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避難所用SS投下スレ11冊目

499ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2017/01/31(火) 22:09:03 ID:utWO93KQ


「―――…ッ!?い、いけません姫さま!こんな危険な二人に爵位を授けるなどと…!」
「ちょっ…ひどくないかしら、その言い方!」
「随分ストレートに拒否したなぁおい」
 幻想郷の二人に爵位を授ける…。それを聞いたルイズがすかさず拒絶の意を示し、流石の二人も驚いてしまう。
 博麗霊夢と霧雨魔理沙の二人と一緒に過ごしてきたルイズだからこそ、ここまで拒絶することができるのだろう。
 だからといって、それを駄目だと言うのにあまりにも全力過ぎやしないだろうか?
「アンタねぇ…もうちょっとこう、オブラートに包みつつ必要ないですって言えないの?」
「だってあんた達に爵位何て授けたら、それこそ何に悪用されるか分かったもんじゃないわよ…!特に魔理沙は」
「……あぁ、成程。アンタの考えてる事は大体分かったわ」
「ちょっと待て…!それは流石に聞き捨てならんぞ」
 最後に付け加えるようにして魔理沙の名が出た時、霊夢はルイズがあそこまで拒絶した意味を理解した。
 魔理沙に貴族の位を与えようものなら、確かに色々とトリスタニアから消えていくに違いない。主に本とマジックアイテムが。
 キュルケやギーシュたちも今日にいたる幾日の間に魔理沙の事を霊夢からある程度教えてもらっていた為、何となく理解していた。
「まぁ例えなくても盗みに行きそうだけど…ほら、ちゃっちゃっと話を続けて頂戴」
「え…?あ、はい…すみません」
 唯一理解してない本人の怒鳴り声を聞き流す事にした霊夢は、苦笑いを浮かべるアンリエッタに話の続きを促す。
 いきなり大声を上げたルイズに驚いていた彼女は気を取り直しつつ、再び話し始めた。

「ルイズ…報告書でも書いていた通り、あの光が出現する直前まで杖を振っていたのは貴女でしょう?
 ならば教えてくれるかしら?タルブでアルビオン艦隊と対峙した貴女が、あの時何をして、何が起こったのかを」

 単刀直入にあの光――『エクスプロージョン』の事を問われ、ルイズはどう答えていいか迷ってしまう。
 幾らアンリエッタと言えども、あの事を素直に言っていいのかどうか分からないのである。
「そ、それは……あぅ…」
 回答に窮し狼狽える親友を見てその内心を察したのか、アンリエッタはそっと寄り添うように喋りかける。
「安心して頂戴ルイズ。私も枢機卿も、ここで貴女から聞いたことは絶対に口外しないと始祖の名の許に誓うわ」
 アンリエッタがそう言うと、マザリーニもそれを肯定するかのようにコクリと頷く。

 確かに、この二人なら何があったとしても決して自分の秘密を余所にバラす事は無いだろう。
 それでも不安が残るルイズは、後ろにいるキュルケ達の方へと視線を向けると、彼女たちもコクコクと頷いていた。
「まぁ私から乗りかかった船だしね。それに貴女が船頭なら怒りはするけど沈みはしないだろうし、付き合ってあげるわ」
 先祖代々の好敵手でもあり、実家も部屋もお隣のキュルケがこれからの事を想像してか自身ありげな笑みを浮かべて言う。
 次いでモンモランシーも、戸惑いを隠しきれないのか二度三度と口をパクパクさせた後、勢いよく喋り出す。
「私は何も見てなかったし、聞かなかった!だ、だからアンタのあの事は黙っといてあげるわよ!」
 半ば自暴自棄気味な宣言にキュルケがニヤついている中、今度はギーシュが薔薇の造花を胸の前に掲げて、声高らかに宣言した。
「同じく、このギーシュ・ド・グラモンも!彼女ミス・ヴァリエールの秘密については一切口外しない事をここに誓います!」
「…グラモン?グラモンといえば、あのグラモン元帥の御家族なのですか?」
「左様。彼はあのグラミン伯爵家の四男坊であります」
 まるで騎士のような堅苦しい姿勢でそう叫んだ彼の名を耳にして、アンリエッタが思い出したようにその名を口にする。
 そこへすかさずマザリーニが補足を入れてくれると、ギーシュは自分が褒められた様な気がして更に姿勢を硬くしてしまう。
 まるで胡桃割り人形のように固まってしまった彼氏を見かねてか、モンモランシーが声を掛けた。
「ちょっと、アンタ何でそんなに自慢げに気をつけしちゃってるのよ?」
「い、いやーだって、だってあのアンリエッタ王女の前で枢機卿が僕の事を紹介してくれたんだよ?」


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