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避難所用SS投下スレ11冊目
720
:
ルイズと無重力巫女さん
◆1.UP7LZMOo
:2017/04/30(日) 22:14:03 ID:oww8q7tg
とりあえず、まず自分たちがするべきことは通報であろう。暗い路地で金貨入りの袋を探す二人を眺めながらルイズは思った。
あの少年が盗んでいったのなら、間違いなく常習犯に違いない。それならば衛士隊が指名手配している可能性がある。
もしそうなら衛士隊はすぐに動いてくれるし、王都の地理や犯罪事情は彼らの方がずっと詳しい。
ドラゴンケーキの事はパティシエに聞け。――古来から伝わる諺を思い出しつつ、ルイズは次に宿の事を考える。
(いつまでもこんな路地にいるのも何だし、二人には悪いけど今すぐにでも泊まれる所を探さなきゃ…)
王都の治安はブルドンネ街とチクトンネ街で大きく分けられており、前者は当然夜間でも見回りが行われている。
しか後者は夜間の方が騒がしい繁華街のうえに旧市街地が隣にある分、治安はすこぶる悪い。
つい数年前には、エルフたちが住まうサハラから流れてきた中毒性の高い薬草が人々の間で出回った事もあった。
幸いその時には魔法衛士隊と衛士隊の合同摘発で根絶する事はできたものの、あの事件以来チクトンネ街の空気は悪くなってしまった。
紛争で外国から逃げて来たであろう浮浪者やストリートチルドレンが増加し、国が許可を得ていない賭博店も見つかっている。
特に、今自分たちがいる場所は二つの街の境目と言う事もあって人の行き来が激しく、深夜帯の事件も良くここで起きると聞いたことがあった。
だからいつまでもこんな路地にいたら、怪しい暴漢たちに襲われてしまう可能性だってあるのだ。
最も、自分はともかく今の霊夢と魔理沙に襲い掛かろうとする連中は、すぐさま自分たちの行いを悔いる事になるだろうが。
そんな想像をしながらも、ひとまず金貨の入ったサイドパックへと手を伸ばし始める。
可哀想だが、ここは二人に盗まれたのだと諦めてもらいすぐに衛士隊へ通報して宿探しをしなければならない。
それで納得しろとは言わないが、ここは二人にある程度お金を渡して首を縦に振ってもらう必要があった。
これからの事を考えている間も必死に路地で探し物をしている二人の会話が耳の中に入ってくる。
「魔理沙、もうちょっと照らしなさいよ。アンタのミニ八卦炉ならもっと調節できるでしょうに」
「馬鹿言え、これ以上火力上げたらレーザーになっちまうよ」
どうやら、魔理沙のあの八角形のマジックアイテムを使って地面を照らしているらしい。
ほんの少しだけ明るくなっている地面を睨みながら、それでも霊夢は彼女と言い争いを続けながら袋を探していた。
何だかその姿を見ている内に、これまで見知らぬ異世界で得意気にしてきたあの二人なのかと思わず自分を疑いたくなってしまう。
ルイズは一人ため息をつくと、その二人をここから連れ出す為にサイドパックを手に取ろうとして―――――
「ちょっと、アンタたち!いつまでもここにいた…―――…てっ、て…アレ?」
―――スカッ…と指が空気だけに触れていった感触に、思わず彼女は目を丸くして驚いた。
本当なら、丁度腰のベルト辺りで触っている筈なのだ。――元々自分の私物であったあのサイドパックが。
まるで霧となって空気中に霧散してしまったかのように、彼女の手はそれを掴むことはなかったのである。
…まさかと思ったルイズが、意を決して腰元へと視線を向けた時、
「…え?えッ?…えぇえぇええええぇぇぇぇぇ!?」
彼女の口から無意識の絶叫が迸った。絹を裂くどころか窓ガラスすら破壊しかねない程の悲鳴を。
突然の事に彼女を放ってお金を探していた霊夢たちも慌てて耳を塞いで、ルイズの方へと視線を向けた。
「うっさいわねぇ!人が探し物してる時に…」
「わ、わわわわわわわわたしの…さささ財布…財布…私の、千八百十五エキューがががが…!」
まるで八つ当たりをするかのように鋭い言葉を浴びせてくる霊夢に、しかしルイズは怒る暇も無く何かを伝えようとしている。
しかしここに来て彼女の癖であるどもりが来てしまい、言葉が滑らかに口から出なくなってしまう。
それでも、今になって彼女の腰にあった筈の財布代わりのサイドパックが無くなっているのに気が付き、二人は頭を抱えた。
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