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避難所用SS投下スレ11冊目

946ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2017/07/31(月) 20:10:26 ID:CWP4DxYk
「あの服なら尻尾をスカートの中に入れてても痛くなかったし、便利だったのにな〜…」
「確かに…あんなコートを頭から被って真夏日の街中で出るなら、あの服を着ていく方がいいと思うぜ」
『だな。夏真っ盛りの今にあんなん着てて歩いたら、その内日射病でバタンキューだ』
 橙が羽織り、今は入口の傍に設置されているコートハンガーに掛けられているそれを見て、魔理沙とデルフも頷くほかない。
 あれを着れば確かに耳と尻尾は隠れるのだろうが、間違いなく体中から滝の様な汗が流れるのは間違いないだろう。
 何せ外は涼しい格好をした平民たちもしきりに汗を流し、日射病で倒れぬようしきりに水分補給をする程の暑さ。
 それに加えて狭い通りを大勢の人々が歩き回ってるのだ。汗をかかない方が明らかにおかしいのである。
 当然、橙の傍にいて彼女の様子を見ていた藍も魔理沙と同じことを思っていたようで、腕を組んで悩んでいた。
「う〜ん、私は甘やかしたつもりはないのだがなぁ。ただ、あの子の事を思って服を用意しんだが…」
「そういえば、甘やかす側は偶に違うと思いつつも他の人から見ると甘やかしてるって見える時があるらしいわね」
 真剣に悩んでいる彼女の姿を見て、ルイズは現在行方知れずの二番目の姉との優しい思い出を振り返りつつ、
 常に厳しくキツい思い出しかない一番目の姉が彼女に言っていた言葉を思い出していた。

 そんな風にして四人と一本が暇を潰している間、いよいよ霊夢と紫の楽しい(?)お話が終わろうとしていた。
「…まぁその分だとあまり反省してなさそうだけど…これに懲りたらちょっとは自分を見直しなさい。いいわね?」
「そんなの…分かってるわよ。何かしたら一々アンタの説教を聞くのも億劫だし」
 長い説教をし終えた紫は最後にそう言って、目を逸らしつつも大人しく話を聞いていた霊夢へ説教の終わりを告げる。
 対する霊夢も相変わらず顔を横に反らしたまま捨て台詞を吐いてから、クルッと踵を返して紫に背を向けてしまう。
 一目見ただけでご立腹な巫女の背中に、紫は苦笑いしつつ彼女の左肩にそっと自分の左手を乗せた。
 ついで、幾つものスキマを作り出せるその指で優しく撫でられると流石の霊夢も何かと思ってしまう。
「まぁ貴女は貴女でちゃんと頑張っているし、人間っていうのは叱られてこそ伸びるものよ」
 そんな彼女へ、紫はまるで教え子を諭す教師になったかのような言葉を送る。
 さっきまであんなに説教してきたというのに、しっかりフォローを入れてきたスキマ妖怪に霊夢は思わず彼女の方へ顔を向けてしまう。
 そして自分だけでなく、それを傍目で眺めていたルイズと魔理沙もそちらの方へ顔を向けているのにも気づいていた。

 途端に何か、得体のしれぬ気恥ずかしさで頬に薄い赤色が差した巫女はそれを誤魔化すように紫へ話しかける。
「……その言葉と、今私の肩を撫でまわしてる事にはどういう関係があるのよ」
「あら?肩じゃなくて頭のほうが 良かったかしら。昔みたいに…」
「まさか……もう子供じゃああるまいし」
 そう言って霊夢は右手で紫の左手を優しく肩から離して、もう一度踵を返して今度は紫と向き合う。
 既に気恥ずかしさは何処へと消え去り、いつもの調子へと戻った彼女は腰に手を当ててご立腹な様子を見せている。
「第一、ルイズや式はともかくとして魔理沙のヤツがいる前で昔の事なんか言わないでよ。からかいの種になるんだからさぁ」
「おぉ、こいつはひどいなぁ。私だけのけものかよ」
「でも不思議よね?霊夢の『ともかく』って実際は『どうでもいい』って事だからあんまり嬉しくないわ」
「まぁその通りだな」
『でもぶっちゃけ、この巫女さんに関われるよかそっちの方が幸せな気がするとオレっちは思うね』
 自分の言葉に続くようにして魔理沙とルイズ、それに藍とデルフが相次いで声を上げる。
 その光景に紫がクスクスと小さく笑いつつ、キッと三人と一本を睨み付ける霊夢へ話を続けていく。


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