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避難所用SS投下スレ11冊目

397ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2016/12/30(金) 23:13:04 ID:UgHbZZAM
「さてと…アンタには何処から話して良いのやら…でもまぁ、アンタにはとりあえず言っておきたい事があるの」
「ふふん!その言い方だと…何か面白そうな事を言ってくれそうじゃないの。良いわ、言ってみなさい」
「勿論言ってあげるわよ。アンタの言ゔ無謀な行為゙をするだけの理由をね」
 未だ余裕癪癪なキュルケに対し、ルイズは瞼を鋭く細めたまま話を続けていく。
 ギーシュやモンモランシーの目から見れば、それはいつも学院で目にしている二人の言い争いの場面を思い出させた。
 だがそんな彼らの意思に反して、ルイズはキュルケの微笑みを見てもかつて程怒ってはいなかった。

「じゃあ教えてもらおうじゃないの。この二人に何を吹き込まれて…命知らずな事をしようと思ったのかを」
「ちょっとアンタ。いい加減にしないと前の時みたいに蹴飛ばすわよ」
 あくまで彼女の使い魔と居候を敵視しているキュルケに、その使い魔である霊夢がいよいよ怒ろうとした直前、
 彼女を睨み上げていたルイズはふぅ…と一息ついてから……キュルケの言ゔ命知らずな行為゙をする理由を告げた。

「―――ムカつくのよ。ただ単純に」
「………はぁ?何ですって?」
「単純にムカつくって言ってるのよ。あの空の上でふんぞり返ってるレコン・キスタの連中がね」
 キュルケは予想していなかったであろうルイズの口から出た言葉に、思わず自分の耳とルイズの口を疑ってしまう。
 しかしそんな彼女に聞き間違いではないという事を教える為に、ルイズは目を鋭く細めてもう一度言った。
 細めた瞼の隙間から見える鳶色の瞳は気のせいか、キュルケの目には激しい怒りを湛えているかのように見えてしまう。
 そして彼女の言葉はキュルケの傍にいた霊夢や魔理沙にタバサ、そしてギーシュやモンモランシーの耳にも届いていた。

「む…ムカつくからってだけで、あの艦隊に戦いを挑もうとしてたの…?」
「ま、まぁ…怒りっぽいルイズらしいと言えば言えるけどね」
「怒りの気持ちで、人はどこまでも強くなれる」
 モンモランシーとギーシュは、どこかルイズらしいその理由に呆れつつも苦笑いし、
 相も変わらず無表情なタバサはポツリと、何処ぞの偉い人が言ったような格言みたいな言葉を呟いた。

 一方で、キュルケに敵視されていた霊夢と魔理沙もルイズの告白に反応を見せていた。
「…ここに来て、ようやっとぶちまけてきたわねぇ」
 先ほど露わにしていたキュルケへの怒りはどこへやら、霊夢はやれやれと言いたげに肩を竦めて見せた。
 しかし実際のところ、ここに至るまでやりたい放題やってきた連中を倒す目標としては一番お似合いである。
 本人は家族を助ける為だったりと、アンリエッタの為に戦おうと色々理由付けはしていたが本心では色々とムカついていたのだろう。
(まぁでも、私としてはそれを咎めるつもりはないし…ムカつくから戦り合うってのは至極単純で悪くはないわね)
 霊夢がそんな風にしてぶっちゃけたルイズを見ていると、後ろにいた魔理沙がニヤニヤと笑みを浮かべながら話しかけてきた。
「まぁ良いんじゃないか。そっちの理由の方が流石お前さんを召喚した人間らしいと思うぜ」
「それ、どういう意味よ?」
「いや、別に気が付かないならいいさ。心の中にそっとしまっておいてくれ」
 人を苛つかせる様な二ヤついた顔で意味深な事を呟いた魔理沙に、霊夢はキッと鋭い睨みをお見舞いする。
 しかしそんな睨みは普通の魔法使いには全く利かず、ニヤついた顔を反らしただけに終わった。

 そんな風にして五人が様々な反応を見せている間、ルイズとキュルケの話は続いていた。
「ヴァリエール、貴女…さっきのは本気で言っているのかしら?」
「本気に決まってるじゃないの。じゃなきゃアンタになんか自分の本音をぶちまけたりはしないわよ」
 ルイズの睨みに対し、その顔から微笑を消して真剣な表情を浮かばせるキュルケが彼女と口論を始めている。
 二人の間に漂い始めた近づきがたい気配は周囲に散り出し、周りの者たちは皆口が出せない様な雰囲気を作っていく。


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