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避難所用SS投下スレ11冊目

74ウルトラ5番目の使い魔 22話  ◆213pT8BiCc:2014/08/11(月) 01:32:16 ID:WGhDb4EY
 シェフィールドはこんなはずではなかったと、名誉挽回のチャンスが崩れていく音を自分の中に聞いた。
 今、シェフィールド本人はジョゼフと共にリュティス上空にガーゴイルで来ている。これから街で暴れている怪獣をジョゼフの虚無魔法で倒し、ロマリアのお膳立てで救世主の光臨ショーをはじめようという大事なときに、その門出に花を添えるどころか泥を塗るなど許されることではない。
 しかし、ジョゼフのこととなると我を忘れるとはいえ、シェフィールドも本来は怜悧な頭脳の持ち主である。悔しいが、このふたりはタバサに匹敵する手ごわい相手だということを認めるしかない。そうなると、怒りに代わって憎悪がふつふつと湧いてくる。
 この私の栄光の邪魔をするうじ虫ども、お前たちはもう許さない! なぶり殺しにするつもりだったが、もう一思いに息の根を止めてくれる。しかし、そのためにはやつらの弱みを突いて攻めなくては……そうだ!
「ガーゴイルどもよ、シャルロットの母親を人質にとれ! その半死人を肉の盾にして小娘どもを叩き伏せろ」
 キュルケははっとなった。タバサの母はまだ深い眠りについていて、守りはシルフィードしかいない。しかも、今飛び上がれば咥えて持ち上げるにせよ背中に乗せるにせよ、ガーゴイル兵の銃弾や矢が無防備なタバサの母を襲うだろう。
 ガーゴイル兵の一団がタバサの母を守っているシルフィードに襲い掛かる。キュルケはファイヤーボールで妨害しようとしたが、うかつに撃てば火の粉が飛び散ってかえって危険だと気づいた。
 いけない! 母親にもしものことがあったらタバサに向ける顔がない。
 だが、焦るキュルケにジルが落ち着いた様子で告げた。
「大丈夫さ、見てな」
「え?」
 ジルの落ち着き払った顔に、キュルケも一気に毒気を抜かれて思わず立ち尽くしてしまった。
 だがそんなことをしているうちにも、手に手に恐ろしい武器を持ったガーゴイルたちはシルフィードに迫っていく。
「ちょ、ちょーっと! 赤いのにジル! なにしてるのね、助けてなのねーっ!」
 当然シルフィードはおもいきり慌てて叫ぶけれども、ジルはそ知らぬ顔である。これにシェフィールドは、相手はなにを思ったか知らないが、これでうるさい子竜は始末してタバサの母を奪えると確信した。
 しかし、あと一歩までガーゴイルがシルフィードに迫ったとき、ジルはシルフィードに向かって叫んだ。
「おびえるな! なぎはらえ!」
 その一声が恐怖に固まっていたシルフィードの体を反射的に動かした!
「きゃあぁぁぁーっ!」
 悲鳴をあげながら、シルフィードは思い切り前足で目の前に迫ってきたガーゴイルを殴りつけた。
 するとどうか? ガーゴイルは一撃でひしゃげて吹っ飛ばされ、後ろから来ていた二体を巻き添えにしたあげく、立ち木にぶつかってバラバラになって果てた。鉄でできたガーゴイルがである。


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