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避難所用SS投下スレ11冊目
682
:
ルイズと無重力巫女さん
◆1.UP7LZMOo
:2017/04/01(土) 00:44:09 ID:Meqm5SJY
その後、ニナからも熱い抱擁ついでのタックルを喰らいつつもハクレイは彼女の元へと戻ってきた。
御付の従者たちや自分と一緒にカトレアの薬を取に行って、無事に届けてくれた護衛の貴族達からは大層な褒め言葉さえもらった。
「お前さん無事だったのか?あんな化け物連中と戦ったっていうのに、大したモノだよ」
「百年一度の英雄ってのはお前さんの事か?とにかく、本当に助かったよ。ありがとな」
「カトレア様がこうして無事なのも、全てはお前さのお蔭だな。感謝する」
十分な経験を積み、 護衛としてそこそこの実力を得た彼らからの感謝にハクレイは当初オロオロするしかなかった。
何せ彼らの魔法もあの怪物達には十分効いていたし、実質的にカトレアを助けたのは彼らだと思っていたからである。
なにはともあれ、思わぬ歓迎を受けてから暫くしてカトレアたちは前述のとおり静かにゴンドアの町を後にした。
町にはアンリエッタ王女が自ら軍を率いてやって来てはいたが、業務の妨げになると思って挨拶はしないことにしていた。
屋敷へ泊めてくれたアストン伯にお礼の手紙をしたためた後、足止めを喰らっていた王都行きの駅馬車を借りて彼女らは町を出た。
本当なら直接顔を合わせて礼を言うべきなのだろうが、彼もまたアンリエッタと同じく戦の後の処理に追われていたため敢えて邪魔しないという事にしたのである。
無論機会があればまたタルブへと赴いて、きちんとお礼をするつもりだとカトレアは言っていた。
幸い町と外を隔てるゲートを見張っていた兵士たちも連日の仕事で慌ただしくなっていたのか、馬車の中を確認もせずに通してくれた。
そうして騒がしい町から離れた一行は、ひとまずはもっと騒がしい王都で一時休憩する事となる。
王都から次の目的地でありカトレアの実家があるラ・ヴァリエールと言う領地までは最低でも二日はかかるという距離。
カトレアの体調も考えて夏の暑さが引くまでは王都の宿泊できる施設で夏を過ごした後にヴァリエール領へと戻るという事になった。
その間従者や護衛の者たちも一時の夏季休暇を味わい、カトレアはタルブ村へ行く途中に預かったニナの身元を調べて貰っている。
そしてハクレイはというと、特にしたい事やりたい事が思い浮かばずこうして王都の中をふらふらと歩き回る日が続いていた。
「みんなは良いわよねぇ。私は自分の事が気になって気になって…何もできないっていうのに」
大きな噴水がシンボルマークとなっている王都の中央広場。トリスタニアの中では最も有名に集合場所として知られている。
その広場の周囲に設置されたベンチに座っているハクレイは、自分の内心を誰にも言えぬが故の自己嫌悪に陥っていた。
ここ最近は、カトレアの従者が用意していだ別荘゙の中に引きこもっていたのを見かねたカトレアに外へ出るよう言われたのである。
無論彼女は善意で勧めているのは分かってはいるが、それでも今は騒音の少ない場所でずっと考えたい気分であった。
「とはいえ、お小遣いとかなんやでお金まで貰っちゃったし…ちょっとでも使わないと失礼よね?」
ハクレイはため息をつきつつも、腰にぶら下げている小さめのサイドパックを一瞥しつつ呟く。
茶色い革のパックにはカトレアが「王都の美味しいモノを食べれば元気になるわ」と言って渡してくれたお金が入っている。
枚数までは数えていないが、中に納まっている金貨の額は八十エキューだと彼女は渡す時に言っていた。
その事を思い出しつつ改めてそのサイドパックを手に持つと、留め具であるボタンを外して蓋を開ける。
パックの中には眩しい程に金色の輝きを放つ新金貨がずっしりと入っており、ハクレイは思わず目をそらしてしまう。
「このお金なら美味しいモノも沢山食べれるって言ってたけど、何だか無下に使うのはダメなような気が…」
そう言いつつ、ハクレイはこれを湯水のごとく消費してしまうのに多少躊躇ってはいた。
これは消費すべき通貨なのだと理解はしていたが、比較的製造されたばかりの新金貨は芸術品かと見紛うばかりに輝いている。
試しに一枚取り出しじーっと見つめてみるが、その輝きっぷりはまるで小さな太陽が目の前にあるかのようだ。
再び目を背けながら手に持っていた一枚をパックの中に戻してから、ハクレイはこれからどうするか悩んではいた。
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