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避難所用SS投下スレ11冊目

75ウルトラ5番目の使い魔 22話  ◆213pT8BiCc:2014/08/11(月) 01:33:19 ID:WGhDb4EY
 唖然とするキュルケ。しかし一番信じられないのはシルフィードのほうだ。
「あれ? シルフィ、今、いったい……?」
 きょとんとするシルフィード。たった今、ガーゴイル三体を自分が破壊したのだが、まるで実感が湧かない。
 すると、ジルがシルフィードに当たり前のように告げた。
「不思議がることはない。お前には元々、そのくらいのガーゴイルを倒せる力はあったんだよ。いや、身についていたけど気がついていなかったんだな」
「シ、シルフィに、そんな力が?」
「なにもおかしくなんかないさ。お前はドラゴンだ、ドラゴンは地上で最強の種族だ。お前は子供だが、裏を返せば成長期でもあるんだよ。これまで、シャルロットを助けて冒険を続けてきたんだろう? その中で、お前も強くなっていたのさ」
「で、でも、おねえさまはそんなこと一回も……」
「シャルロットは優しいからね、お前を必要以上に戦わせたくなかったんだろう。だが、今のお前に必要なのはシャルロットを取り戻すために戦う力だろう? 自信を持て、お前はドラゴン、しかも人に劣らぬ叡智を持つ韻竜の末裔だ!」
 その瞬間、シルフィードは平手打ちをされたような衝撃を体の芯まで受けた。
「っ! そうね。シルフィだって、戦わなくちゃいけなかったのね。おねえさまに甘えてちゃいけない、シルフィが誰より強くなれば、おねえさまが危ない目に会うこともなくなるのね! よーっし、こんな人形なんかまとめてぶっ壊してやるのね」
 意を決したシルフィードは即座に腕をふるってガーゴイルを二体まとめてふっとばし、一体を咥えて投げ捨てた。たちまちバラバラになり動けなくなるガーゴイル。
「やったのね、シルフイもやればできるのね」
 しかし襲ってくるのはガーゴイルばかりではない。暴走したフェンリルの数体がシルフィードの尻尾に噛み付き、いたーい! と、悲鳴をあげてしまう。
「調子に乗るからだ。そんなんじゃシャルロットに怒られるぞ」
「ぐぬぬぬ、ジルはおねえさまのおねえさまだからって偉そうなのね。見てるのね、シルフィの本当の力を見せてあげるの!」
 尻尾を振って、シルフィードは食いついていたフェンリルを振り払った。瓦礫に投げ出されたフェンリルに、ジルが爆薬つきの矢を、キュルケが火炎魔法を放ってとどめを刺す。
 もはや形勢は完全に逆転していた。統制を失ったガーゴイルとフェンリルを、ジル、キュルケ、シルフィードはそれぞれ各個に破壊していき、シェフィールドの鋼鉄の軍団は見る影もないスクラップの山へ変わり、劣勢は覆うべくもなかった。
 残数は数えれば足りるほどに減り、そいつらを片付けてしまえば弓矢や銃で狙われる心配なくシルフィードで空へ逃げられる。
 対して、シェフィールドに現状を再度逆転する策はなかった。兵力は壊滅状態で、フェンリルは暴走を止められない。よしんば兵力の再編成ができたとしても、もう戦って勝てる数はいない。


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