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避難所用SS投下スレ11冊目

865ウルトラマンゼロの使い魔 ◆5i.kSdufLc:2017/06/30(金) 00:06:16 ID:jU/S1V5A
 いつの間にか、ダンプリメが剣を手に才人の背後にいた! 間一髪察知した才人は振り向きざまに、
相手の斬撃をデルフリンガーで弾く。
「図に乗るな! いくら本の内容を全部知ってるからって、世界の全てを知った気でいるのは
自惚れだぜ!」
「そうだね。逆に言えば、本に書かれてないことをボクは知らない。そう、君の中の光の戦士、
ウルトラマンゼロ。それなんかがいい例だ」
 単なる余興だったのか、剣を弾かれても平然としているダンプリメは、才人の胸の内を指差した。
「ハルケギニアの外の世界からやって来て、超常的な力であらゆる敵を粉砕する無敵の戦士。
その力の前では、どこまで行っても本の世界から外に出ることは出来ないボクは呆気なく
粉砕されてしまうだろう。そう考えたボクは、リーヴルを通じてある策を実行した。無敵の
ウルトラマンゼロを『本の中の登場人物』にしてしまうというね」
「何!?」
 ここまでの説明で才人も、ダンプリメの狙いが薄々分かってきた。
「本の中に引き込んでしまえば、ボクは相手の能力を分析することが出来る。六冊分もの
旅をさせて、既にウルトラマンゼロの力は隅々まで把握してるよ。……だけど、狙いは
それだけじゃあないんだ」
「まだあるってのか!」
「旅の中で、君たちは度々その本の世界には本来存在しない怪獣と戦っただろう。あれらは
ボクの介入で出現したんだ。何でそんなことが出来たのかって? それはこの『古き本』の
力によるものさ!」
 ダンプリメが自慢げに取り出して見せつけたのは一冊の本。それは……。
「怪獣図鑑!?」
 どこで出版されたものか、古今東西の様々な怪獣の情報が記載されている図鑑であった。
そんなものまでトリステインに流れ着いていたのか。
「それだけじゃない。本の中の存在も生きてるんだよ。本の中の怪獣が君たちに倒されるごとに
生じた怨念のエネルギーも、ボクは集めてたんだ。そういうこともボクは出来るんだよ」
 それは黒い影法師の力か。ダンプリメはそんな能力まで学習していたのだ。
 そしてダンプリメの周囲に、六つの禍々しく青白い人魂が出現する。
「……それが真の狙いかよ!」
「さぁ、機は熟した。ウルトラマンゼロへの怨念が一つになり、今こそ誕生せよ! ゼロを
上回る最強の戦士よッ!」
 ダンプリメの命令により人魂が一つになり、マイナスエネルギーも相乗効果によって膨れ上がる。
そして人魂が巨大化して戦士の形になっていった!
「あ、あれは……!」
 新たに生まれた、邪悪な力をたぎらせる巨人の戦士を見上げて、才人は思わずおののいた。
 あまりにもおぞましいオーラを湛えた異形の姿だが、胸の中心に発光体を持つその特徴は、
明らかにウルトラ戦士を模していた。頭部には四本ものウルトラホーン、腕にはスラッガーが
生えていて、様々なウルトラ戦士の特徴を有しているようである。
「目には目を。歯には歯を。古い言葉だが、ウルトラマンを葬るのにも闇のウルトラマンが
最もふさわしいだろう。君たちウルトラ戦士を抹殺する闇の戦士……ウルトラダークキラー
とでも呼ぼうかな」
「馬鹿な真似はよせ! 闇の力ってのは、手を出したら取り返しがつかないことになるぞッ! 
今ならまだ間に合う!」
 警告を飛ばす才人だが、ダンプリメは取り合わず冷笑を浮かべるだけだった。
「おやおや、ウルトラダークキラーを前にして臆病風に吹かれちゃったかな? 君が勇士と
いうのは、ボクの買い被りだったかな」
「……どんなことになっても知らねぇぞッ!」


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