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避難所用SS投下スレ11冊目
705
:
ウルトラ5番目の使い魔 57話 (18/19)
◆213pT8BiCc
:2017/04/13(木) 15:13:20 ID:esn0CqG6
サーシャは答えない。ブリミルはこのとき、サーシャの代わりに死ねたらどんなにいいだろうかと思った。
「誰か、誰でもいい、サーシャを助けてくれ! 代わりに僕の命をやる。サーシャ、僕をひとりにしないでくれえ」
罪に気がついたときには、何もかも遅すぎた。世界を浄化しようなんてたわ言も、結局はサーシャの優しさに甘えていただけだった。
サーシャがいつも隣にいて、笑ってくれる。それが、それが自分の原点だったというのに。
だが、ブリミルには悲しみに浸り続けることも許されなかった。倒したカオスリドリアスが再度ブリミルを狙ってやってきたからだ。
「ヴァリヤーグ……あくまでも、僕らを滅ぼそうというつもりかい。もう僕から奪えるものなんて何もないというのに」
サーシャを失った今、もう惜しいものなんて何もない。どうせ死ぬつもりだったんだ。いっそこのまま、サーシャといっしょに死ねれば幸せだ……けれど。
ブリミルは涙を拭いて、サーシャを抱きかかえて立ち上がった。
「でも、僕の命は僕だけのものじゃない。サーシャが譲ってくれた、サーシャの命なんだ。僕は救世主なんかにはなれない。それでも、僕は世界のどこかで僕を待ってくれている人のために死ねない!」
どんなにつらくても、どんなに苦しくても、もう投げ出したりはしない。サーシャの教えてくれた心で、最後まで歩き続ける。それが、サーシャに報いるための、自分にできるたったひとつの愛だから。
光線を撃ち掛けてこようとしているカオスリドリアス。ブリミルは覚悟を決めた。もう魔法の力なんて残っていないけれども、サーシャの友人に背を向けない。絶対に、誰も見捨てない。
「僕は最後まで、あきらめない!」
ブリミルの叫びが空を切る。
目の前の巨大な絶望に対して、それはむなしい負け惜しみか、断末魔の叫びか。
いいや、どんな絶望を前にしても、折れない強い意志は蟷螂の斧ではない。サーシャへの誓い、本当の愛に気づいたブリミルの魂の叫びは、その強い意志で奇跡を呼び寄せた。
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