸図と比べると怖ろしい程精密であったが、見にくい事このうえない大陸図である。
 もしもここにその大陸図が置いてあれば、紫は迷うことなくそちらの方を手に取っていただろう。
 一通り目を通した紫はメモ帳を閉じると、ニコニコと微笑みながら藍一言述べてあげた。
「藍…書いてくれたのは嬉しいけどもう少し他人に分かるように書いてくれないかしら?」
「すみません、書いてる途中に色々調べていたら恥ずかしくも知的好奇心が湧いてしまいまして…」
 申し訳なさそうに頭を下げた藍にため息をついた後、気を取り直して紫は他のページも試しに捲ってみる。
 その他のページにはハルケギニアで広く使われているガリア語で書かれた看板等を書き写し等、
 一般の人から聞いたであろ与太話やその国のちょっとした事に、亜人達のおおまなかスケッチまで描かれている。
 特に魔法関連に関しては綿密に記されており、貴族向けの専門書と肩を並べるほどの情報量が載っていた。

 最初に見た地図を除けば、自分のリクエスト通りに藍はこの世界の情報を収集していた。
 その事に満足した紫はウンウンと満足気に頷くと、こちらの言葉を待っている藍へと話しかける。


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