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避難所用SS投下スレ11冊目

741ウルトラ5番目の使い魔 58話 (13/24) ◆213pT8BiCc:2017/05/16(火) 11:18:17 ID:qB1md0Gc
「蛮人?」
「わかったかもしれない。怪獣からヴァリヤーグを分離することができるなら、僕の魔法ならあの『生命』のように怪獣の体内のヴァリヤーグだけを破壊することができるかも」
 サーシャの顔が輝いた。確かに、理論上は可能のはずだ。
 ルナエキストラクトがヒントになり、破滅の魔法である『生命』が真の救済の魔法に生まれ変わるかもしれない。
「そうか、僕はこのためにこの魔法を授かったんだ。マギ族の本当の贖罪と、世界を救うために、神様は僕にこの力をくれたんだ」
 もちろんそのためには、さらなる研究と鍛錬が必要に違いない。だが、会得できたときにはそれは大きな力となるだろう。
 サーシャもブリミルの言葉にうなづき、さらに自らの決意を語った。
「そうかもしれないわね。あなたとわたしで、ヴァリヤーグからこの世界を守るために。コスモスとともに、わたしもリドリアスの仲間たちを救うわ」
 そう言うと、サーシャは手のひらの上に青く輝く輝石を乗せて見せてくれた。
「それは? きれいな石だね」
「コスモスがくれたの。君の勇気が形になったものだって、彼とわたしの絆の証……あっ?」
 すると、輝石が輝きだして、その姿をスティック状のアイテム、コスモプラックへと変えた。
 コスモプラックを手に取り、握り締めるサーシャ。そこからサーシャは、コスモスの意思と力を確かに感じ取った。
「わかったわコスモス、これからよろしくね」
「おおっ、ひょっとしてこれからいつでもウルトラマンの力を借りられるってことかい! すごいじゃないか」
「そんな都合よくないわよ。彼には強い意志があるわ、わたしが彼の力を借りるに値しないようだったら、彼は力を貸してはくれないでしょう。あなたと同じく、わたしもまだまだこれからってことね」
 ウルトラマンに選ばれた人間は、数々の次元でそれぞれ無数の試練を潜り抜けて真の強さを身に付けていった。サーシャは当然そのことを知る由も無いが、これからどんな試練でも立ち向かっていく決意があった。
 なにせ自分は一度死んだのだ。それに比べたら、ちょっとやそっとの苦難や挫折などなんのことがあろうか。
 笑いあうブリミルとサーシャを乗せて、リドリアスもうれしそうにしながら飛ぶ。その行く先はどこか? いや、考える必要などはない。


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