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避難所用SS投下スレ11冊目

832ウルトラマンゼロの使い魔 ◆5i.kSdufLc:2017/06/16(金) 00:06:27 ID:uyQASVdY
 その隙にギガキマイラが再度破壊光線を放ってきた。今度はまっすぐに飛んでくるが、
すかさずウルトラグランドウォールを展開することで光線をそのままギガキマイラにはね返す。
「グルウウウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!」
 己の肉体がえぐれてしまったギガキマイラは、勝ち目なしと見たか宇宙空間へ向けて逃走を
開始した。だがそれを許すようなゼロたちではない。
『逃がすかよぉッ!』
 その後を追いかけて急上昇していく八人。大気圏を突き抜けたところでギガキマイラの
背中が見えた。
「テヤーッ!」
「シェアッ!」
 セブンとゼロはそれぞれのスラッガーを投擲。それらに八人が光線を当てると、エネルギーを
吸収したスラッガーはミラクルゼロスラッガー以上の数に分裂。イリュージョニックスラッガーと
なってギガキマイラの全身をズタズタに切り裂き、足止めをした。
「ジェアッ!!」
 とうとう追いついたウルトラ戦士たちは同時に必殺光線を発射し、光線同士を重ね合わせる。
そうすることで何十倍もの威力と化したウルトラスペリオルが、ギガキマイラに突き刺さる!
「グギャアアアアアアァァァァァァァァァ――――――――――――――ッッ!!」
 ギガキマイラが耐えられるはずもなく、跡形もなく炸裂。超巨体が余すところなく宇宙の
藻屑となったのであった。
 見事ギガキマイラを討ち取った勇者たちは、人々の大歓声に迎えられながら横浜の空に
帰ってくる。
『やりました……! この世界を守りましたよ!』
『……いや、まだ敵さんはおしまいじゃないみたいだぜ』
 喜ぶティガだが、ゼロは邪な気配が途絶えてないのを感じて警告した。実際に、彼らの
前におぼろな姿の実体を持たない怪人の巨体が浮かび上がった。
 それこそが人間の負の感情が形となって生じた邪悪の存在であり、真に怪獣軍団を操っていた
黒幕である、黒い影法師。それら全てが融合した巨大影法師であった!
『我らは消えはせぬ……。我らは何度でも強い怪獣を呼び寄せ、人の心を絶望の闇に包み込む……。
全ての平行世界から、ウルトラマンを消し去ってくれる……!!』
 それが影法師の目的であった。心の闇から生まれた影法師は、闇を広げることだけが存在の
全てなのだ。
 しかし、そんなことを栄光の超ウルトラ8兄弟が許すはずがない!
『無駄だ! 絶望の中でも、人の心から、光が消え去ることはないッ!』
 見事に言い切ったティガの身体が黄金に光り輝き、グリッターバージョンとなってゼペリオン
光線を発射した! 他のウルトラ戦士もグリッターバージョンとなって、スペシウム光線、
ワイドショット、スペシウム光線、メタリウム光線、ソルジェント光線、クァンタム
ストリームを撃つ!
『俺も行くぜぇッ! はぁぁッ!』
 ゼロもまたグリッターバージョンとなり、ワイドゼロショットを繰り出した! 八人の
必殺光線は一つに重なり合うと、集束した光のほとばしり、スペリオルマイスフラッシャーと
なって巨大影法師の闇を照らしていく!
『わ、我らはぁ……!!』
 巨大影法師は光の中に呑まれて消えていき、闇の力も完全に浄化されていった。
 地上に喜びと笑顔が戻り、そして夜が明けて朝を迎える。昇る朝日を見つめながら、ティガが
ゼロに呼びかける。
『ウルトラマンゼロ、本当にありがとう! この世界が救われたのは、君たちのお陰だ……!』
『何を言うんだ。お前はお前自身の力で自分を、世界を救ったんだぜ』
『いや……君たちの後押しがあったからさ。感謝してもし切れない……。この恩は必ず返す
からね! 必ずだよ!』
 そのティガの言葉を最後に、ゼロの視界が朝の日差しとともに真っ白になっていく……。

 遂に六冊、全ての本を完結させることに成功した。才人はその足でルイズの元まで駆け込む。
「ルイズッ!」


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