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避難所用SS投下スレ11冊目

816ウルトラ5番目の使い魔 59話 (12/13) ◆213pT8BiCc:2017/06/07(水) 12:05:59 ID:9ZOoAC8I
 あの日以来、何年ぶりかになる脂汗がジョゼフの額に浮かんでくる。だが宇宙人は、ジョゼフとシェフィールドが怒声を上げるより早く、勝ち誇るように宣言してみせた。
「おやおや、ご信用いただけない様子? では、お近づきの挨拶もかねて軽いデモンストレーションをいたしましょう。それできっと、私の言うことが本当だと信じていただけるでしょう。フフ、アーッハッハハ!」
 狂気さえにじませる宇宙人の笑い声がグラン・トロワに響き渡った。
 この日を境に、ジョゼフとタバサの最後の決闘となるはずだった歴史は、いたずらな第三者の介入によって狂い始める。その魔の手によって混沌と化していく未来が、魔女の顔をして幕から姿を現そうとしている。
 
 
 所は移り変わってトリステイン。時間を今に戻して、燃え盛る宿営地に二匹の怪獣が暴れ周り、人とも物ともつかぬものが舞い上げられていく。
 その頃、タバサは北花壇騎士として培った経験からすぐに衝撃から立ち直り、杖を持って飛び出していた。そしてすぐにトリステインに連絡をとり、援軍を要請するよう指示を出すとともに混乱する軍をまとめるために声をあげる。そこには戦士としてのタバサではなく、指導者としてのタバサがいた。
 タバサは、この襲撃がジョゼフによるものであることを確信していた。戦争が始まる前に、反抗勢力ごと自分を抹殺するつもりなのか? だけど、わたしはあなたの首をとるまでは死ぬつもりはない。
 だがタバサといえども、これがそんな常識的な判断によるものではなく、よりひねくれた、より壮大且つ宇宙全体に対して巨大な影響を与えるほどの計画の前哨であることを知る由もなかった。
 そして、これがタバサとジョゼフの最後の対決を、まったく誰も予測していなかった方向へ導くことも、ハルケギニア全体に壮大な悲喜劇を撒き散らすことも誰も知らない。
 
 それでも、運命の歯車は無慈悲に回り続けている。
 空を飛ぶサタンモアの背に立つ男から、ウィンドブレイクの魔法が地上の才人めがけて撃ちかけられてきた!


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