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避難所用SS投下スレ11冊目

742ウルトラ5番目の使い魔 58話 (14/24) ◆213pT8BiCc:2017/05/16(火) 11:19:26 ID:qB1md0Gc
「どうする蛮人? 北でも西でも南でも東でも、どっちにでも行けるよ」
「どっちでもいいさ。どうせ世界は丸いんだ、どっちに行ったって必ず何かに出会えるよ」
「そうね、さぁ行きましょうか。まだ知らないものが待ってる地平のかなたに」
「どこかで僕らを待ってる新しい仲間のところへ」
 
 いざ、旅立ち!
 
 絶望に別れを告げ、希望を胸にふたりは旅立った。
 この先、長い長い旅路と、想像を絶する苦難の数々が待っていることをふたりはまだ知らない。
 そして、世界を救うことができずに志なかばで倒れ、世界が滅亡してしまう結末が待っていることも知らない。
 だが、彼らの意思を受け継いだ人間たちは滅亡を終焉にはせずに立ち上がり、さらに数百年をかけて後にハルケギニアと呼ばれる基礎を築き、以降六千年間も続く繁栄を築き上げることになるのだ。
 この世で、何代にも渡ってようやく完成する偉業は数多いが、それも誰かが始めなくては結果が出ることはない。そう、始祖ブリミルという偉大な先駆者がいたからこそ、今のハルケギニアはあるのだ。
 
 この後、ブリミルとサーシャはリドリアスとともに各地を旅し、生き残りの人々を集めてキャラバンを作っていくことになる。
 そのうちにブリミルの魔法の腕も向上し、ヴァリヤーグの操る怪獣との戦いを経て、彼は名実ともに歴史上最高のメイジに成長する。これが、後年に伝わる虚無の系統の源流だ。
 そして数年後に、彼らは時を越えて未来からやってきた才人と出会うことになる。その後のことは、知ってのとおりだ。
 
 始祖の語られざる伝説。これがその全容である。
 ハルケギニアはかつて、異世界人であるマギ族が作った超文明だった。しかし驕り高ぶった彼らは自滅の道を歩み、文明はさらなる侵入者によって滅亡した。
 始祖ブリミルはマギ族の最後の生き残り。偶発的な事故によって、虚無の系統の力を得た彼は使い魔としてサーシャを召喚し、世界の復興を目指して歩み始めた。


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