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避難所用SS投下スレ11冊目

745ウルトラ5番目の使い魔 58話 (17/24) ◆213pT8BiCc:2017/05/16(火) 11:24:26 ID:qB1md0Gc
「そう、久しぶりね。わたしにとっては一瞬だけど、あなたには六千年なのね。そう、わたしたちの後からそんなふうになったのね」
 皆が唖然と見守る前で、サーシャはそうつぶやいてから振り向いて言った。
「みんな、安心して。少なくともこの時代で、ヴァリヤーグが襲ってくる心配はないわ」
 えっ? と、皆の驚く顔が連なる。ブリミルや才人も同様だ。
 それはいったいどういう意味なのか? ティファニアがウルトラマンコスモスだったのも含めて、皆の理解が追いつかないでいるところに、サーシャはブリミルを呼びながら言った。
「驚かないでいいわよ。わたしの時代でコスモスに選ばれたのがわたしだったように、この時代でコスモスに選ばれたのが彼女だったというだけ。ブリミル、この子にイリュージョンを教えてあげて、ヴァリヤーグ……この時代ではカオスヘッダーと呼ばれているんだっけ、それが最後にどうなったのかをコスモスが見せてくれるわ」
 百聞は一見にしかずと、サーシャはブリミルをうながした。ブリミルはあっけにとられた様子ながらも、ともあれティファニアにイリュージョンの呪文とコツを教えた。
 虚無の担い手は、必要なときに必要な魔法が使えるようになる。ブリミルから呪文を授けられたティファニアは、初めて唱える呪文なのにも関わらずに口から歌うようにスペルが流れ、そして杖を振り下ろすと、ティファニアの中にいるコスモスの記憶がイリュージョンとなって新たに映し出された。
 
 それは、ブリミルたちの歴史にも劣らない、壮大な物語であった。
 青く輝く美しい惑星、地球。それは才人の来た地球とは別の、この宇宙にある地球での出来事だった。
 この地球は、才人たちの地球とは似ていながらも違う文化を育み、怪獣たちとも良い形で共存を始めていたが、そこへかつてのハルケギニアと同じように光のウィルスが襲い掛かった。
 光のウィルスは、この地球ではカオスヘッダーと名づけられ、かつてのハルケギニアと同じように怪獣に憑依して暴れさせ始めた。
 リドリアスの同族がカオスリドリアスに変えられ、暴れ始める。しかしそのとき、リドリアスを止めようと、ひとりで必死に呼びかける青年がいた。
「帰ろう、リドリアス」
 その勇気に、見守る人たちは感嘆し、リドリアスも一度はおとなしくなりかけた。
 しかし、不幸な事故によってリドリアスが再び暴れ始め、彼自身も窮地に陥ったときだった。青年の勇気に答えて、コスモスは彼の元へと降り立った。


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