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避難所用SS投下スレ11冊目

420ウルトラマンゼロの使い魔 ◆5i.kSdufLc:2017/01/04(水) 20:19:30 ID:dfGzk3W6
「……でも、一冊目とは違って何だか重苦しい雰囲気の世界だな……」
 才人はそのことを考え、眉間に皺を寄せた。一冊目の科学特捜隊は、ハヤタがスランプに
陥っていた以外は終始明るく和やかな雰囲気であったが、この世界の地球防衛軍は正反対に
ひどくきな臭い様子である。「フレンドシップ」とは名ばかりの、行き過ぎた地球防衛政策を
推し進め、またそれが何なのかは知らないが、ある事象を頑なに隠そうとし、非人道的な手段に
まで手を染めている。人間の負の面が前面に出てしまっているような世界だ。おまけに、主人公
カザモリの周りには怪しい女の姿が見え隠れしている。こんな物語を無事に完結に導くのは、
一冊目よりもずっと困難かもしれない。
『ああ、そうだな……』
 そんな才人の呼びかけに、ゼロはどこか気のない返事で応じた。
 彼は、「自分の父親ではない」ウルトラセブンのことを考えていたのであった。

 怪獣たちが倒された後、カザモリは『サトミ』に連れられて北海道に向かった。そこには、
ヴァルキューレ星人事件の際に殉職したフルハシの墓があるのだ。
 カザモリ……ダンは、フルハシの墓に向かって、今の自分の抱える悩みを吐露したのだった。
「私があなたと出会った時代、地球人は今のような強い力を持っていなかった。もっと美しい
心を持っていた! 地球人は変わってしまったのか……それとも……」
「いいえ。地球人は変わっていないわ、ウルトラセブン」
 ダンの前に、またしても例の女が現れた。女はダンに、今の地球人の姿こそが地球人の
本性であること、自分たちは今「地球人」を名乗る者たちに追いやられた地球の先住民で
あることを訴えた。その証拠は、防衛軍が隠している例のオーパーツ……。
 女がそこまで語ったところで、ウルトラ警備隊が現場に駆けつけた。カザモリが一度拘束
された際に調べられた脳波から、現在のカザモリはダンが姿を借りている姿、つまり宇宙人で
あることが発覚してしまったのだ。そしてウルトラ警備隊は、カジ参謀の命令で、カザモリを
拿捕するためにやって来たのだ……。
「動かないで!」
 墓地でカザモリは、『サトミ』――一冊目のフジと同じようにその役になり切っている
ルイズに、ウルトラガンを突きつけられた。
「カザモリ君が、異星人だったなんて……」
 カザモリの背後からはシマとミズノも現れ、カザモリは退路を塞がれる。
「いつから……いつからカザモリ君に入れ替わったの!?」
「待ってくれ! 君は誤解している!」
「近づかないで!」
 ルイズに歩み寄っていくカザモリを、ルイズは恫喝した。
「これ以上近づくと、撃つわ。脅しじゃないわ!」
 ルイズの指が、ウルトラガンの引き金に掛けられる――。
 その時に、才人が林の中から飛び出して、カザモリの盾となった!
「やめろッ!」
「!? あ、あなた誰!?」
 突然のことに動揺するルイズたち。それはカザモリも同じだった。
 才人はその隙を突いて、ゼロアイ・ガンモードの光弾でルイズたちの手に持つウルトラガンを
弾き落とした。
「きゃッ!」
「な、何をするんだ!」
「テメェ、侵略者の仲間か!?」
 血気に逸ったシマが才人に殴りかかっていくが、才人の素早い当て身を腹にもらって返り討ちに
された。
「うごッ……!?」
「この人に、手出しはさせないッ!」
 才人の鬼気迫る叫びに、ルイズとミズノは思わずひるんだ。
 ルイズたちが立ちすくんでいる間に、才人はカザモリの手を取って引っ張っていく。
「さぁ、こっちに!」
「あッ! き、君!」


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