したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

避難所用SS投下スレ11冊目

734ウルトラ5番目の使い魔 58話 (6/24) ◆213pT8BiCc:2017/05/16(火) 11:09:35 ID:qB1md0Gc
 しかし、爆発の炎が収まる間もなく両者の空中戦は再開された。カオスリドリアスとコスモスが目にも止まらぬ速さで宙を舞い、激突し、その光景はブリミルの目にはまばゆく輝く二匹の蛍が舞い踊っているかのようにさえ見えた。
 前後左右、上下のすべての空間を使った三次元戦闘が超高速で繰り広げられることで、風がうねり、雲が裂ける。だが、空中戦のさなかにカオスリドリアスが勢い余って、静止していた『生命』の光に触れそうになり、コスモスは回り込んで突きとばした。
「ハアッ!」
 リドリアスは野生の生き物なのでマギ族の自爆因子はないはずだが、マギ族の改造処置は手当たり次第に行われていたので万一ということがある。カオス化したとはいえ、マギ族の自爆因子がもし遺伝子内にあったとしたら、リドリアスが生命に触れたら即死につながる。対して自爆因子を持たないコスモスなら生命の光に触れても影響はない。
 リドリアスを間一髪救えた事で、コスモスの中のサーシャはほっと胸をなでおろした。それと同時に、ブリミルはコスモスがリドリアスを本気で救おうとしているのを確信した。
「怪獣さえ救おうとする……いや、それは僕らの思い上がりか」
 ブリミルは自嘲した。さんざん命を弄んできたマギ族だが、命は誰しもひとつしか持っていない大切なものなのだ。生態として共存できないものはあっても、生き物は無益な殺戮をしないことで互いを生かし合っている。それがバランスを保ち、平和を保っている。互いを尊重し、誰かを生かすことは巡り巡って自分を生かすことにつながるのだ。
 いや、それは理屈だ。相手が怪獣であっても関係ない、誰かを救いたいと思う心がすべての始まりになる。サーシャはマギ族である自分を救ってくれた、だから今の自分はここにいる。その優しさを思い出したとき、胸が熱くなる。
「がんばれ、がんばれ! ウルトラマン!」
 自然に応援の声が口から飛び出していた。胸の中から湧き上がってくる、この明るく熱く燃える炎を抑えるなんてできない。できるわけがない!
 ブリミルの応援を聞き、コスモスとサーシャはさらに強く決意を固めた。なんとしても、リドリアスを救わねばならない。
〔コスモスお願い、あなたの力でリドリアスを解放してあげて〕
 リドリアスが暴れているのはヴァリヤーグのせいだ。取り除いてやれば、リドリアスはきっと元に戻る。
 幸いコスモスは今、生命の魔法の光球を背にしている。その強烈な光に幻惑されて、カオスリドリアスはコスモスを見失っており、今がチャンスだ。
 コスモスはリドリアスに取り付いているヴァリヤーグの位置を把握するために、目から透視光線を放ってリドリアスを透かして見た。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板