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避難所用SS投下スレ11冊目

815ウルトラ5番目の使い魔 59話 (11/13) ◆213pT8BiCc:2017/06/07(水) 12:05:12 ID:9ZOoAC8I
 しかし、宇宙人はジョゼフの嫌味に気分を害した風もなく、むしろ肩を揺らして笑いながら言った。
「いえいえ、侵略などとんでもない。ウルトラマンがこれだけ守ってるところに侵略をかけるなんて、やるならもっと強いお方と組みますとも。実は私、同胞がちょっと面白そうなことを計画していましてね。その手伝いをできないかと考えていたのですが、あなたを利用するのが一番手っ取り早いと……おっと、私ったら余計なことまで言っちゃいました。気にしないでください」
 その言い返しにシェフィールドは唇を歪めた。間接的にジョゼフを馬鹿にされただけでなく、おどけた口調の中でもこちらを見下す態度を隠そうともしていない。話しているときの不快度ではチャリジャやロマリアの連中以上かもしれない。
 だがジョゼフは相変わらず気にもせずに薄ら笑いを続けている。元より傷つけられて困るプライドがないせいもあり、何事も他人事を言っているようにも聞こえる不快な態度をとるのは彼も似たようなものである。
「ははは、よいよい、悪党は悪党らしくせねばな。それで、余にどうしろというのだ? 悪事の片棒を担ぐのはやぶさかではないが、余もそこまで暇ではない。利用されるかいがあるような、それなりに立派な目的なのかな、それは?」
 つまらない理由なら盛大に笑ってやるつもりでジョゼフはいた。宇宙人を相手にしてはミョズニトニルンや自分の虚無の魔法でもかなわない公算が高いが、かといって惜しい命も持ち合わせてはいない。
 宇宙人は、その手を顔に当てて大仰に笑った仕草をとった。どうやらジョゼフの物怖じしない態度が気に入ったらしい。そいつは、ジョゼフに自分の目的を語って聞かせると、さらに得意げに言った。
「……と、いうわけでご協力をいただきたいのですよ。どうです? 王様に損はないでしょう。それに、王様と王女様のゲームとしても存分に楽しめると思いますよ。なにより、私も見てて面白そうですしねえ」
「なるほど、確かに一石二鳥で、しかも余から見てさえ悪趣味なことこの上無いゲームだな……だが、貴様はひとつ忘れているぞ。そのゲーム、余はともかくとしてシャルロットが乗ってこなければ話になるまい。あの娘がこんな舞台に乗ってくるとは思えんがな」
「だぁいじょうぶですとも! チャリジャさんからそのあたりの事情はよーく聞き及んでおります。ですから、あなた方に是非とも参加いただけるほどの、素敵な景品をプレゼントさせていただきますよ。ゲームが終わった暁には、王様へのお礼もかねて、
なな、なんと特別に!」
 宇宙人は高らかに、ジョゼフに向かって『豪華プレゼント』の中身を暴露した。
 その内容に、シェフィールドは戦慄し、そしてジョゼフも。
「な、んだと……?」
 なんと、ジョゼフの表情に狼狽が浮かんでいた。あの、自分を含めた世界のすべてに対して唾を吐きかけて踏みにじってなお、眉ひとつ動かさないほどにこの世に冷め切っているジョゼフがである。


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