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避難所用SS投下スレ11冊目
778
:
ルイズと無重力巫女さん
◆1.UP7LZMOo
:2017/05/31(水) 21:11:08 ID:WZ82hnBc
屋上からの距離はおおよそ五〜六メイルぐらいだろうか、屋上から見下ろす通りの人々か若干小さく見えてしまう。
ここから先ほどのように壁に貼り付きながら降りることも可能だろうが、その間に逃げられてしまう可能性がある。
最悪壁に貼り付いている所を狙われて魔法を叩きつけられたら、それこそ良い的だ。
一気に少女の近くまで飛び降りてみるのも手だが上手くいく保証は無く、そんな事をすれば他の人たちにも迷惑を被ってしまう。
彼女の理想としてはこのまま一気にあの娘の傍に近づいて杖を取り上げてから捕まえたいのだが、現実はそう上手く行かない。
次の一手はどう打てばいいのか悩むハクレイを余所に、少女は彼女が屋上にいる事に気付かず必死に通りを走っている。
今はまだ視認できものの、進行方向にある曲がり角や路地裏に入られてしまうとまたもや見失ってしまうだろう。
「さてと…とりあえずどうしたらいいのかしらねぇ?」
策は思いつかず、時間も無い。そんな二つの問題を突き付けられたハクレイは頭を悩ませる。
屋上の先客である下級貴族たちは何となくワインやつまみを口にしながらも、そんな彼女を困惑気味な表情で眺めていた。
彼らの中に突然壁を登ってきた彼女に対して、無礼者!とか何奴!と言える度胸を持っている者はおらず、
床に敷いていたシートに腰を下ろしたまま、持ち寄ってきていた料理や酒をただただ黙って嗜む他なかった。
まぁ暇を持て余している身なので、これは丁度良い余興だと余裕を見せる者も何人かはいたのだが。
さて、そんな彼らを余所に次にどう動くべきか考えていたハクレイであったが、そんな彼女の目に『あるモノ』が写った。
その『あるモノ』とは、今彼女がいる屋上の向こう側に建てられている二階建ての建物である。
少し離れた場所からでも立てられてからかなりの年月が経っていると一目で分かるそこは居酒屋らしい。
彼女には読めなかったものの、『蛙の隠れ家亭』と書かれた大きな看板が入口の上に掲げられている。
どうやらまだオープンしてないらしく、ドアの前では常連らしい何人かの平民たちが入口の前で屯っていた。
そしてハクレイが目に付けたのは、その居酒屋であった。
「あそこなら、うん…さっきのを応用してみればうまい事通りへ降りられるかも?」
一人呟きながらハクレイは手すりへと身を寄せると、スッと何の躊躇いもなく手すりの向こう側へと飛び越えていく。
彼女を肴に仕方なく酒を飲んでいた者たちの何人かは突然の行動に驚き、思わず咽てしまう者も出る。
手すりの向こう側は安全を考慮して人一人が立てるスペースは作ってあるが、それでも足場としては心もとない。
彼女が何を決心して向こう側へ行ったかは全く以て知らなかったが、かといって放置するほど冷たい者はいなかった。
「おいおい、何をしてるんだ君は?危ないぞ!」
「え…?え?それ私に言ってるの?」
「君しかいないだろ!?いまこの場で危険な場所に突っ立っているのは」
見かねた一人がシートから腰を上げると、後ろ手で手すりを掴んでいるハクレイに声を掛ける。
大方飛び降り自殺でもするのかと思われたのだろうか、慌てて自分の方へ顔を向けたハクレイに若い貴族は彼女を指さしながら言う。
思わぬところで心配を掛けられたハクレイは慌てながら「だ、大丈夫よ大丈夫!」と首を横に振りながら平気だという事をアピールする。
「別にここから飛び降りるってワケじゃないから、本当よ?」
「…?じゃあ何でそんな所に立ってるんだ、他にする事でもあるっていうのかね?」
その言動からとても自殺するとは思えぬ彼女に、若い貴族は肩を竦めつつも質問をしてみる。
彼女としてはその質問に答えるヒマはあまり無かったものの、答えなければ止められてしまうかもしれない。
そんな不安が脳裏を過った為、ハクレイは両足に霊力を貯めながらも貴族の質問に答える事にした。
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