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避難所用SS投下スレ11冊目
776
:
ルイズと無重力巫女さん
◆1.UP7LZMOo
:2017/05/31(水) 21:07:08 ID:WZ82hnBc
「まずいわね…何とかして止めないと」
このまま放っておけばカトレアから貰ったお金を全て無くしてしまううえに、あの少女を説得する事もできない。
何としてもあの少女を止めて、もう二度とこんな事をしないようにしてやらなければ、いつかは捕まってしまうだろう。
その時には彼女のいう兄も…だから今ここで捕まえて、何とかしてあげなければいけない。
何をどうしてあげればいいのか、どう説得すれば良いのか分からないが放置するなんて事はできない。
改めて決意したハクレイは群衆をかき分けて逃げる少女を確認した後、自分の右隣にある建物へと視線を移す。
恐らくここと同じ共同であろう四階建てのそこからも、窓越しに自分を見つめる人々がチラホラと見えている。
マントを着けている事から貴族なのだろうが、皆いかにも人生これからという若者たちばかりだ。
「あそこまでなら、届くかしらね?」
そう呟いてた後、彼女は両足と右手の霊力にほんの少しアクセントを加え始める。
今この建物の壁に貼り付いている霊力を変異させて、正反対の『弾く』エネルギーへと変換していく。
それも『今の』彼女にとって初めての試みであり、そして何故かいとも簡単に行えることができる
何故そんな事がでるきのかは彼女にも分からないし、生憎ながら考える暇すら今は無い。
今できる事はただ一つ。自分が忘れていた自分の力を使って、あの娘を止める事だと。
(距離はここから二、三メイル…まぁいけるかしら)
目測で大体の距離を測りつつ、彼女は両足と右手へと霊力をより一層込めていく。
少なすぎても駄目だし、多すぎれば最悪向こうの建物の壁にぶち当たるかもれしない。
必要な分の霊力だけをストックして、一気に解放させなければあの建物の壁に貼り付く事など不可能なのである。
向こうの共同住宅に済む若い貴族たちが窓越しに自分を見つめて指さし、何事かを話し合っているのが見えた。
一体何を話しているのかは知らないが、間違いなく自分に関して話しているという事は分かっていた。
「とりあえず、窓から顔を出さなければそれに越した事はないけど…」
跳び移るのは良いが、最悪窓を割るかもしれないが故にハクレイは内心でかなり緊張している。
時間にすればほんの十秒足らず。その間に手足へ一定の霊力を込められたハクレイは、いよいよ準備に移った。
壁に貼り付けている右手をグッと押し付け、青白い霊力を掌へと流し込んでいくさせていく。
両足も同様に、際どい姿勢で張り付けているブーツ越しの足裏へ掌と同じように霊力を集中させる。
これで準備は整った。後は彼女の意思次第で、壁に『貼り付く』力は『弾く』力へと変化する。
目測も済ませ、覚悟も決めた。後残っているのは、成功できるかどうかの力量があるかどうか、だ。
短い深呼吸をした後、ほんの一瞬脱力させた彼女はグッと手足に力を込めて、跳んだ。
それは外野から人々の目から見れば、空中で横っ飛びをしてみせたも同然の危険な行為であった。
群衆はまたもや驚愕の叫び声を一斉に上げ、彼女が飛び移る先にある建物の住人達は急いで窓から離れ始める。
何せ隣の建物に張り付いていた正体不明の女がこちらへ跳んでくるのだ、誰だって逃げ出すに違いないであろう。
まさか、窓を破って侵入してくるのでは?そんな恐怖を抱いた人々とは裏腹に、ハクレイの試みは思いの外上手くいったのである。
「ふ…よっ…―――――――ットォ!!」
まるで壁に『弾かれた』かの様に横っ飛びをしてみせた彼女は、無事に下級貴族たちの住むワンランク上の共同住宅の壁へと見事貼り付く。
てっきり今度こそぶつかるかと思っていた地上の人々は、壁に貼り付いた彼女の姿を見て再び驚きの声を上げた。
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