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避難所用SS投下スレ11冊目

674ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2017/04/01(土) 00:27:15 ID:Meqm5SJY

「なぁルイズ、手持ちの金じゃあ休暇が終わるまで高い宿に泊まれないんだよな?」
「え?そうだけど」
 突然そんな質問をしてきた黒白に少し困惑しつつも答えると、魔理沙は意味ありげな笑みを見せてきた。
 まるで我に必勝の策ありとでも言わんばかりの笑みを見て、ルイズは怪訝な表情を浮かべる。
 一体何が言いたいのかまだ分からないのだろう、そう察した普通の魔法使いは言葉を続けていく。
「安い宿はダメで、手持ちの金で高い宿に泊まりたい…。そして、あそこには賭博場がある」
 そこまで言ったところで、彼女が何をしようとしているのか気づいたルイズよりも先に、霊夢が声を上げた。

「アンタ、まさかアレ使って荒稼ぎしようっての?」
「正解!」
 丁度自分が言おうとしていた所で先を取られたルイズがハッとした表情で巫女を見ると同時に、
 魔理沙が意味ありげな笑みが得意気なものへと変わり、勢いよく指を鳴らした。
「いやぁ〜、これは中々良いアイデアだろうって思ってな、どうかな?」
「う〜ん…違うわねェ、バカじゃないのって素直に思ってるわ」
 霊夢のジト目に睨まれ、更に容赦ない言葉を受けつつも魔理沙は尚も笑みを崩さない。
 本人はあれで稼げると思っているのだろうが、世の中それくらい上手ければ賭博で人生潰した人間なぞ存在しない筈である。
 それを理解しているのかいないのか、少なくともその半々であろう魔理沙に流石のルイズも待ったを掛けてきた。

「呆れるわねぇ!賭博っていう勝てる確率が限られてる勝負に、この大事なお金を渡せるワケないじゃない!」
「大丈夫だって。まず最初に使うのは私の金だし、それでうまいこと行き始めたら是非ともこの霧雨魔理沙に投資してくれよな!」
 ルイズの苦言にも一切表情を曇らせる事無くそう言った彼女は席を立つと、金貨の入った袋を手に賭博場へと足を踏み入れた。
 それを止めようかと思ったルイズであったものの、席を立つ直前に言っていた事を思い出して席を立てずにいた。
 確かにあの魔法使いの言うとおりだろう。今の所持金で自分の希望する宿へ泊まるのなら、お金そのものを増やすしかない。
 そしてお金を増やせる一番手っ取り早い方法と言えば、正にあのルーレットギャンブルがある賭博場にしかないだろう。
 頭が回る分魔理沙と同じ考えに至ったルイズは、魔理沙の後ろを姿を苦々しく見つめつつもその体を動かせなかった。


『あれまぁ!ちょっと一休みしてた間に、随分面白い事になってるじゃねーか』 
「デルフ!アンタねぇ、本当こういう厄介な時に出てくるんだから!」
 そんな時であった、霊夢の座る席の横に立てかけていたデルフが二人に向かって話しかけてきたのは。
 店のアルヴィー達が奏でやや明るめの音楽と混じり合うダミ声に顔を顰めつつ、ルイズは一応年長である彼を手に取った。
「話は聞いてたでしょう、アンタもあの黒白に何か一言声を掛けて止めて頂戴よ!」
『えぇ?…そりゃあ俺っちもアイツがバカなことしようとしてるのは何となく分かるがよぉ、元はと言えばお前さんの所為だろう?』
 頼ろうとした矢先でいきなり剣に図星と言う名の心臓を刺されたルイズは思わずウッ…!と呻いてしまう。

 いつもは霊夢や魔理沙に負けず劣らずという正確なのに、ここぞという時で真面目な言葉を返してきてくれる。
 それで何度かお世話になった事があったものの、こうも正面から図星を指摘されると何も言えなくなってしまうのだ。
「まぁそれはそうよね、アンタがタダこねてなきゃあアイツだって乗り気にはならなかっただろうし」
「うむむ…!アンタまでそれを言わないでくれる…っていうか仕方ないじゃない、なんたって私は……ッ」
 公爵家なんだし…と、最後まで言おうとした直前に今自分が言おうとした事を思い出し、慌てて口を止めた。 
 こんな公の場でうっかり自分の正体をばらしてしまうと、平民に紛れての情報収集何て不可能になってしまう。


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