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mugenバトルロワイアル
263
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/03(土) 15:12:29 ID:NdmV/NxA0
規制されてない人は可能なら本スレに代理投下お願いします
264
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 19:47:26 ID:o5o69hIk0
七夜志貴 藤堂晴香 テリー・ボガード 悠久のユーフォリア ユダ
規制されてるのでこちらに投下いたします。
265
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 19:49:18 ID:o5o69hIk0
(埒が明かないな…)
先程から一定の間隔を保ちながら後をつけてくる観察者にそろそろ辟易しつつ七夜は嘆息する。
肝心の尾行はそれに精通した自分に行うには余りにもお粗末。
かといって油断や軽視。侮っているようにも感じとれない。
まあそこは問題じゃないのだが…。
ふむ、と七夜は静かに唸る。
どこか人間ではない存在。確かに動きもセンスもいい…が随分と難儀な奴のようだ。
視覚範囲にいるのにまるで遥か遠くの機械越しに見られているような感覚。
気付いていない振りというのもなかなか疲れる。
だというのに、難儀というよりは律儀というべきか…
明らさまな隙を見せていても愚直までに何らアクションを起こさない。
ここまでくれば相手がどういう腹積もりなのかは馬鹿でも理解できる。
要は殺し合いをするつもりがないのだろう、対して自分は殺人鬼。つまる所危険人物。迂闊には近付けない。
安全な位置での見定め。この遊戯に乗ったのか否か明確な確証がほしいといったところか。
さて、この場には何人の者が呼ばれたのか、また何人の者が正気でいられるか、
相も変わらないの背後の気配を感じながらふとそんな栓無き事を考える。
魑魅魍魎が跋扈する殺戮場。永遠の消滅。狂気の寄り所。とてもまともじゃない。
狂っている。そしてその狂いで生物は本来の姿をいびつに歪め簡単に崩壊を起こす。
「……」
視線を僅かに上げると、木の葉の隙間から綺麗な月が覗いた。
(その過剰なまでの慎重さもこの場では不思議ではない……か)
どちらも動く気がない以上このままでは変わらない平行線。
つかず離れず奇妙な時間が流れていく。
本当大した気概だ。
些かのもどかしさ、いい加減気持ちのいいものじゃない。
ならばどうする? 殺すか?
殺人鬼である七夜にはそれが考えるまでもない自然の流れ。
むしろ今の今までそうなっていないのが彼にとっての異常。快感が迸しる惨劇が今だ開幕していない。
獲物は欲求をそそるなかなかの上物。加えて申し分ない状況。
久方ぶりだ。楽しめないわけがない。はずなんだが……
(つくづく情けない…)
やはり不思議と気分が乗らない。
そしてこの感傷を擽る場所では気分という曖昧な塊もどうやら形を変えそうにない。
いやそれもただの言い訳か?
266
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 19:53:24 ID:o5o69hIk0
殺意が湧いてこないのだ。自分たらしめるものが…何故? それは様々な偶然が重なった結果かあるいわ……。
本当笑わせる。こんな無様で滑稽な殺人鬼がどこにいようか。これではただの人と何ら変わらない。
かと言っていくら自嘲の言葉を重ねてもこればかりはどうしようもなかった。
(…やれやれ、仕方ない)
七夜は肩越しに振り返ると闇の一点に向かって口を開いた。
「いたちごっこはそろそろ終いでいいか?」
◇
悲鳴を上げなかったのは奇跡だったかもしれない。 藤堂晴香はその言葉が自分に向けられた物だと瞬時に理解した。
鷹のような鋭い視線が暗い闇の中でもしっかりとこっちを捉えている。
殺気はない。しかし殺人鬼に見据えられては自然と表情は強張った。
少し離れた距離で交差する視線。だが互いに意味を為さない距離で一方は注意深く、一方は冷淡に。
静謐の空間にはじめて張り詰めた物が流れる。
どるするか−−
冷たい汗が晴香の頬を伝う。
これで観察の意味はなくなった。いつから気付いていたのかは考えなかった。
相手が相手だ。早急に次の行動に移った方がいいだろう。
(…て言っても出ていかないわけにはいけないよね。やっぱり…)
一旦引くといっても七夜志貴が都合よく見逃してくれるかわからない。
それに晴香の目的は彼が殺し合いに乗ったかどうかの確認とその後の対処。
一番リスクのない方法が消えた今ここでの選択肢は決まっている。
問答無用で襲撃してくる事なくわざわざ声をかけてきたのは対話を求めてか、
あるいは何か別の意図があっての事かはわからない。
どちらにせよ今すぐファイトには発展しないと晴香は考える。
理想は何事もなくスムーズに仲間集めに協力してくれて、一緒に脱出しましょう!
よっしゃーこの俺にまかせろ!なんだけど…
(私ってとことん不幸だからな…)
決して油断は出来ない。 顔を引き締め深く深呼吸すると晴香は手にしたナイフを強く握りしめる。
共に修羅場を駆け、あらゆる危険を越え、あの化け物が蠢く戦慄の島を乗り切った
自分の分身とも言える色んな思いがつまった武器の一つ。
267
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 19:57:58 ID:o5o69hIk0
そして何の因果か制御可能な生物兵器。
愛着が湧いたわけじゃないが今ではれっきとして身を守る大事とも言えなくはない装備だ。
戦闘になってもこれらを駆使すればたとえ殺人鬼七夜志貴が正面から相手でも
決して引けはとらないと晴香は自認している。
もちろん相手の実力は理解しているし、自身を過信しているわけでもない。
だけど自分だって伊達にMUGEN界に生きてはいないのだ
よし、と覚悟と決意を胸に晴香は一歩を踏みだした。
◇
草木を踏み締めるその慎重過多な足取りは綱渡りでもしているかのようで、
少女からは警戒している様子がありありと見て取れた。
月当たりに照らされ相手の顔がはっきりと見える距離まできた晴香は
改めてその冷たい瞳にたじろぎそうになる。それをごまかすよう問う。
「…いつから気付いてました?」
隠しきれず声も若干掠れた物になった。
殺気も敵愾心も感じないのに不気味なまでに冷静な相手に否応なく不安が募る。
「はじめから…いや、正確にはアンタよりは早くかな…」
「……そ、…そうだったんですか…」
どうでもよさそうに答えた七夜をよそに晴香は驚きの顔を浮かべた。
見つかる前にトドメを刺すが元来の本質である七夜の者に対して
いくら修羅場を潜ってきた晴香でもこと気配を探ることなどに感しては相手の方が一日の長があった。
さすが、七夜さんと感心するよりも次は羞恥が込み上げてきた。
自分の観察は何だったのか。
あまりの滑稽さでこんな場ではなかったら赤面していたかもしれない。
最後に受かんだのは疑問。
なぜわかっていながら今の今まで気付いてない振りはしていたのか、なぜ今になって声をかけてきたのか。
それを表情を引き締め直して尋ねた晴香は七夜の「さぁな…」と素っ気ない返事に顎がはずれそうになる。
「…じ…じゃ、じゃあ七夜さんはこの殺し合いには乗ってないんですね?」
そう言いながらも晴香は真剣だ。咄嗟に動けるように、
半身を落としいつでも迎撃できるようにナイフを握る手に力を込める。
「…さぁな」
今度はずっこけそうになった。
まるで要領を得ない。
かといってからかっているようにもその態度からは到底見えない。
何とも言えない晴香の視線を無感情で受けながら七夜は続ける。
268
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:01:00 ID:o5o69hIk0
「今は殺すにしても気分が乗らない、強いて言えばそう言う事かな」
「ッ!?…き、気分の問題でそんなッ−−」
「ならどうする? 俺を殺すかい?」
「…うッ…」
機械のように表情を変えなかった七夜がふっと微笑む。
肌寒い夜気が春風に感じる程に底冷えするような寒気が晴香を襲った。
殺気を放ったわけじゃない、なのに身体が震えた。その自然と滲みでる異質さはとても人間のそれじゃない。
(……そうだ。……七夜さんは……)
どこかずれた空気に失念いたが七夜志貴は殺人鬼なのだ。何の躊躇いもなく享楽で人を殺す事ができる殺戮者なのだ。
そして彼の意図しない言葉は少女を迷わす。
ごくり、と唾と込み上げた恐怖を飲み込み晴香は思案する−−どうすればいいのか…と。
まだ殺し合いには乗っていない。だがそれも気分の問題。数秒後には誰かを殺しているかもしれない。
限りなく黒に近い灰色。 危険人物、明らかに危険人物なのは疑いようがない。しかし踏み切れない。禁忌の一歩にまだ踏み入っていない。
晴香は殺し合いに乗った者を容赦なく射殺する冷徹さも持ち合わているがそれ以上の心優しさも持っていた。
−−故に悩んだ。
(…少なくとも今も私を殺そうとはしてない、でも他の人にはそうとは限らない…放っておいたら他のみんなに…けど…だからって−−あーもうはっきりして欲しい…何でこんな悩んで……)
強靭な網にかかったように思考の迷路から抜け出せない晴香。
沈黙が流れた。風が吹き草木が揺れる。
随分と忙しい奴だと、思う。どこか抜けているのか目の前で頭を垂れて頭を悩ます彼女に
今なら軽く腕を振るって一瞬で気付くことなく首を撥ねる事が七夜には可能だろう。
(…しかし馬鹿だね、俺も)
それを実行できないでいる自分に自嘲しながらそろそろ飽きがきたのか彼は晴香に背を向け静かに歩きはじめた。
「…こういう場合は−−ってどこ行くんですか!?」
慌てて呼び止める晴香の声にはたと足を止めると前を向いたまま七夜を気だるげに言った。
「…何だ?」
「な、何だって、だから−−」
「襲うなら早くしてくれ」
「…ちょッ」
「ここにはあまり長居したくないんだね」
「−−−」
思わず奇声を上げながら髪を掻き乱しそうになった。
どうも思うようにいかない。終始ペースを乱されっぱなしだ。
269
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:04:22 ID:o5o69hIk0
そんな彼女の気持ちを知るよしもなく七夜は歩みを再開していた。
遠ざかる背中。その姿を切歯扼腕と見つめる。
このままでは完全に見失ってしまう。晴香は静かに目をつぶると決意する。
最初に接触した相手。それは色んな意味で強敵だった。
そして最後に選んだ選択は−−
「ッ−−わかりました!」
一際力強い声に再度足を止めた。視線は俄然進行方向のまま。
たとえここで銃弾が飛んできてもそれでも七夜志貴は苦もなくかわすことができる。
が結局飛んできたのはまた言葉だけだった。
「ここは一旦引きます」
そこで一度言葉を切る。 少しの逡巡。自分のここでの選択が正しかったのかはわからない。
あるいわそれによって後に悲劇が生まれるかもしれない。
けれど彼女は一番残酷な選択を選ぶことができなかった。
「でも、」
だからこそ絶対の覚悟と真剣さを持って宣言する。
「もし、もし次会った時…誰かを殺そうとしているなら容赦はしません…絶対に!」
次はないと。
「…好きにすればいいさ」
微かな驚きも動揺もなくただ無感情にそれだけを言い残して七夜は夜の闇に溶けていった。
【長野県/七夜の里/1日目深夜】
【七夜志貴@MELTYBLOOD】
[状態]:健康
[服装]:学生服
[装備]:七ツ夜
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品
[思考]
基本:殺すか殺さないかは気分次第
1:とりあえず里を出る
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「はぁ…疲れた…」
七夜が消えた先をぼんやりと見つめながら晴香は大きな溜息をついた。
ピリピリとしていたとはいえ少し会話をしただけなのに激しい戦闘後のような疲労感だった。
「…本当これでよかったのかな…せめて付いていった方がよかったのかも」
冷静になってきた頭で改めて自分の選択を思い返す。
どこか心あらずで猫のように気まぐれでかと思えば怖気を感じさせ真意とか意図とかそういったものがまるで不明瞭。
(……気分、…気分か…)
彼は言った。それは決して嘘ではないのだろう。だけどその奥底で何かを悩んでいたようにも直感的に感じなかったわけではない。
270
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:07:16 ID:o5o69hIk0
(確証はまるでないけどね…)
とにかくそういったものも無意識的に自分の選択を後押ししたのかもしれない。
だからベストではないかもしれないけどベターな判断だったとは思う−−思うけど……
「あーダメダメ、もっと前向きにいかないと」
また出口の見えない思考に陥りそうになってすぐに意識を切り替えた。
もう選んでしまったものは仕方ない。それが過ちというのならその時に責任を取ろうと、無理矢理納得する。
それにいつまでも一人に対してこだわっているわけにはいかないのだ。
彼女の目的はこの殺し合いを壊す事。
そのための道筋はまだ見えていないけどその時その時の行動が遅くなればなる程ゴールに遠ざかるのは明白だ。
(…まずは信頼の構築、戦略を整えながら殺し合いに乗った人の対処をしつつ使えそうな機材の調達、首輪が解析できそうな参加者と施設を探す…かなぁ?)
となれば人が多く集まりそうな本土を目指すべきだが逆に言えば危険性は遥かに増す。
このまま何も考えず向かうのは勇気じゃなくただの蛮勇だ。
不特定多数の未知数の参加者に対して一人で何でも対応できると思える程晴香は自分の実力を過信していなかった。
(…とにかくまずは森を出て近くの市街地を簡単に探索かな…それで誰かと会えればいいんだけど…)
当座の目的地が決まった晴香は早速行動を開始する。
行く手を阻む木々を器用に避けながら素早く足を動かし気配のアンテナは常に張っておく。
先程の反省もあって世話しなく動かす瞳に自然と力が入った。
そうしてしばらく駆けていた晴香はまばらになってきた木立に出口が近いとわかると安堵の息を吐いた。 だがすぐに表情を引き締める事になった。
「……?」
何かを感じた晴香は傍の茂みに素早く身を伏せると耳を澄ませた。
ほんの微かだが声が聞こえる。
(……二人? ……それもこっちに近いてくる…)
ぐるりと視界を回転させ声の方向に視線を走らせる晴香。二度目の観察は意外にも早くやってきた。
しかしその顔はどこか気難しげだった。
(…幸運なのか、不幸なのか…はぁ〜今度はスムーズにお願い)
◇
271
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:09:16 ID:o5o69hIk0
藤堂晴香の願いが通じたか定かではないが事は実にスムーズだった。
やってきた二人組。一人は知っている人、もう一人は知らない子供。
この二人、観察をするまでもなく殺し合いには乗っていない事が火を見るより明らかだったのだから。
まず複数で行動している事はもちろん、何よりも聞こえてくる会話はこんな殺伐した場では到底似つかわしいものじゃなく−−
「…記憶喪失ですか…」
「sit、まったく困ったもんだろ?」
「う〜ん、名前とかそういうのは覚えてるんだけど」
何というかこの人畜無害なあどけない顔を見ると疑念を抱くのが馬鹿らしくさえ思えた。
名前はユーフォリアといって何でも記憶喪失らしく名前以外の事はほとんど覚えていないらしい。
MUGEN界の人はあら方知っているつもりな晴香だが彼女とは面識もなければ噂も聞いた事がなかった。
詳しく知りたくても記憶喪失だから現状はお手上げだ。
「ゆ〜くんとも話すことはできるんだけど…て、あれ? ゆ〜くんて誰だろ?」
「わ、私に聞かれても…」
三人は互いにここに来てからの簡単な顛末を話し終えた後森を抜けて市街地にきていた。
「…これからどうしますテリーさん?」
「ああ…と、その話しの前に少しばかりどこかで休息をとらせてもらってもかまわないか?」
「私も歩き疲れたよー」
「あっと、すいません、そうでした。戦闘した後でしたね。ユーフォリアちゃんも疲れたようだし近くの民間で休みましょう」
「Thank You。流石に堪えたからな」
彼はここに来てすぐに親しい知り合いに合流できたのだがまともな話しをする間もなく、
殺し合いに乗った人に襲われ決着は付かずそのまま激しい戦闘の余波で
元いた場所から遠く離れたあの森まで飛ばされてきたのだった。
そしてその親しいロック(楓)とは離れ離れになり空から降ってきたユーフォリアと
噛み合わない会話を交わしながら一緒に歩いていた所を晴香が見つけたわけだが…
(……各地でもう殺し合いが加速してるって考えた方がいい。いよいよ持って迅速に動かないと)
しかし今は逸る気持ちを抑えて晴香は前方に立つ一軒家に目を向ける。
「あの家で休みましょう」
それにこんなにも早く出来た心強い仲間に勝手を押し付けるのはあまりにも心苦しいし
安心できる場所で一度腰を据えて状況を整理する必要もあるだろう。
272
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:11:54 ID:o5o69hIk0
「…うん? テリーお兄さんどうしたの?」
背後からそんな声が聞こえる。晴香は振り返り、立ち止まったまま動かないテリーに首を傾げた。
「…テリーさん?」
もう一度怪訝げに首を傾げた晴香がテリーの顔を覗き込むと何やら彼は眉を潜め渋面を作っていた。
「…テ…ッ!!」
一体どうしたのかともう一度声をかけようとしてはっと気付いた。同時−−
「Hya。いつまで隠れてるつもりだい?」
少し先の曲がり角の向こう側、彼らにとって死角になるそこに視線を巡らせたテリーは
警戒を含んだ声で闇に潜む何かに問いかけた。
「…フフフ」
不気味な笑みを称えて現れる人影。
夜目にも目立つウェーブのかかった紅い髪。軍服に紫のマントを着用した男の名は−−智将ユダ。
「…下がってな」
咄嗟に身構えた晴香とぽかんとしているユーフォリアを後ろに庇うように前に進み出るテリー。
「フフ、そう殺気立つな。俺はこのようなくだらぬ遊びに付き合う気はない」
泰然と答えたユダにしかし睨みを利かせたままテリーは構えを解かない。
「Ha、言葉とあんたの放つ気は正反対だぜ?」
「この世で最も美しく強い至上の男が醸し出す気品だ。隠そうとも隠せるわけあるまい」
「…俺はまじめに言ってるんだが?」
「フッ…聞こえなかったのならもう一度言うが?」
会話を飛ばすたびに増長していく不穏な空気。
それが一触即発のものに到達した瞬間音は消失し視線の導火線だけがピリピリと二人を分かつ。
どんな瑣事でも投げ込めば火が点火するそこにやがて投下されたのは
あろうことか生クリームのような甘ったるい声だった。
「もう、喧嘩はダメだよ〜」
空気を読まないぷんすかぷんすかといった様相で響いた声に晴香は思わず脇の壁に頭をめり込みそうになる。
「…ちょ…ユーフォリアちゃん…」
「う〜ん?」
「Ha-Ha…」
テリーもまたそれに気が削がれたのかその場で脱力していた。
360度丸っきり変わってしまった場の雰囲気に戸惑いながらも晴香をなんとか声を絞り出した。
「…ど…どうします…テリーさん?」
「可愛いリトルレディに嫌われたくないからな、やめとくさ…」
テリーはそこで一度言葉を切ると再びユダに目を向ける。
「あんたも悪かったな」
ユダは特に気にした風もなく悠然と返す。
「懸命の判断だ。ではまず情報交換といこうか」
273
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:13:18 ID:o5o69hIk0
穏便に場は収まり、戦闘は起きなかった。
果たしてそれは幸運か不幸か−−
三人の元に歩いていくユダは高笑いを隠すのに必死だった。
これからの行動方針を決め同行者を座して待っていた矢先何者かの気配を感じた彼は
一旦家を出て路地裏に身を隠し様子を探っていた。
程なくやってきたのは三人。
あまりに出来すぎた状況にユダは思わず妖艶な笑みをこぼした。
会話内容もさることながら徒党を組んでいる事から少なくとも殺し合いには積極的ではないだろう。
それはまさにユダが求めていたお誂え向きの利用できる駒だったのだ。
(これも、妖星の導きか。やはり美しい者には自然と運が巡ってくるというもの。そう思わぬか?)
(はい)
返っきた彼にしか聞こえない声にユダは満足げに頷いた。
同じ輝きを放つ三つの星に妖しく輝く妖星が紛れ込む−−
それが後に何をもたらすのかはまだ誰にもわからない・・・。
274
:
悩む者、反抗する者、企てる者
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:14:46 ID:o5o69hIk0
【長野県/ 住宅街 /一日目 深夜】
【テリー・ボガード@餓狼伝説】
[状態]:疲労(中)
[服装]:赤い革ジャン [装備]:
[道具]:不明支給品×1(デイパックの中身はまだ確認していません)
[思考]
基本:次元意思を倒してサウスタウンに戻る。
1:ひとまず休息を取る
2:ユダには警戒しておく
3:ロック(楓)と合流する
【ユーフォリアー@聖なるかな】
[状態]:記憶喪失
[服装]:スタンダード [装備]:永遠神剣第三位「悠久」
[道具]:不明支給品×1(デイパックの中身はまだ確認していません)
[思考]
基本:何とか記憶を取り戻す。
1:テリーお兄さんと晴香お姉さんに付いていく
2:疲れたー
[備考]
※自分の名前と戦い方意外の記憶を失くしています。
※首輪とエターナルの制限で悠久の守護神獣実体化不可
(ただしゆーくんとの会話はできます)
【藤堂晴香@寄生ジョーカー】
[状態]:疲労(小)
[服装]:私服
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品
[思考]
基本:殺し合いを壊す
1:休息を取る
2:ユダには警戒しておく
3:七夜さんに次に会ったら…
[備考]
【ユダ@北斗の拳】
〔状態〕健康
〔服装〕軍服
〔装備〕支給品一式、ランダム支給品
〔道具〕なし?
〔思考〕
基本:殺し合いに乗る
1:この三人をうまく利用して殺し合いを有利に進める
〔備考〕
※ストライカーを使用する事が出来ます。(コマク、ダガールの二人)
ただし原作と同じくゲージが設定されておりこのゲージはユダは確認出来ません。
※原作からなのでMUGENのキャラクターについてはあまり知りません。
275
:
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/03(土) 20:16:40 ID:o5o69hIk0
これで投下終了します。
問題がないようならどなたかお手数ですが代理投下お願いします。
276
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/03(土) 23:30:38 ID:YMR.rN.60
投下乙です
七夜はここで単独行動か、まぁ滅ぼされた故郷に思うところはあるかもねえ
そしてスーパーユダ様は本当に頭の良いお方タイム到来の予感!長野県なら沢山ダムありそうだしね!w
どうでもいいことだけど、テリーが英語交えて喋っているとその内レッツパーリィって言い出しそうでこわい
277
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/04(日) 23:25:42 ID:RV69wJgg0
ちょっと間に合いそうにないので延長します。
規制に巻き込まれたので明日の夜こちらに投下しますね。
悩む者、反抗する者、企てる者投下乙です。
開始早々ユダ様と合流ですか!
混成パーティは色々火種になるのでこの先の展開が楽しみです。
278
:
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/04(日) 23:32:30 ID:jF1CG0xo0
僕も間に合いそうにないんで延長させていただきます、すみません
279
:
◆.LMglw2/zs
:2010/04/04(日) 23:49:34 ID:YVGb.9Nk0
続けて自分も延長お願いします
280
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:42:14 ID:OWHz5vKY0
投下します
281
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:42:52 ID:OWHz5vKY0
鋼鉄の四足がコンクリートとぶつかるたび、小さな火花が走る。
風を切り走る楕円形の鋼鉄から生えた四本の足は、その体を支えるのは細すぎる。
そのはかなさと鋼鉄の身体のコントラストと言うべきものが素晴らしい。……らしい。
病気のように見えると思っていた青白い肌も、神秘的で人ならざる可憐さがある。……らしい。
後ろを追っかけてくるHENTAI曰く、そういうものらしい。
みょメガだって心は少女。まあ、嬉しくないわけじゃない。
完全に人外に成り果て、そういう求愛と言うか告白と言うかは、一生ないと思っていた手前なおさらだ。
だが、あまりにも暑苦しく、HENTAI臭溢れる感じの男に追いかけ回されながら言われてもなんだかなあと思わざるを得ない。
やっぱりなんだかんだいって見かけ、態度の大切さを改めてSHIKIが学んでくれればいいが、その気配もない。
こんな疾走いつまで続くの……とちょっとマミヤちっくなことをみょメガが考えた時だった。
「おやおや、随分のお盛んなことじゃないの」
「最近の若者は元気だね☆ お腹もすくだろうしハンバーガーを食べさせてあげないと」
建物の影から現れたのは、二人組の男。
一人は青いつなぎを華麗に着こみ、「やらないか」オーラをあふれさせている。
mugen外でも有名人であり、mugenでも最古参の住人かつmugenの前身二次裏格闘のキャラでもある彼の名前は――阿部高和。
もう一人は、食欲をそそる暖色の筆頭と言われる赤と黄色のツートンカラーで身を包む道化。
やっぱりmugen外でも有名人であり、mugen内でも何かと大会によく呼ばれる教祖様――ドナルド。
足を突っ張って急ブレーキ。
二人ともどう考えてもまともな思考の持ち主ではない。
殺し合いに乗ってるか否かとは別の次元でイロイロヤバい。
特に、阿部さんはみょメガはセーフでも後ろのSHIKIが危ない。
なんだかんだいって相手を気遣ってしまうのが彼女の良いところであり悪いところ。
すぐに止まると後ろを振り向いてSHIKIに身振り手振りで「こっちくんな!」と懸命に伝える。
だが、悲しいかな相手はBAKAことSHIKI。
そんな彼女の気遣いなど無視し、そのままみょメガにルパンダイブで抱きついてきた。
「やっと止まってくれましたね! それは俺の愛を分かってくれたと思ってもよろしいんでしょうか!?」
うわ、うぜぇ。
若干キャラ崩壊気味な毒を内心感じつつ、それでもみょメガはここから離れるようジェスチャー。
「……! ……………!」
「えーと……」
「…………! …! …!」
「それは俺を受け止めてくれると思ってよろしいですね!」
……………。
282
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:43:59 ID:OWHz5vKY0
だめだこいつー!?
「ハッハッハ。見せつけてくれるねえ」
「甘酸っぱいマックシェイクの味さ!」
そんなこんな言っている間に、赤黄、青の信号機な二人はみょメガの側に。
SHIKIも流石に二人の不穏さに気付いたのか、みょメガから離れて――いやさりげなくみょメガの前に出て二人に構えを取っている。
「なんだ、おっさんたち。なんだか色々悪い気が出てるけど、何の用事だい?」
「おいおい。まだまだ俺はおっさんと呼ばれるほど老けてるつもりはないぜ。まあ、用事は簡単なんだ」
「へえ……一体なんなんだ?」
どうやら、SHIKIは阿部さんのことを知らないようだ。
だが、阿部さんを知っているみょメガには次に阿部さんが何をやるのかよくわかる。
阿部さんはつなぎの前を外し――みょメガの思う通り――そして、絶妙な表情で一言。
「 や ら な い か 」
「………………………………………………………は?」
やっぱり。やっぱり言った。
一つみょメガの名誉のために言っておくと、彼女はノーマルな人外である。
だが、百合が嫌いな男が少ないのと同じくらい、薔薇が嫌いな女の子もいません。
顔こそ真っ赤になっているとはいえ、ちらちら二人を見てしまうのも少女故致し方なし。
言われたSHIKIはと言うと………たっぷり30秒は硬直状態に陥った後、眼を向いて叫ぶようにまくし立てた。
「ウェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!?
ちょっと待ってくれ! 俺にそんな趣味はないぞ! 愛が欲しいのはそこにいる麗しい少女のような子から限定で……」
「ところで、ハンバーガーはどうだい?」
「人の話を聞けええええええええええええええええええ!!」
自分の話(というかジャスチャーによる意思)を聞かなかったくせに。
両方の肩に手をかけられ、さあ、「やろうぜ!」「ハンバーガー食おうぜ!」と迫られているSHIKI。
そこでみょメガもはっとする。
これは……もしかして殺人に繋がることを見逃そうとしているのではないかと。
だが、もしかして単純にその……えーと……処女?的なものや嗜好を強制しようとするだけで殺人の意思はないのかもしれない。
ここで攻撃するのは、余計に場をこじらせるだけに終わるかも。けど、もしかしたら……。
だが、みょメガの考えは1秒後には吹っ飛んでいた。
283
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:44:36 ID:OWHz5vKY0
何故なら、天から大量の槍が降り注いできたのだから。
慌てて移動するが、移動速度の遅いみょメガはでかわしきれない。
こうなれば、金属の鎧で受け止めようと考えたが、
「誰だよ……俺の嫁に手を出そうとしたのは!?」
みょメガの上に降り注ぐはずだった槍は、全て誰かの手で弾き飛ばされていた。
弾き飛ばした男は、他でもない――グラップラーSHIKI
誰が嫁だ……と思ったが、敢えて言わないでおく。
少し向こうを見れば、阿部さんとドナルドもジェノサイドカッターこと「ドナルドはダンスに夢中なんだ☆」を使って撃ち落としていた。
結局、四人とも無傷だったことになる。改めて、周囲に立ち並ぶビルの屋上を四人とも自然と見上げていた。
そして、発見する。
そう――黄金に輝く世紀末の使者、鳳凰の聖帝を。
「愛があると聞いて飛んできました」
☆ ☆ ☆
少し時間はさかのぼり――
「この声は……愛!」
更なる愛☆撲滅を誓い東京周辺をうろつくサウザーイヤーに愛を語る言葉が飛び込んでくる。
東京ならば参加者も集まるし、聖地である聖帝十字陵(ナカノティーアールエフ)もあるだろうと踏んだが、正解だった。
サウザーイアーは(愛に関しては)地獄耳。百万km離れた場所の愛の囁きも聞きつける。
サウザーフットは「愛などいらぬ!」と恋人たちの前で叫ぶためなら百里を一足で駆ける。
サウザーヘッドは(愛を粉砕するためなら)帝王として誰よりも高速で回転する。
そして、サウザーの全細胞が一つのことに向けられる。そう――愛を破壊せよと!
「しかし……この東京に二つも愛があるだと!?」
サウザーイアーが捕えた情報によれば、この東京に既に二つの愛があることが判明している。
できるなら、体を二つに分けてでも即刻両方の愛を粉砕すべきだ。だが、現実サウザーの身体は一つしかない。
ならば、どうするか。
「知れたこと……! 最速をもって両方の愛を粉砕するのみ!」
サウザー・愛(eye)・レーダーによればどうやら、片方はゆっくり歩いているらしい。
しかし、もう片方は高速で動いている様子。二組、もうすぐ接触する気配がある。
好都合だ。合流したところを叩くべきだろう。
「愛などいらぬ! フハハハハハハハ!!」
284
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:46:35 ID:OWHz5vKY0
サウザーの身体が金色に輝く。
そう、サウザーは愛を粉砕するため戦う場合に限定し、潜在能力が解放されるのだ。
具体的に言うと、常時無双状態付与+常時鳳凰呼闘塊天+ゲジマユ仕様。
つまり―――パーフェクト世紀末状態。
☆ ☆ ☆
みょメガの身体に緊張が走る。
別に、世紀末な人々とそこまで面識があるわけではない。
だが、その世紀末のうわさはどこにでも轟いている。
曰く「カーソル合わせた瞬間試合終了」。曰く、「バスケが始まって席を立つの余裕でした」。
曰く、「十割コンボ上等、試合開始二秒で決着」。曰く、「┌┤´д`├┐<執念が足らんぞ」 。
絶対に、まともに戦っていい相手ではない。
現在、どうやら敵が現れたせいかこちらにドナルドも阿部さんも気を向けていない。
彼らも世紀末の世紀末っぷりを知っているからだろう。
もしかしたら、協力できるかもしれない。
「お前たちか……愛を語らう不届き者は!」
世紀末の人がこちら四人を指さし、叫ぶ。
「ドナルドは、タタカズと一緒にハンバーガーの良さを広げるだけさ☆」
「おいおい、愛のない世界なんてごめんだぜ。まだまだいい男を食い足りないんでな」
「愛……! 語りたい……! だが……無理……ッ! けど、いつか必ず掴んで見せる!」
「…………(えーっと、なんだろうこの三人テンション……)」
一人の心の声と、三人の愛の言葉を聞いた世紀末の人は、見る見るうちに闘気が膨れ上がっていく。
「いいだろう……ならばこの聖帝サウザーにかかってくるがいい! 四対一で一向にかわまん!
mugenのルール通り、先鋒、中堅、副将、大将を決めてな!」
なんだろう、このカオス。
なんだか殺し合いと言うよりいつものmugenのバトルのノリのような……
そんなことをふと思ったが、敢えて言わなかった。ともかく、四対一なのである。
これならば、もしかしたらチーム補正でダメージ倍増とはいえ勝てるかもしれない。
「なかなかいい男じゃないの。男のよさを俺が教えてやるさ」――阿部高和。
「じゃあドナルドが中堅でいくよ☆」――ドナルド。
「君がでるまでもないさ。俺が華麗に片づけてやる!」――グラップラーSHIKI。
「………(わたしが大将……?)」――みょメガ。
こうして、5人の戦いの幕が開けた。
285
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:47:25 ID:OWHz5vKY0
デデデデザタイムオブレトビューション
THE TIME
OF
RETRIBUTION
バトー ワン
BATTLE 1
デッサイダデステニー!
DICIDE
THE
DESTINY
…………………………………………………。
…………………………………。
……………………。
………。
「次は誰だ! トキか!? ラオウか!?」
勝てるかもしれないという希望虚しく、サウザーが地面に倒れ伏した四人に足をかけ、高らかに笑う。
何があったのかを簡単に、ダイジェストで説明しよう。
286
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:48:23 ID:OWHz5vKY0
第一ラウンド 阿部さんvsサウザー
「行くぜ」阿部さんが小パンを繰り出す。「南斗爆星波!」サウザー、牽制に爆星波を繰り出す。
そんな小競り合いがしばらく続いた後、引かぬ媚びぬ省みるののち、槍が錬金される。そう、
「引かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! フハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハ
フハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハ
フハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハフハハッッ!」
延々と撃ちあげられ槍を叩きこまれる。
世紀末オリンピック種目 槍投げ――結果、十割。
第二ラウンド ドナルドvsサウザー
「ドナルドはダンスに夢中なんだ!」繰り出されるジェノサイドカッター式の蹴りあげ。
「豚が!」夢想発動、サウザー背後に。そのままコンボがドナルドに叩き込まれ、次の瞬間、
「媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ
媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ
媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬ媚びぬッッ!!」
ひたすら媚びぬで左右に運送され続ける。
超・媚びぬ運送――結果、十割。
第三ラウンド グラップラーSHIKIvsサウザー
メルブラキャラはわりと飛ぶ傾向があるのが、それがまずかった。
飛んだSHIKIの背後にサウザーが来てしまったのが命取り。
「南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波
南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波
南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波南斗爆星波ッッ!」
メルブラキャラなど一部キャラのみ成立する、爆星波ヒットで上昇、そこに爆星波を重ね永遠に上昇するループ。
爆星宇宙旅行――結果、十割。
第四ラウンド みょメガvsサウザー
みょメガのミサイルがまさか無双を取られ、背後へ回られる。
一瞬でコンボを決めた後は、mugenの仕様上継続された星による――
「受けてみよ………天翔十字鳳ォ―――――――!!!」
テーレッテー♪――結果、十割。
以上でダイジェスト終了。
なにこのチート。なにこの世紀末。
「………(無理……)」
もちろん、AC北斗じゃこんなことはできない。
mugen仕様だからこそ出来る技とはいえ、mugen轟く世紀末の意味を否応なしに四人とも体に教え込まれる羽目になった。
287
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:50:03 ID:OWHz5vKY0
「ふん、所詮愛などと下らぬものに流されるヤカラはこの程度か……」
倒れる四人を一瞥し、そう吐き捨てるサウザー。
だが、その言葉になお反論するものがいた。
「おいおい、違うだろ……あんただって愛が欲しいはずだ。愛に飢えていた……俺には分かるッッッッ!!」
SHIKIが、サウザーに負けず劣らず叫び返す。
その言葉に答えるように、倒れていた二人もまた立ち上がる。
「そうだな、あんたの槍をくらってみて思ったぜ。あんたも愛を欲しがっているはずさ」
「ドナルドは子供と悲しい大人に夢と愛を与える教祖様さ☆」
四人が全員再び立ち上がったことに僅かに動揺を見せるサウザー。
だが、その顔はすぐに愛を撲滅する聖帝サウザーのものに戻っていた。
「ならばいい……滅びるがいい、その愛とともに!」
どうにか、四人とも立ち上がる、まだ戦うことは出来なくもない。
1vs1×4ではなく、今度は本当に4vs1。mugenのルールでは出来ない、この世界だからこそ出来るルール無用の戦い。
だが、こちらは疲労困憊、満身創痍の四人に対して、相手は愛を滅殺しようと覇気をみなぎらせる帝王。
「犯バーガーだ!」「……!」
唯一遠距離攻撃をもつドナルドとみょメガが牽制を入れる。
弾幕同然の濃さで放たれる弾丸を、ガードしつつも夢想を織り交ぜサウザーは接近してくる。
だが、そこには待つのは肉体派二人。
「おおっと、俺たちもいるんだぜ?」
「鳳凰を捉えることはできぬ!」
投げようとする阿部さんの攻撃を、一瞬タイミングをずらすことで回避すると、逆に「媚びぬ」の突き。
だが、グラップラーSHIKIの低空ジェノサイドカッター方式の蹴りあげが、サウザーにHITする。
一度当たれば、弾幕で一気に落とさずコンボを決めまくる四人。
なにしろ、こっちは落とさなければいいのだ。コンボ補正で安くなるとはいえ、手数の差はいかんともしがたい。
「ぬあああああああああ!?」
サウザーが叫びをあげる。
ここにいる人間が知るよしもないが、サウザーのあだ名は「柔らか聖帝」。
受けに回ればその柔らかさはどうしようもないキャラなのだ。
一方的にサウザーがひたすら攻め立てたのも、この紙防御の裏返し。
「ぐぉっ!?」
コンボが途切れ、サウザーが地面に叩きつけられ、うめき声をあげた。
288
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:50:49 ID:OWHz5vKY0
「やったのかい?」
「まだだよ☆ もっとビックマックしてあげないと☆」
「だけど……こっちもきついぜッッッ!!」
「………(立ち上がらないで……)」
クク、と喉を鳴らしサウザーは笑う。
五分、いや圧倒的不利に追い込まれていると言うのに。
「確かに敵と認めよう。だが……天空の鳳凰は落ちぬ!」
気付いた時には、遅い。
起き上がりに重ねた犯バーガーがすり抜けた。放たれるのはリバサ鳳翔――!
天に舞い上がり、斜めにこちらにオーラを身にまとい落下してくるサウザー。
その一撃は、まさしく天空から獲物を狙い急降下してくる猛禽類だった。
ちょうど中央に落下したサウザーによって分担される陣形。
そして――
「愛など!」
サウザーの突きが阿部さんを吹き飛ばす。
「愛など!」
サウザーの回し蹴りがSHIKIを弾き飛ばす。
「愛など!」
サウザーの槍が阿部さんを貫く。
「愛などいらぬ!」
サウザーの爆星波が、みょメガを地面に叩きつけた。
一瞬の逆転。これが、狂キャラの実力。
全員まだ息はあるようだが、ダメージが限界すぎた。
「愛などとうつつをぬかすからこうなるのだ! フハハハハハハハ!!」
高笑いする隙だらけの背中にみょメガが手のマシンガンを向ける。
だが、サウザーは背中に眼でもついているのかあっさりとそれをかわしてみせた。
夢想を使うまでもないと思ったのか、歩いてやってくるサウザー。
「きかぬなあ。だが、この聖帝に逆らった罪は重い。貴様に相応しい死に方が用意してあるっ!」
サウザーが手を振りおろせば、空から巨大な生四面体――つまりピラミッドの頭頂部が落下してきた。
みょメガの動きでは回避が難しい。ここまでなのかな……と漠然と余りの実力差から思った時だった。
「ふッッッッッッッ!!!」
暑苦しい声とともに、SHIKIが割り込んできた。
落下してくるピラミッドを受け止め、両足と腰に力を入れ踏ん張っている。
サウザーもみょメガも意外だったため、眼を見開いてその姿を呆然と見ていた。
「はやく……逃げるんだ……!」
「………!(どうして、こんなこと……!)」
口を動かすが、声が出ない。そのことが、心から恨めしいと思った。
289
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:51:31 ID:OWHz5vKY0
「どうして、って……惚れた女の子を守るのは男の仕事だろ?」
――伝わった。
声などなくとも、たしかにみょメガの声なき言葉はSHIKIに伝わっていた。
その、暑苦しすぎる青年は、みょメガの意思を心を理解していた。
ボロボロでもなお立ち上がるSHIKIが、またもみょメガの前に立つ。
自分よりボロボロでも、言葉を違えることなく守るために。
そんな二人を見て、サウザーは阿修羅よりも憤怒に燃える瞳でこちらを――いやみょメガを射抜く。
「見ろ、このガキを! 貴様への思いがこんなガキすら狂わす!
勝てるはずのない戦い、自殺に等しい行為すらさせてしまう! やはり愛などいらぬのだ!」
サウザーの言葉は違う、と思う。
けど、自分のせいでSHIKIが無謀な戦いに挑もうとしているのは事実。
「ならば愛とやらでこの槍をかわして見よ! 死ねぃ!!」
サウザーの槍のターゲットは、間違いなく、SHIKIの心臓だった。
このままいけば、SHIKIはその心臓を槍で貫かれ絶命してしまうだろう。
だが、撃ち落とそうにも手を変化させている間に槍はSHIKIに到達してしまう。
SHIKI自身は頭の上のピラミッドのせいで身動き一つとることが出来ない。
「手さえ自由なら―――!」
SHIKIの呟き。回転する頭。自分が、今何をするべきか。
みょメガは、思いついたことを即座に実行した。つまり、
「ぬぅ!? 共に潰れようと言うのか!?」
抜け出たはずのピラミッドの下に戻り、体を突っ張らせる!
SHIKIも驚いた様子だったが、みょメガはSHIKIを見て口を動かす。
「………!(これで片手は動くはず!)」
そう、重さの片方をみょメガが肩代わりしたため、片手とはいえ動かせるようになったのだ。
瞳をかわしただけで、SHIKIは確かにみょメガの意思を心で理解した。
SHIKIが、向かってくる槍を、確かに掴む。
290
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:52:11 ID:OWHz5vKY0
グラップラーSHIKI。それは、拳だけで戦う格闘士のことである。
オリジナルであるシキのように、ナイフを使うことはしない。だが、彼も武器を使う時が特定の状況でのみある。
それは、
相手の武器を受け止めた時―――!
「少し我慢してくるか?」
「………(コクン)」
槍を受け止めたSHIKIが、ピラミッドの下から一気に駆けだした。
――――――――――――――――――――――――――――――
LAST ARC
――――――――――――――――――――――――――――――
「でりゃあああああああああああああああああああああッッッッッッッ!」
「なんと……ッ!?」
その速さは、槍よりも遥か早く。
サウザーのガードが完成するよりも早く。
SHIKIの手に持った槍が、逆にサウザーに突き立てられた。
コノメニウー♪
結着の、音楽が鳴り響く。
☆ ☆ ☆
291
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:52:42 ID:OWHz5vKY0
「それで、これからどうするんだ?」
「このままほっとくわけにもいかないし……ハンバーガーを味わってもらわないとね☆」
「おいおい、俺の息子もまだおさまってないンだぜ。気絶プレイも乙なものじゃないか」
「………(………気絶プレイ……)」
だいたい四人の意思をまとめると、危険ではあるが殺す必要はないだろう、ということだった。
ただ、阿部さんのイチモツは大きすぎて……その、それだけで殺してしまいそうなサイズだったが。
「おいおい、そんなので殺される側も悲惨だし、やめてやれよ」
「なんだい? じゃあそっちが代わってくれるのか? 俺は大歓迎だぜ?」
「いやいやいやいやいや! 勘弁してくれ!」
SHIKIが阿部さんの誘いに全力で断りを入れる。
なんというか、相変わらずだなあ、とみょメガは思った。
この殺し合いで、あれだけ激しく戦ったのに四人、いや五人とも無事だった奇跡。
そして、戦い終われば打ち解けてわいわい誰とでもやれるこの空間。
この空気が、他でもないmugenのよさだろう。
だから、自分のような人外でもいることができる。
「まあ、それはともかく楽しませてもらうぜ。ちょっと収まりがつかないんでな」
「だから! こんな通行人もいる場所でやめろっての!」
どうやら、無理やりにでも阿部さんはヤる気らしい。流石に精神衛生上みょメガとしてもまずい。
みょメガは止めるべく二人の間に割って入ろうとして―――――
292
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:53:29 ID:OWHz5vKY0
「ドラゴン・ナイトメアァ!!! 」
巨大な半球状の光が、みょメガ達のいる場所に叩き込まれた。
【阿部高和 死亡】
【ドナルド・マクドナルド 死亡】
【童帝サウザー 死亡】
【グラップラーSHIKI 死亡】
293
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:54:25 ID:OWHz5vKY0
☆ ☆ ☆
これ以上ない爽快な気分とはおそらくこういうことなのだろう。
何やら戦う音を聞きつけやってくれば、そこには先程のぱっとしないモテなそうな男と四人組が戦っているではないか。
しかも、相手はあのmugenの外まで名が知れた阿部高和とドナルドが混じっている。
これは――殺さない理由がない。どうやら、向こうは戦うのに必死でこちらに気付いていない様子。
ならば全て終わった後おいしく自分がいただくとしよう。
これこそが智略! 強者、有名人を苦もなく葬り去る自分こそが、mugenで目立つべき存在なのだ!
案の定、見事に奇襲のドラゴンナイトメアを食らった阿部高和とドナルド含み全員が絶命したらしい。
当然だ、北斗有情破顔コンタクトレンズなどとも呼ばれる自分の最強必殺技をボロボロの状態で受けたのだ。
悠々と軽やかな足取りで、ヨハンはその場を離れていく。
これで、キルスコアは6。きっと、自分はもっとも目立つ存在のはずだ。
【『通行人』ヨハン・カスパール@レイジ・オブ・ザ・ドラゴンズ?】
[状態]:健康 影が薄い
[服装]:スタンダード
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品
[思考]
1:目立つキャラを殺して優勝。
2:超・上機嫌
☆ ☆ ☆
「………(………)」
ドラゴンナイトメアがさく裂した瞬間。
本来なら、みょメガが砕け散るはずだった。
だが、風のように何かが走り受け、みょメガの代わりにドラゴンナイトメアを受け止めた。
頭では、それが何なのか分かっている。だが、みょメガはそれを認めたくなかった。
ドラゴンナイトメアで黒焦げになった、緑色の制服。
それは……他でもない、SHIKIのそれだった。
【みょメガ@MUGEN】
[状態]:ダメージ(中)
[服装]:なし
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品
[思考]
1:…………呆然
[備考]
※武装は全て揃っています。
294
:
夢の世界とその終わり
◆rA0Yk84YB2
:2010/04/05(月) 00:54:57 ID:OWHz5vKY0
投下完了。やりすぎたかも……とは一応思っています。
問題などありましたら指摘をお願いします。
295
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/05(月) 00:55:43 ID:EnI4WzLo0
ヨハン、地味≒ステルスかいwwww
296
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/05(月) 01:07:33 ID:EnI4WzLo0
っと、投下乙です!
すげえ、南斗いうMUGENバトル。サウザー、攻めてる間は強キャラといわれる由縁を発揮したなあ。
SHIKIも想いは通じたが、恋愛フラグ=死亡フラグの定説を覆せなかったか……
そして美味しい所は全部ヨハンは持っていった最後。地味だけど。
しかしサウザーの紹介がデビルマンだったり、聖帝十字陵の読み方が可笑しいwww
あと現在地はどの辺になるのでしょうか?
297
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/05(月) 01:19:19 ID:OWHz5vKY0
すいません、現在位置は
【東京/ビル街/1日目/深夜】 でお願いします。
298
:
◆UcWYXJfnkk
:2010/04/05(月) 01:59:45 ID:CmLqFNkM0
投下乙です。
おお、MUGENらしいバトル。
ヨハン漁夫の利www
みょメガは……どうなるか。次が楽しみだ
ソレと連絡遅れてごめんなさい。延長を申請します
299
:
◆.LMglw2/zs
:2010/04/05(月) 03:58:45 ID:EnI4WzLo0
投下します。
島国日本において、唯一地平線が確認できる北の大地、北海道。
初めて北海道を訪れた日本人の観光客にとって、その雄大さから受けるカルチャーショックは計り知れない物がある。
『北海道はでっかいどー』なんてシャレが出来るのも当然と言える。
だが、ドイツ生まれのヴォルフガング・クラウザーにとっては地平線などありふれたものは興味の対象にすらならない。
唯々、己の体のみで地平線の先を目指し歩き続けるだけである。
目指す方角は西。理由は単純、支給品の中にあった白地図でここが日本の何処かであることが判明した為である。
日本は海外ではFar East、極東と呼ばれているので、ならば西に向かえばどうにかなるだろうというシンプルな考えからなのだ。
市街地を通り過ぎる際に見かけた道路標識に富良野や夕張や札幌などと書かれていても、ドイツ人の彼では現在地を把握出来なかった。
そして――
「ふむ、船か」
クラウザーが到着したのは札幌の西隣、小樽。その港には一隻の船が係留されていた。
その船は現代的な船舶ではなく木造の帆船であり、帆には一文字三つ星の紋所が印されている。
この家紋だけでは日本史に詳しい人しか理解は出来ないだろうが、この船がMUGENにおいて
どの様な場面で登場するのかを説明するのに実に解り易い言葉がある。それは、
オーモーイーガー
……察しの良い方はお気づきだろう。
曰く戦国陸上最強、
曰くトキよりも理不尽な性能を誇るキャラ、
曰くダイヤグラムは全キャラに対して7:3以上をつける、
曰く彼を選ぶことは(試合をさっさと終わらせて)飯食いに行こうぜの合図。
戦国BASARAX最強の男である毛利元就。その彼の軍船、通称『オクラ号』が瀬戸内海から遥か遠く、北の日本海に浮かんでいた。
300
:
◆.LMglw2/zs
:2010/04/05(月) 04:01:21 ID:EnI4WzLo0
尤も、彼の戦闘能力から言って一撃必殺技が使用可能になるよりも早く、
相手のライフが尽きてしまうことがかなりあるのでこの船を見かけることは余り無い。
その辺は同じ理不尽キャラ満載の北斗の拳ならトキよりもレイに近いのかもしれない。
クラウザーにとって、この船がどういう物なのかは知りもしないし、どうしてここに有るかは気にも留めない。
彼にとって肝心なのは、オクラ号が接岸している岸壁に掲げてある一枚の看板。
それは『フェリー乗り場』と書かれた文字と、行き先を図で説明している看板だった。
「なるほど……この船はどうやらキョウトの近くに向かうのか」
日本の都市の中で、海外にその名前と場所が知れ渡っている都市は決して多くはない。
一番は首都である東京。次点が大阪や京都と言ったところだろう。そしてこの船は京都府舞鶴付近が目的地のようだ。
クラウザーも流石に東京や大阪、京都の位置は知っている。特に大阪の場所を彼が知らない筈はない。SNK的に考えて。
「キョウトと言えば、ジャパンでも有数の名所が数多くあると聞く。そのような場所こそ、私が戦う舞台に相応しい」
クラウザーには戦いにおける一つの信条がある。
彼にとって自身の戦いは芸術であり、自身の完璧な勝利は勿論の事ながら対戦相手も一流に拘るのだ。
そうでなければ己の戦いが一流に昇華されず、芸術には成り得ないのだ。
そんな彼が古都・京都での戦闘を望んだとしても何の不思議もない。
「それにもしあの男がこの場に呼ばれているなら、キョウトを目指してもおかしくは無いしな……」
クラウザーが思い浮かべる男。決して何時までも京都を探し続けている某キワミではない。
それは彼の異母兄弟であり、因縁の相手であるギース・ハワード。
彼らが子供の頃にはクラウザーがギースに対して圧勝した事もあったが、現在ではお互いに警戒するべき存在となっている。
そのギース、若い頃に日本に滞在し自らの戦闘スタイルである古武術を学んだ事もあり、日本文化に造詣が深い。
どの程度かと問われれば、彼のステージには甲冑や仏像が数多く並んでいたり、
「 覇我亜怒 」や「 大悪党 」等の指し物や提灯が有るくらい。
極めつけはテーマ曲のタイトルが「ギースにしょうゆ」。
これほどの日本被れであるギースが京都を目指さないはずが無いというのがクラウザーの考えである。
残念ながらギース・ハワードはこの場に呼ばれていないのだが。
301
:
◆.LMglw2/zs
:2010/04/05(月) 04:04:13 ID:EnI4WzLo0
どういう仕組みか、クラウザーが乗船するとオクラ号は自動的に進み出した。
どう見ても帆が風を受けて進んでいるようには見えないが、そこは戦国のGUNKANなのでよくある事なのだろう。
大海原の遥か先、水平線を眺めつつ、クラウザーは京都で待ち受けている戦闘に心を踊らせ一時の休息を取る。
京都で彼を待っているものは何であるのか、それを知る者は誰もいない。
【北海道小樽港/海上/1日目/黎明】
【ヴォルフガング・クラウザー@餓狼伝説シリーズ】
[状態]:軽い疲労
[服装]:甲冑とマント
[装備]:同上
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品x1
[思考]
1:参加者全員及び次元意志と戦う
[備考]
ライン移動あり。
※オクラ号について
オクラ号は北海道小樽〜京都府舞鶴間を移動します。ぶっちゃけ桃○郎電○と航路は同じです。
無人で移動することは有りません。船上で戦闘することが出来る程度の大きさはあります。
あくまで『乗り物』であり、『のりもの』ではないので武器も積んでいません。
以上です。タイトルは「そうだ、京都へ行こう」で。
302
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/05(月) 20:52:30 ID:iM9Fcssc0
投下乙です
サウザー、はっちゃけてるなwww
原作ネタとmugenネタを絡ませていいわ
無双かと思ったら愛のコンビネーションに敗れたか
そしてほのぼので終わると思ったら最後にやってくれるぜ!
キースの設定と絡めるとか何がに上手い繋ぎだ
船もmngenネタとかw
さて、京都でどうなるやら…
303
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/05(月) 21:42:07 ID:tXojq.5g0
wiki編集してたが上手くロゴが貼れない……どなたかお願いします
304
:
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:19:49 ID:V.M7w3jo0
本スレで投下できないのでこちらに投下します。
305
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:21:48 ID:V.M7w3jo0
「ジェネラル、フェルナンデス、ルガールにゲーニッツに織田信長にDIO……有名人が勢揃いだな」
「いや、チートすぎるのがちらほらいるじゃないですか、ジョインジョインとか、尖兵さんとか、ありえん(笑)とか、私正直言って勝てる気しませんよ?」
この殺し合いに呼び寄せられた参加者のファイル、そこに書かれたそうそうたる面子(ヨハンさんとか、印象の薄い人もいたけど)に、改めて私は言葉を失った。
70人、全員が全員実力者だ。その中には私より遥かに強い人もいる。つまり、あの次元意思という人はその70人を傷一つつけず、そして傷一つつけられずに、この殺し合いに拉致できる力を持っているのだ。
「……私達、あの主催に勝てるんですか?」
今更ながら、とんでもない存在を相手にしているのだと、私は気付いてしまった。殺し合いになんか乗りたくない、そりゃあ、その気持ちは今でも変わらないわよ。それでも、敵はあまりにも強大過ぎるんじゃないかしらとも思ってしまう。
私だって格闘家だ、そんじょそこらの一般ピーポォウどもに負ける気は更々ないし、ここにいるほとんどの参加者とはいい勝負を演じられる自信もある。だけど、逆に言えばいい勝負を演じられないのが何人かいると言う訳だ。
さっきの美ケツにだって私は敵わない。尖兵? 論外に決まってるじゃない。開幕十割で 玉 砕 ! されちゃうに決まっている。
「俺達だけじゃあ無理だな、だが仲間を集めれば……」
「集まった皆よりも強い人が乗っていたらどうするんですか」
尖兵やゲーニッツが殺し合いに乗っていなければ心強い、だけど、仮に乗っていれば? 私は勝てる気がしない。
士さんだってあの美ケツに苦戦するレベルだ。正直、狂クラスから上に立ち向かえるとは思えない。
っていうか弱点の項目まであるのはいいけど、地味とか童貞とかばっかりで戦いに役立つ様な弱点の情報が殆どないってどういう事だ。
おまけに士さんの項には「無数の世界を渡り歩き、全てを破壊する悪魔の仮面ライダー」、だなんて、士さんを知らない人が見たら確実に誤解する様な内容だ。当の士さんは「案外鳴滝の奴でも絡んでいるのかもな」とこともなげに受け流していたが、やはり腹は立つ。
「それに、仮に仲間が集まっても首輪はどうするんですか、この中に何人外せる人がいるかわからないんですよ」
私達を縛る首輪、今ここに呼ばれた人間で、機械に明るい人は少ない。
その人達がいなくなったらその時点でゲームオーバー、私達にできる事はなくなってしまう。
何より、主催者は私達が簡単に解除できる様な首輪を準備するだろうか? 少なくとも私なら絶対にしない。
306
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:22:51 ID:V.M7w3jo0
「だからって、諦める理由にはならない。少なくとも、俺にとってはな」
思わず、息を呑んだ。士さんだって馬鹿ではない。ここにいる参加者がどれだけチートなのかも、今さっき身を持ってわかった筈だ。
だというのに、その言い草、その表情からは自棄になった感じは一切窺えない。本気で士さんはそんな無謀な真似をしようとしているのだ。
「どうして、そう簡単に言い切れるんですか?」
気付けば思った事を口に出していた。
変身道具が無ければまともにも戦えず、その変身をしても、それでやっとまともに戦える様なレベルであるのに、どうして、迷い無く、そう言ってのけられるのか。
私の言葉を受けて、士さんは不敵に笑った
「当然だ、俺は仮面ライダーで世界の破壊者だからな」
誇り高く、胸を張ってそう言う士さんが、私には少し羨ましく思えた。
「こんなふざけたバトルロワイアルの世界なんて、俺が破壊してやる。それに、あいつらがここにいたら同じ事をするだろう。
なんでも、『人類の自由と平和の為』、そして『命ある限り』戦うのが仮面ライダーらしいしな」
あいつら、それはきっと士さん以外の仮面ライダーの事なんだろう。うっかり幼女を爆殺させてしまうと評判の1号と2号さんの他にもmugenには何人か仮面ライダーの人がいる。
面識はないけど、皆が皆、誰かの笑顔を守る為や誰かの夢を守る為に戦っていたらしい。
不意に、師匠を思い出した。見た目は怖くても、皆の為にヨガを駆使して戦い抜く、人格者の師匠。
あの師匠の事だ、こんな場所に連れてこられたら、きっと誰かを救う為に、どんなに強い相手にでも立ち向かって行くに決まっている。
改めて、私は師匠には及ばないな、と思う。私はあまりにも大きな壁を前にして折れかけてしまった。きっと、師匠や師匠の友人ならこんな壁を前にしても、躊躇わずに登って行くのだろう。士さんの様に。
だったら、師匠の弟子である私も、無様な姿を見せる訳にはいかない。
息を大きく吸い、肺に目一杯空気を溜め込む。
「ん? おい、どうし「よ ぉ し っ ! !」」
あまりにの無理ゲーっぷりに弱気になっていた。もしかしたらこのファイルって私達みたいな対主催の心を折る為にあったのかもしれない。
少なくとも、普通の人ならここにいる面子を見ただけで戦う事を放棄したくなる様なのがゴロゴロいるし。自棄になってもおかしくない。
現に私はそうなりかけていた。
それでも、私はあの師匠の弟子だ、それにカンフーマンもいる。一人無様な姿は見せられない。
人類の自由と平和の為とか、そんな大それた物は背負えないけど、師匠に教わった心構えとか、教えとか、そういった物なら背負っていける。
やる前から諦めてた私自身に喝をいれる。たしかに私ではチートなやつらに太刀打ちはできない。でも、太刀打ちできないなら太刀打ちできないなりに何かが出来る筈だ。
幸か不幸かここは私達がいつも戦っているMUGEN以上に何でもありな空間なんだ。某現人神風に言わせてもらえば常識に囚われてはいけないという事である。
「士さん! 私、もう頑張っちゃいますよ! 相手が狂だろうが、凶だろうが、神だろうが、絶対に諦めたり「馬鹿! 近くに乗っている奴がいるかもしれないのに大声を出すんじゃねえ!」……あ゛」
や、やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
まずい、これはまずい。尖兵あたりが聞きつけてここに来られたら開幕二十割で、どこぞの忍者じゃないけどシシヨってしまう。
いや、でも今しがた美ケツとあったばかりなんだし、そうそう乗ってる奴が来る訳が……。
ざり
え、何、この音。何かすぐ後ろから足音みたいなのが聞こえ……。
「手負いの小娘、もう一人は本郷達と似たベルトを付けた小僧か。まあいい、早速死合おうぞ」
私が振り向くと。そこには社長さんとガチでやりあえる鬼がいました。
これはもう駄目かもわからん。
「いきなりとは穏やかじゃないな。あの次元意思とやらに踊らされててもいいのか?」
殺意の波動全開、息苦しくなる様なプレッシャーの中でも、士さんは物怖じしないで、豪鬼に話しかけている。
「我は死合えればそれでよい、ここにいるものを全て屠り、最後はあの次元意思とやらも滅するのみよ」
まるで石像の様に表情一つ動かさず、仏頂面で豪鬼がさも当然の様に答える。うん、この人はこういう人だ。もう、案の定すぎて言葉もでない。
その答えを聞いた士さんが溜め息を一つつきながら、その手にカードを一枚掴んだ。おそらく戦うつもりなんだ。よし、なら私も……。
307
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:24:13 ID:V.M7w3jo0
「何馬鹿な事言ってるんですか士さん! 私も一緒に……」
「手負いのお前に勝たせてくれる程、あいつは優しいのか?」
「うぐ」
痛い所を突いてくる、本調子で無い上に、まだ受けた傷が痛む私では、豪鬼にはとてもじゃないが対抗する事はできない。
士さんと組んで動くにしても、あの化け物相手に一撃を叩き込めるかも難しいレベルだ。
「だ、だからって、士さんを置いて行く訳には」
「今のお前じゃ足手まといだ。それに、さっきみたいに策はある。…それに、あいつなら手負いの相手を狙う様な真似はしない。そうだろ? 豪鬼」
「無論。我が望むは強者との死合いよ。次元意思を滅するにはいずれ屠らねばならずとも、うぬが死合うというのであれば見逃さぬ道理はない」
変身の体勢に入った士さんに応える様に、身に纏った殺意の波動を色濃くする豪鬼。今の私には立ち入れそうにない。
それでも、私にだって何か出来る筈なんだ。ここで逃げたらさっきの決意はなんだったのよ。
無力な自分への悔しさに私は拳を握りしめる事くらいしかできない。
「……何も、戦う事が全てじゃない。今一番大事な事は信用できそうな奴に、そのファイルを渡して、協力する事だ」
こちらを見ないで士さんが呟く。その言葉に、ハッとした。
自分自身で思ったじゃないか、太刀打ちできないのなら太刀打ちできないなりに何か出来る筈だと。
なら、今がその時だ。士さんを置いて行くのは心苦しい、でも、今の私はそうしなければいけない、それが今の私にできるベスト。
「また、約束守ってくださいよ?」
「当然だ」
士さんが笑顔を浮かべながら頷くと同時に、私は二人分の荷物を手に駆け出す
――カメンライド、ディケェイド!!――
――カメンライド、響鬼ィ!!――
続けざまに鳴り響く電子音。
きっと、士さんなら約束を守ってくれる。そう信じ、私は工場を後にする。目指すは、北。
【高知県/一日目 深夜】
【カンフーガール@MUGEN】
[状態]:左肩重症、肉体疲労大
[服装]:胴着?
[装備]:支給品一式×2
[道具]:ネタバレファイル@MUGENロワ
[思考]
1:北に向かい、仲間を集める。そして士さんとの合流
2:自分なりに殺し合いに反逆
3: ファイルの信憑性にちょっとした疑問
[備考]
※ライドブッカーは士に譲渡しました。
※首輪の制限、機能を知りました。
※すべての参加者の情報を得ました。
308
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:25:06 ID:V.M7w3jo0
「響く鬼か」
「ああ、鬼の相手には持ってこいだろ? その禍々しい気も、俺の音撃で清めてやるぜ」
「笑止!!」
――アタックライド、音撃棒、烈火ァ!!――
殺意の波動を纏う豪波動と、音撃棒から繰り出される業火がぶつかり合い、相殺する。
だが、豪鬼はそれを確認するよりも早く、すり抜ける様な移動で響鬼へと急接近する。だが、それは豪鬼の技の一つとして紹介されていたファイルを読んだ士の想定の範疇内。
「悪いがその行動は想定済みだ!!」
「ぬぅ!!」
――アタックライド、鬼火ィ!!――
豪鬼が近づくよりも速く、ベルトにカードを滑り込ませた響鬼の口から放たれた高熱火炎を諸に受けた豪鬼は、直ぐさま飛び退る。
豪鬼に炎が燃え移るが、それは彼の身から発せられる殺意の波動により吹き飛ばされる。
再度、豪鬼が駆ける、響鬼がすかさず音撃棒から火炎弾を放つが、豪鬼はそれを、殺意の波動を纏った手刀でなぎ払い、構わず前進する。
鬼火も同様にいなされる、そう察した響鬼は鬼の爪を生やした拳で豪鬼を迎え撃つ。
鋭く尖った爪と波動を纏った拳が激突する。生身の拳で鬼の爪と打ち合っているというのに、豪鬼の拳に傷一つついていない。
痺れる様な振動を腕に感じながらも、響鬼はもう片方の拳を抜き放つ。
「甘いわ!」
だが、その拳は豪鬼のブロッキングにより弾かれ、致命的な隙を晒してしまう。刹那、豪鬼は響鬼の懐へと潜り込む。
「滅殺!!」
波動を纏った拳が勢い良く撃ち上がり、拳圧と波動は響鬼の胸を焼き、拳が響鬼の顎を捉える。
その姿は、さながら邪龍が空へ昇るが如く。
「豪昇龍!」
打ち上げられた響鬼はなす術も無く地に落ち、響鬼からディケイドへと戻り、もがき苦しむ。
焼ける様な痛みに胸を焼かれ、また、顎への打撃から軽い脳震盪を起こしたせいで上手く立ち上がれない。
豪鬼渾身の一撃を受けてこの程度で済んでいるのは鬼の耐久力があったからであろう。もしも、生身でこの一撃を受けていたならば、今頃士の顎は完全に粉砕され、胸を裂かれて生きてはいなかっただろう。
「ごっ、がはっ……!」
「どうした、この程度でうぬは終わるのか? 我のしる仮面ライダー達とやらはこの程度で終わる事は無かったぞ?」
「俺が終わる? まさか、この程度で終わる訳……、ないだろっ!」
倒れたディケイドを見下ろす豪鬼を見上げ、よろよろと立ち上がりながら、ディケイドは2枚のカードを続けざまに読み込ませる。
――カメンライド、響鬼ィ!!――
――フォームライド、響鬼・紅!!――
再び響鬼へと姿を変えたディケイド、そしてその響鬼の体が炎に包まれ、紫色をしていたその体が紅に染まる。
炎を纏った音撃棒を片手に響鬼が駆けるその音撃棒を振るう。
勢い良く振り下ろされた音撃棒を豪鬼は両腕で受ける。刹那、太鼓の音と共に、纏った殺意の波動が吹き飛ばされる。
309
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:26:30 ID:V.M7w3jo0
「何!?」
「言っただろう! 俺の音撃で清めてやるってな!」
殺意の波動が吹き飛ばされた事による動揺と、それによる一瞬の力の減退により、豪鬼は一瞬の間無防備になる。
――アタックライド、音撃打、灼熱真紅の型ァ!!――
そこを逃さず、響鬼は続けざまに音撃棒を振るう。一打を受けるごとに豪鬼の纏う殺意の波動が吹き飛ばされて行く。
響鬼・紅の特製、それは魔を清める音撃鼓無しに音撃が放てる事。その一打一打が、人を取り込む魔の力といっても差し障りの無い殺意の波動を打ち払って行く。
必殺音撃、音撃打、灼熱真紅の型が、豪鬼に炸裂する。
「ぬ、ぐ、おおおおおおおおおおお!?」
「こいつで、どうだぁっ!!」
響鬼渾身の一撃が豪鬼を吹き飛ばす。転がりながら工場の外へと飛ばされた豪鬼を士は追う。
工場の外、倒れた豪鬼はぴくりともせず、その身に纏っていた殺意の波動は感じられない。
ひとまずは何とかなった士さんは安堵の溜め息と共に膝をつく。
「清めてやったし、これでもう悪さはできないだろ。さて、早くあいつと合流しないと……」
そう言って振り向き、士は変身を解こうとする。
その背を悪寒が襲った。
「……何?」
「よもや、殺意の波動を打ち消す事ができるとは思わんかったわ」
振り向くと、そこにいたのはゆらりと立ち上がる豪鬼、その身に纏うのは今しがた掻き消した筈の殺意の波動。
「馬鹿な!? 殺意の波動はさっきの音撃で清めた筈だ!」
「笑止、その程度で消える程、我が纏う殺意の波動は脆くはない」
打ち払ったと思っていた殺意の波動の復活、今度は士が驚く番であった。
そして、先程とは逆に、今度は士がその隙を突かれる形となった。
音もなく、瞬時に近づかれた響鬼はなす術もな、豪鬼に捕まる。そして。
310
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:27:14 ID:V.M7w3jo0
一 瞬
千 撃
311
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:28:05 ID:V.M7w3jo0
何が起こったのか理解するよりも早く、士の全身を衝撃と激痛が襲った。
瞬獄殺を受け、仰向けに倒れる士の姿は、既にライダーではなく、人間の物。許容量を遥かに越えるダメージを受け、変身が一気に解けてしまったのだ。
「が……、ぐ……」
「まだ、意識があったか。流石はあの男達の仲間なだけはある」
満身創痍の士の前に豪鬼が立ち拳を握る。
振り下ろさんとするはトドメの一撃。これでこの死合いに幕が降りる。
無慈悲に、豪鬼が拳を振りあげる。
「さらばだ小僧。あの世で待っていろ」
「勝……手に、殺す……んじゃ……、ねぇ!!」
拳が完全に振り下ろされるよりも速く、ベルトにカードが挿入された。
――カメンライド、ディケェイド!!――
機械音声と共に、赤く四角形をした七枚の板が豪鬼を吹き飛ばし、その板が変身したディケイドの顔へと装着され、バーコードを思わせる奇怪な顔へと変わる。
そのまま、ディケイドは立て続けに2枚のカードを挿入する。
――カメンライド、電王!!――
――フォームライド、アックスフォーム!!――
電子音、そして電車の音と共に、ディケイドがその姿を三たび変える。
更に、赤い配色のソードフォームから、黄色い配色の、どこか騎士を連想させる格好をしたアックスフォームへと変身を遂げる。
「今度は電王とやらか、うぬは一体何者だ」
「さっき……も、別の奴に言……ったん……だが、まあ、いい」
豪鬼の問いに、息も絶え絶えながら士が答える。
次で決める。互いが互いに次に動くべく構える。
「通り、すがり……の、仮面、ライダー……だ。覚えて、おけ!」
その言葉を合図に豪鬼と士が駆け出す。
豪鬼の放つ拳を電王はすんでの所で掴む。すかさず豪鬼は次の一撃を叩き込むべく行動を移そうとするがそれよりも速く電王に投げ飛ばされ、地面に叩き付けられる。
うっかりとベンチを壊す様な膂力で叩き付けられた豪鬼が、バウンドして浮かび上がる。すかさず、電王はベルトにカードを差し込む。
――アタックライド、ツッパリ!!――
放たれる無数の突張りが豪鬼を捉え弾き飛ばす、それでもまだ、士の攻勢は止まらない。
――フォームライド、ソードフォーム!!――
――アタックライド、俺の必殺技ァ!!――
ソードフォームへと姿を変えた電王の剣、デンガッシャーの刃の部分が分離し豪鬼を捉えながら工場の壁を破り、豪鬼ごと奥へと突き進み、見えなくなった。
312
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:28:39 ID:V.M7w3jo0
「さて、やっと、これの出番か」
電王からディケイドへと戻った士は一枚のカードを取り出した。
――……ライド、……ビジ……!!――
電王への変身が解除されデンガッシャーの刃は消滅するも、そのまま慣性の法則で吹き飛ばされ、もんどりうって転がった豪鬼は、工場の外から聞こえた電子音により、何が来てもいい様に警戒し身構える。
だが、来ると思われた攻撃も、士自身も来る気配がない。
まさか。駆け出し工場に出るも、周囲には誰もいない。
跳躍し、工場の屋根の上から周囲を見回す。それでも、それらしき人影は発見できない。わずか数十秒の時間であったというのに、士は跡形も無く消え失せてしまった。
「……逃したか」
屋根から飛び降り、それだけを呟くと豪鬼は工場を後にする。逃した事は腹立たしいが、生きていれば、いずれまた出会う。決着はその時にでもつければいい。
その体には心地の良い痛みと、打ち払われた殺意の波動を急激に呼び起こした事による激しい疲労が支配している。それでも豪鬼は止まらない。
次なる死合いを求め、豪鬼は歩き出す。士と同行していた手負いのカンフーガールの姿を見て、豪鬼はこの近辺に殺し合いに乗っている人物がいると考える。
相手にとって不足はないだろう。闘気を充満させながら、豪鬼は一歩踏み出した。
【高知県/街/1日目 深夜】
【豪鬼@ストリートファイターシリーズ】
[状態]:全身に打撲、疲労(大)
[装備]:無し
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:強者と死合う
2:小僧(士)といずれ決着をつける
3:いずれは次元意思と死合う。
313
:
豪と響け鬼の舞
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:29:25 ID:V.M7w3jo0
「行った、か」
豪鬼が去った工場、その入り口から突然ディケイドが姿を現した。
種明かしをするならば答えは簡単。彼の挿入したカードは『インビジブル』、自身の姿を掻き消す、多用するとお子様から呆れの溜め息が出、大きな友達からはへたれ扱いされるカードだ。
それ使い、自身の姿を隠して、ディケイドは豪鬼をやり過ごしたのだった。
「さて、今度こそ……あいつに合流しな、い、と……」
一歩踏み出そうとして、士の体が前のめりに、崩れるようにして倒れる。
t単位の威力の攻防を行なうライダーの頑強さ故か、全身に無数の痣が出来上がっている物の骨折は見当たらない。
だとしてもそれは骨折を免れただけで、その体に蓄積したダメージはいつ気絶しておかしくないレベルであった。
(まずい、せめて……身を隠さないと……)
地べたを転がり、這いずる様に移動しながらも、士はなんとか工場の中へと入り込み、隅に隠れた所で、完全にその意識は闇に包まれた。
【高知県/工場/一日目 深夜】
【門矢士@仮面ライダーディケイド】
[状態]:全身強打、気絶
[服装]:私服
[装備]:なし
[道具]:ディケイドライバー@仮面ライダーディケイド、ライドブッカー@仮面ライダーディケイド、二眼レフのトイカメラ@仮面ライダーディケイド
[思考]
1:気絶中
2:アーカードの実力に不信感(本気を出していなかったと考えています。
3:カンフーガールの信頼回復(信頼されていないと思っています。
4:カンフーガールとの合流。仲間の捜索
[備考]
※ライドブッカーを譲渡されました。
※首輪の制限、機能を知りました。
※すべての参加者の情報を得ました。
314
:
◆Y9kguUm6vs
:2010/04/05(月) 23:32:15 ID:V.M7w3jo0
以上で投下終了します。
響鬼紅のカードって原作に出てなかったけど555アクセルとかカードあったし問題ないよね?
遺影は最終フォームしかないし、多分悪いのは出さなかった○映。
質問等ありましたらお願いします。
315
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 00:55:30 ID:ePbdTtz20
投下乙です、モヤシさんは連戦でまたもやガールと離ればなれにw
ディケイドは色々な個別フォームに変身していたので特に問題ないかと思います。
それではこちらも、ジョニー、高嶺響を投下します。
316
:
飛翔
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 00:59:07 ID:ePbdTtz20
海岸線の砂浜を踏みしめる二足の足跡。
黒衣の男ジョニー。彼にに付いていくと決めた響。
「まずはこの島からの移動を考えないといけないですね」
二人の現在地は言うまでもなく縮小日本の最南端沖縄。
更には無数の無人島が散らばるその一角が彼らのスタート地点だった。
響の最もな問いに口笛を吹くように返事が返ってくる。
「なあに、そいつに関しては心配しなさんな。
俺の支給品…。とっておきをお見せしよう」
半歩先を歩いていたジョニーが自信満々で嘯く。
「ところで響、お前さんの支給品は何だったんだい?」
「えっ、ああそうですね。まだ確認していませんでした」
殺し合いをしろ。その言葉に悩む中でジョニーと出会い、切り結んだ事。
今まで支給品すら確認する余裕がなかったのか、
その事に軽い溜息をつくも、すぐに気を取り直し
デイバックに入っている物を取り出してみる。
それは古風な一振りの剣だった。
刀身を守る鞘がなく。柄頭に碧玉を埋め込む以外装飾の少ない
柄から刀身が一体化した切先諸刃の直刀。
手にしたそれから何か神々しい力を感じるのは気のせいだろうか。
「ほぉう。こいつはまた見事なもんだ」
「これは古刀の一種みたいですけれど。
私たちが扱うには少し不向きですね」
「確かに。それでも相当の業物に違いないだろう」
響と同様の感想を口にするジョニー。
屈指の腕を持つ二人の居合い使いである彼らは
抜身の刃を扱えない、という訳ではないが。
その刃はやはり、二人の戦闘スタイルにそぐわないのだろう。
317
:
飛翔
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 01:00:23 ID:ePbdTtz20
その時。
『あー、あの狭っ苦しいところからやっと出られたわ。
ん、外の空気はやっぱりおいしいわね』
不意に。二人の傍で声が聞こえ。
「今の声は、お前さんじゃないよな?」
「ええ、私じゃありません」
怪訝な表情を見合わせる二人。
『ちょっと、このわたしの麗しい美声を
聞いておいてその顔はひどいんじゃない』
なおも響く出所不明の声にジョニーが顔を顰める。
「できればその。姿を現してもらえないかい。
それとも、この美声のお嬢さんは恥ずかしがりやなのかな」
『おっけー、少し待ってなさいよね』
声が止み。響が手にしている直刀から真っ白な光が溢れ。
「これは!?」
乳白色の光がひと際大きく輝き。それが姿を変え人の容を取る。
現れたる者は、年の頃は十八歳か十九歳位だろうか。
黒曜の輝きを湛えた瞳。瞳同様に肩口から腰まで流れる黒髪。
和風とも古風とも取れぬ独特の衣装を纏い、悠然とその姿を現す。
「なっ…」
「こいつは…」
不可解な出来事や怪事に慣れている二人だが、
剣が人に変わった、その事実に驚きを隠せない。
すると。
「うんうん。見惚れちゃったのもわかるわ。
いきなりこんな美少女が目の前に出てきたら
言葉を失っちゃうよね。胸がドキドキだよね」
「えっ、いや…」
目の前の少女の態度に言葉を失う響。
ジョニーは開いた口を辛うじて塞ぐ。
「なあに、人の顔をじろじろと見て。
あ、やっぱりあまりの美少女っぷりに心奪われた?
あー、美しいって罪だね…」
「えっと…」
「うむぅ…」
返答に困る二人。その様子にお構いなしで口を開く謎の美少女。
「でもまだお互いのことをよく知らないからね。
こういうのは順を追っていかなきゃ。
積極的なのも、そりゃ悪くないとは思うけど」
318
:
飛翔
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 01:06:05 ID:ePbdTtz20
軽い。軽すぎる。ジョニー好みの美女なのは確かなのだが。
そのあまりの残念っぷりについ言葉が詰まる。
二人の様子に謎の美少女はぷぅ、っと頬を膨らませ。
「ちょっとはこっちの話に答えてよ。つまんない」
ジョニーの胸を人差し指で突っつく。
「いやはや、こいつは驚いた。ところで美しいお嬢さん。
お名前を聞かせてもらえるかい?」
ふふん。やっとわたしの事を聞いてくれたわね。
とばかりに、万遍の笑みで胸を前に突き出しなが言う。
「あたしの名前はナルカナ。総ての神剣の頂点に立つ、
永遠神剣第一位『叢雲』の化身。ナルカナ様よ」
えっへん。
そう名乗りながら。先程響が取り出した剣、
それが人の姿を取った存在が目の前のナルカナであり。
本人談曰く。高位の神剣でなければ人の形態を取る事は不可能らしい。
ナルカナはジョニーと響へ交互に向き直りその顔を見つめる。
「このあたしには到底及ばないけれど。
あたたたちも、それなりの実力はあるみたいね」
でもこのわたしを使うにはまだまだね。などとナルカナは好き勝手に話す。
その様子に響はナルカナの存在を不思議というよりは、
残念なものを見てしまったと顔を伏せ。
ジョニーは笑顔を湛えながら黒い帽子を片手で跳ね上げると。
再びこの言葉を口にした。
「我が、ジェリーフィッシュ快賊団に入らないか?」
「んーそうねえ」
人差し指を唇に押し当てながら。少しだけ考える素振りをみせる。
「まあいいわよ、力貸してあげる。
でも、わたしを扱っていいかどうかは別だからね」
軽く返事をするとその拳を握り。
「このナルカナ様を支給品扱いなんて舐めた真似した、
腋臭野郎にもキツイお仕置きをしてあげないとね」
それに最近は平和すぎてちょっと退屈してたのよね、などと口走る。
「簡単に言いますけど。貴方、本当に大丈夫なんですか?」
ナルカナの軽い態度に戸惑いを隠せない響。
「ま、大丈夫だって。なにしろあなた達のパーティーに
この最強の神剣である、あたしが仲間に加わるんだから」
変わらずに、あっけらかんとした口調で返す。
319
:
飛翔
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 01:11:04 ID:ePbdTtz20
「それじゃあお嬢さん方。立ち話も野暮ってもんだ。
そろそろ俺の取っておきに案内しようじゃないか」
ジョニーが黒の外套をはためかせ、二人を誘い浜辺を遮る小高い丘を登る。
「ほおら、ようやく見えてきた」
丘を越えた対岸に、ソレは鎮座していた。
全長420m。その全身を鋼鉄の装甲で包み、月明かりを反射する白銀の翼。
全身に各種砲塔装備を備え、更には二対の陽電子破城砲を持ち、
その戦歴から不沈艦と呼ばれ、大天使の名を冠した強襲機動特装艦。
両手を掲げ、ジョニーが静かにその名を叫ぶ。
「これが俺の。いや俺達三人の船、新生ジェリーフィッシュ号だ」
その巨体に感嘆の声を響。
艦の足元で搭乗ハッチが開き、歓迎の意を込め
ジョニーは美女に二人に手を差し伸べた。
「これが、本当に船なんですか?」
巨大な鉄塊とも呼べるその姿に響は驚きながら。
1852年。日本の江戸湾浦賀に来航した黒船以上の衝撃を受ける。
「へえ、なかなかいい感じじゃないの」
その外見にも特に臆した様子のないナルカナ。
ジョニーの導きで内部甲板を通過、メイン艦橋に到着する三人。
それを合図、艦橋内部に光が灯り、自動管制制御システムが立ち上がる。
「さあて。ここからがジェリーフィッシュ怪賊団の新しい船出だ」
元地球連邦軍製、大天使級一番艦「アークエンジェル」改め。
新生ジェリーフィッシュ号。その主動力炉が起動。
南海の空、月の煌き降り注ぐ水面に白銀の体躯を照り返しながら。
ハンサム一人、美女二人と共に。
彼らが今、無限の大空へ飛翔した──。
【沖縄県 上空/ジェリーフィッシュ号艦橋/1日目/深夜】
【ジョニー@GGXXシリーズ】
[状態]:健康
[服装]:スタンダード
[装備]:刀
[道具]:基本支給品一式、新生ジェリーフィッシュ号(アークエンジェル)@ガンダムSEED
[思考]
1:響、ナルカナと共に行く。
2:女は勧誘。
3:メイや団員が居るなら探して合流する。
[備考]
※ジェリーフィッシュ号は自動管制システムが導入されており
誰でも簡単に操縦できるように改造されています。
【高嶺響@月華の剣士 第二幕】
[状態]:健康、髪が解かれた
[服装]:スタンダード
[装備]:形見の刀
[道具]:基本支給品一式、永遠神剣第一位「叢雲」(の化身ナルカナ様)
[思考]
1:とりあえずジョニーに付いていく。
2:殺しに関して……?。
[備考]
※ナルカナの「思考」
1:とりあえずジョニーと響に付いていく。
2:腋臭野郎をぶっ飛ばす。
3:働きたくないでござる。
320
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 01:15:06 ID:ePbdTtz20
以上で投下終了します。
今回意思持ち支給品が支給されているのと、
フリーダムがいるならアークエンジェル支給しても平気かな?
と思い、移動手段として支給してみたのですが大丈夫でしょうか?
問題があれば指摘をお願いします。
321
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 01:18:12 ID:wscuffro0
とりあえずアークエンジェルとナルカナの説明と、制限等はあるのでしょうか?
322
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 01:21:13 ID:ePbdTtz20
>>321
質問にお答えします。
支給品なので特に制限は考えていません。
支給品なのでナルカナにも首輪はない状態です。
その裁量は後続の書き手氏にお任せしようと思っています。
323
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 01:26:00 ID:wscuffro0
と言うことはナルカナは参加者とほぼ同じ扱いですか?
324
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 01:29:41 ID:UMOf9h4sO
そもそもアークエンジェルmugenに居るのか?
ナルカナも見た事ないし
325
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 01:32:46 ID:ePbdTtz20
>>323
あくまで意思持ち支給品です。
どう扱うかを含め後続にお任せしようと思います。
326
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 01:33:52 ID:i6QrRdJ20
ナルカナはいる
ttp://www30.atwiki.jp/niconicomugen/?cmd=word&word=%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%8A&type=normal&page=%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%8A
327
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 01:45:47 ID:X03UwZi6C
うーんこれだとただ参加者増やしたのと変わらない気が
328
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 01:58:10 ID:RZnHOt7cO
それにアークエンジェルMUGENにいないし……
329
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 03:45:53 ID:ePbdTtz20
先程投下したSS「飛翔」の代替案を考えましたので告知します。
一点目。ナルカナについてですが、備考欄で
ナルカナの人間形態に時間制限をつけようと思います。
※人間形態を取れるのは30分。
再度人間形態になるには3時間の休憩が必要。
といった形でどうでしょう?
二点目。アークエンジェルをmugenに登場する何か別の物に差し替えます。
この代替案で修正した物を今夜投下したいと思います。問題ないでしょうか?
再度、意見があればお願いします。
330
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 13:00:38 ID:gG40e95U0
いいと思いますよー
修正頑張ってくださいな
331
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 17:23:35 ID:iJFUHef.0
意思持ち支給品、ナルカナじゃなきゃ駄目なの?
mugenで出番もなけりゃ把握も出来ないキャラより妥当なの他にいると思うけど……
332
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 19:35:28 ID:Cf44IyOw0
基本二時間単位のロワじゃあってないような制限だな。
333
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 19:45:55 ID:A3Eyx6Gk0
ぶっちゃけ、意思持ち支給品くらいむしろたくさんあった方が
mugenらしいと俺は思う。
別のロワだと、動物が支給されたこともあるし
支給品が独り歩きして参加者にさえなったロワあるし
334
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 19:51:24 ID:e.zCUdFc0
カオス成分多めなのは賛成
でも、……mugenの中で把握しやすいキャラになると嬉しいかなーとも
335
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 20:11:59 ID:iJFUHef.0
mugenで動いてる動画無いんだぜ……>ナルカナ
336
:
◆8CxJmLvFOI
:2010/04/06(火) 20:23:25 ID:11X5rf.MO
ユェン・ソイレン予約します
337
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:10:16 ID:ePbdTtz20
ジョニー、高嶺響の修正案を投下します。
338
:
飛翔(修正案)
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:11:36 ID:ePbdTtz20
海岸線の砂浜を踏みしめる二足の足跡。
黒衣の男ジョニー。彼にに付いていくと決めた響。
「まずはこの島からの移動を考えないといけないですね」
二人の現在地は言うまでもなく縮小日本の最南端沖縄。
更には無数の無人島が散らばるその一角が彼らのスタート地点だった。
響の最もな問いに口笛を吹くように返事が返ってくる。
「なあに、そいつに関しては心配しなさんな。
俺の支給品は運がよくてね。とっておきをお見せしよう」
半歩先を歩いていたジョニーが自信満々で嘯く。
「ところで響、お前さんの支給品は何だったんだい?」
「えっ、ああそうですね。まだ確認していませんでした」
殺し合いをしろ。その言葉に悩む中でジョニーと出会い、切り結んだ事。
今まで支給品すら確認する余裕がなかったのか、
その事に軽い溜息をつくも、すぐに気を取り直し
デイバックに入っている物を取り出してみる。
それは古風な一振りの剣だった。
刀身を守る鞘がなく。柄頭に碧玉を埋め込む以外装飾の少ない
柄から刀身が一体化した切先諸刃の直刀。
手にしたそれから何か神々しい力を感じるのは気のせいだろうか。
「ほぉう。こいつはまた見事なもんだ」
「これは古刀の一種みたいですけれど。
私たちが扱うには少し不向きですね」
「確かに。それでも相当の業物に違いないだろう」
響と同様の感想を口にするジョニー。
屈指の腕を持つ二人の居合い使いである彼らは
抜身の刃を扱えない、という訳ではないが。
その刃はやはり、二人の戦闘スタイルにそぐわないのだろう。
339
:
飛翔(修正案)
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:12:29 ID:ePbdTtz20
その時。
『あー、あの狭っ苦しいところからやっと出られたわ。
ん、外の空気はやっぱりおいしいわね』
不意に。二人の傍で声が聞こえ。
「今の声は、お前さんじゃないよな?」
「ええ、私じゃありません」
怪訝な表情を見合わせる二人。
『ちょっと、このわたしの麗しい美声を
聞いておいてその顔はひどいんじゃない』
なおも響く出所不明の声にジョニーが顔を顰める。
「できればその。姿を現してもらえないかい。
それとも、この美声のお嬢さんは恥ずかしがりやなのかな」
『おっけー、少し待ってなさいよね』
声が止み。響が手にしている直刀から真っ白な光が溢れ。
「これは!?」
乳白色の光がひと際大きく輝き。それが姿を変え人の容を取る。
現れたる者は、年の頃は十八歳か十九歳位だろうか。
黒曜の輝きを湛えた瞳。瞳同様に肩口から腰まで流れる黒髪。
和風とも古風とも取れぬ独特の衣装を纏い、悠然とその姿を現す。
「なっ…」
「こいつは…」
不可解な出来事や怪事に慣れている二人だが、
剣が人に変わった、その事実に驚きを隠せない。
すると。
「うんうん。見惚れちゃったのもわかるわ。
いきなりこんな美少女が目の前に出てきたら
言葉を失っちゃうよね。胸がドキドキだよね」
「えっ、いや…」
目の前の少女の態度に言葉を失う響。
ジョニーは開いた口を辛うじて塞ぐ。
「なあに、人の顔をじろじろと見て。
あ、やっぱりあまりの美少女っぷりに心奪われた?
あー、美しいって罪だね…」
「えっと…」
「うむぅ…」
返答に困る二人。その様子にお構いなしで口を開く謎の美少女。
「でもまだお互いのことをよく知らないからね。
こういうのは順を追っていかなきゃ。
積極的なのも、そりゃ悪くないとは思うけど」
340
:
飛翔(修正案)
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:13:19 ID:ePbdTtz20
軽い。軽すぎる。ジョニー好みの美女なのは確かなのだが。
そのあまりの残念っぷりについ言葉が詰まる。
二人の様子に謎の美少女はぷぅ、っと頬を膨らませ。
「ちょっとはこっちの話に答えてよ。つまんない」
ジョニーの胸を人差し指で突っつく。
「いやはや、こいつは驚いた。ところで美しいお嬢さん。
お名前を聞かせてもらえるかい?」
ふふん。やっとわたしの事を聞いてくれたわね。
とばかりに、万遍の笑みで胸を前に突き出しなが言う。
「あたしの名前はナルカナ。総ての神剣の頂点に立つ、
永遠神剣第一位『叢雲』の化身。ナルカナ様よ」
えっへん。
そう名乗りながら。先程響が取り出した剣、
それが人の姿を取った存在が目の前のナルカナであり。
本人談曰く。高位の神剣でなければ人の形態を取る事は不可能らしい。
ナルカナはジョニーと響へ交互に向き直りその顔を見つめる。
「このあたしには到底及ばないけれど。
あたたたちも、それなりの実力はあるみたいね」
でもこのわたしを使うにはまだまだね。などとナルカナは好き勝手に話す。
その様子に響はナルカナの存在を不思議というよりは、
残念なものを見てしまったと顔を伏せ。
ジョニーは笑顔を湛えながら黒い帽子を片手で跳ね上げると。
再びこの言葉を口にした。
「我が、ジェリーフィッシュ快賊団に入らないか?」
「んーそうねえ」
人差し指を唇に押し当てながら。少しだけ考える素振りをみせる。
「まあいいわよ、力貸してあげる。
でも、わたしを扱っていいかどうかは別だからね」
軽く返事をするとその拳を握り。
「このナルカナ様を支給品扱いなんて舐めた真似した、
腋臭野郎にもキツイお仕置きをしてあげないとね」
それに最近は平和すぎてちょっと退屈してたのよね、などと口走る。
「簡単に言いますけど。貴方、本当に大丈夫なんですか?」
ナルカナの軽い態度に戸惑いを隠せない響。
「ま、大丈夫だって。なにしろあなた達のパーティーに
この最強の神剣である、あたしが仲間に加わるんだから」
変わらずに、あっけらかんとした口調で返す。
341
:
飛翔(修正案)
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:13:57 ID:ePbdTtz20
「それじゃあお嬢さん方。立ち話も野暮ってもんだ。
そろそろ俺の取っておきに案内しようじゃないか」
ジョニーが黒の外套をはためかせ、二人を誘い浜辺を遮る小高い丘を登る。
「ほおら、ようやく見えてきた」
丘を越えた対岸。水面に揺られながら、ソレは鎮座していた。
その全身を紅と白銀の装甲で包み、天高く張り巡らされた帆。
月明かりが照らすは飛行艇の白き翼。
両手を掲げ、ジョニーが静かにその名を叫ぶ。
「これが俺の。いや俺達三人の船、ジェリーフィッシュ号だ」
その巨体に感嘆の声をあげる響。
三人の足元で搭乗ハッチが開き。
歓迎の意を込めて、ジョニーは美女に二人に手を差し伸べた。
「これが、本当に船なんですか?」
悠然と佇むその巨体、響は驚きながらもジョニーに導かれ船内を歩む。
「へえ、なかなかいい感じの船じゃないの」
特に臆した様子のないナルカナ。
ジョニーの導きで内部甲板を通過、メイン艦橋に到着する三人。
それを合図、艦橋内部に光が灯り、自動管制制御システムが立ち上がる。
「さあて。ここからがジェリーフィッシュ怪賊団の新しい船出だ」
ジョニー率いる義賊集団、その帆船たるジェリーフィッシュ号。
南海の空、月の煌きが降り注ぐ光の中。
ハンサム一人、美女二人と共に。
彼らは今、無限の大空へ飛翔した──。
【沖縄県 上空/ジェリーフィッシュ号艦橋/1日目/深夜】
【ジョニー@GGXXシリーズ】
[状態]:健康
[服装]:スタンダード
[装備]:刀
[道具]:基本支給品一式、ジェリーフィッシュ号@GGXXシリーズ
[思考]
1:響、ナルカナと共に行く。
2:女は勧誘。
3:メイや団員が居るなら探して合流する。
[備考]
※ジェリーフィッシュ号とはGGジョニーステージに背景に見える飛行艇の事です。
【高嶺響@月華の剣士 第二幕】
[状態]:健康、髪が解かれた
[服装]:スタンダード
[装備]:形見の刀
[道具]:基本支給品一式、永遠神剣第一位「叢雲」(の化身ナルカナ様)
[思考]
1:とりあえずジョニーに付いていく。
2:殺しに関して……?。
[備考]
※ナルカナの「思考」
1:とりあえずジョニーと響に付いていく。
2:腋臭野郎をぶっ飛ばす。
3:働きたくないでござる。
※人間形態を取れるのは30分。再度人間形態になるには4時間の休憩が必要。
剣形態でも会話は可能です。
342
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:22:17 ID:ePbdTtz20
以上で飛翔の修正案投下を終わります。また変更点についてですが。
変更点1
響の意思持ち支給品、ナルカナの人間形態に制限。人間形態連続持続30分。
再度人間形態を取る為には4時間の休憩が必要。
変更点2
ジョニーの支給品をアークエンジェルからジョニーが
作中で乗っている飛行艇に変更。
この二点を変更しました。
問題ないようでしたら、規制に巻き込まれているので
どなたか本スレへの転載をお願いできないでしょうか。
343
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 23:24:05 ID:YwB5eU8o0
>>331
、
>>335
だけど質問に答えておくれー
344
:
◆JQwUHiE1ZY
:2010/04/06(火) 23:34:16 ID:ePbdTtz20
>>343
質問にお答えします。
ナルカナを別の意思持ち支給品に変更するとなると
作品の8割近く、ほぼ一からの書き直しか破棄に近い形になるので
支給品の変更はご容赦ください。
345
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/06(火) 23:42:34 ID:YwB5eU8o0
リレー企画なのに把握がロクに出来ない支給品出されるより、
さらに3日待って別の意思持ち支給品出してもらった方が今後の為だと思うけど……
346
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 00:14:44 ID:R7S.xwGA0
マーダーとかに破壊させればいいんじゃね?
347
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 00:47:32 ID:BHj2ngS20
把握しなければいけないという考えるかどうかも大事だな。
厳密には原作のキャラじゃなくてmugenのキャラなんだから、前話と矛盾無ければmugen動画のノリで良い。
まあれでも動画に出てないのは痛いけど。
他のキャラは動画見るだけで動きを把握できるけど、
無いとキャラ配布場所を捜して、落として入れて、動かしてみないと動きを把握できない。
でも把握できないこともないとは思う。
348
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 00:49:25 ID:X655p80I0
mugenロワなんだから、それっぽくしちゃえばいいんじゃね
349
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 00:51:48 ID:aNrZHFjg0
カンフーマン予約してる◆7eQNLEQzeg氏から連絡が無い……
350
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 00:54:35 ID:YIy39w2U0
ナルカナは知らないけど、例えば彼女を「アイヤー」「〜アル」口調で喋らせても苦情を言う人はいないでしょ多分
MUGEN動画を通じて原作を知らなくてもキャラを把握できるのがMUGENロワのメリポなんだからこまけぇことはいいんだよ!!
351
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 00:57:11 ID:hd.mW/LMO
それが出来ないから困る>MUGEN動画を通じて
352
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 01:01:56 ID:9gza7HgY0
俺もこまけえことはいいんだよの精神で進めて欲しい
そういうのも大事だと思う
353
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 01:02:31 ID:X655p80I0
出てないってことは空っぽなわけだろ
味付けは自由ってことさ、いやっほう
354
:
◆UcWYXJfnkk
:2010/04/07(水) 01:23:04 ID:TSSRvlJc0
紅美鈴投下します
355
:
◆UcWYXJfnkk
:2010/04/07(水) 01:24:06 ID:TSSRvlJc0
「……うー気持ち悪い」
ネオンの光が溢れる街を一人の少女がとぼとぼと歩いていた。
うな垂れながら、当ても無く、ゆっくりと。
少女――紅美鈴は纏わりつく衣服が不快で仕方なかった。
「仕方ないとはいえ……」
そう呟き、また大きく溜息をつく。
気持ち悪さの原因は水に濡れた服のせいだ。
フェルナンデスから逃げる為とはいえ、盛大に水の中に飛び込んでしまった。
結果として、着ていた衣服はびしょ濡れ。
綺麗な真紅の長髪はあちこち跳ねてしまっている。
とはいえ、生き延びる為ならこれくらいはやすいものではあるはずだ。
なのに、こんなにも機嫌が悪くなってしまっている。
「さむ……」
不意に吹く夜風が、とても冷たい。
冷え切った美鈴の身体を更に冷やしていく。
心なしか、震え始めてきている気がする。
美鈴はその身体を両手で抑えながら、内心少し焦っていた。
「早く着替えなきゃ……」
このままだと風邪を引いてしまう。
それ以前に体調不良で万全に戦えないかもしれないのだ。
そんな最悪な事態だけは避けなければならない。
下らない自分のミスで命を落とす事、護れない事だけは絶対にしたくは無かったから。
「でも……」
この震えこそが、今生きている証。
あの暴君から生き延びた証でもある。
死んでも可笑しくなかった。
けど、今、美鈴は生きている。
その証は大切にしておこう。
生きているこの実感を、忘れる訳にはいかなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
356
:
◆UcWYXJfnkk
:2010/04/07(水) 01:24:59 ID:TSSRvlJc0
「ふう……」
暖かいお湯が、身体を伝って行く。
冷え切った身体を少しずつ温めていく。
沢山の雫が豊満の胸を伝って、落ちていった。
「…………ふぁ」
美鈴の表情が喜びに満ちていく。
あの後、何とかホテルを見つける事が出来た。
濡れた服は一通り洗い、そのまま乾かしている。
そして、暖を取る為に、今はシャワーを浴びていた。
雫が緩やかに流れ、股につたわっていく。
湯気が美鈴を覆い隠していった。
やはり、湯浴みは心地よい。
沈んでいた気持ちが浮き上がっていく感じがする。
凝り固まった思いを解していくような感じもした。
「うん……何時までも悩んでいられない」
雫が太腿をつたって落ちていった。
そして、また絶え間なく暖かい雫が美鈴に降り注ぐ。
また、先程と同じように顔見知りが襲ってくる事が有り得るかも知れない。
だけど、美鈴は不思議にその事で悩みなんて無かった。
迷っていたら、戦えないから。勝てないから。
護りたいものすら護れないから。
だから
「諦めずに……戦ってみせる」
此処に、誓う。
諦めずに、戦うと。
湯を浴びて、艶やかに輝く紅い長髪を揺らし、
拳を天に突き上げ。
美鈴は戦い抜く事を。
自分を貫く事を。
強く、誓った。
――――全裸で。
【岡山県/ホテル一室/一日目 黎明】
【紅美鈴@東方Project】
[状態]:全身に軽度の打撲、
[服装]:全裸
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ケン○ッキーのフライドチキン(残り4本)
[思考]
基本: 殺し合いには乗らず、首輪を解除して脱出する
1: 戦い抜く。
2:出会った参加者は警戒
3:知り合いに出会っても、最初は警戒する…?
※いつもの服一式が乾されています。
357
:
◆UcWYXJfnkk
:2010/04/07(水) 01:25:53 ID:TSSRvlJc0
投下終了しました。
タイトルは「温もりの中で、誓う思い」でお願いします。
何かあったら指摘お願いします
358
:
テストしたらば名無しさん
:2010/04/07(水) 01:43:10 ID:aNrZHFjg0
投下乙です
やはりロワにはシャワーシーンがないとね!w
そして次元意思、いつもの服を隠してコスプレ衣装を用意する作業に取り掛かるんだ
>拳を天に突き上げ
なぜかラオウの最後を思い出してしまったw
359
:
◆7eQNLEQzeg
:2010/04/07(水) 04:14:17 ID:VILT9Kos0
遅れるどころか延長の報告すらしなくて済みませんでした。
仕事関係で怪我したもので…。
かなり遅れましたが、今から投下します。
360
:
◆7eQNLEQzeg
:2010/04/07(水) 04:16:15 ID:VILT9Kos0
「…どうした?襲ってこないのか?」
いきなり私の目の前に現れたドラクロに内心少し驚いたが冷静に会話を試みる。まずは相手の出方を伺うのだ。
「……。」
「そう言えば喋れないのだったな」
そう。コイツはだだの機械だったのだ。感情が在るのかさえ不明。感情が読めないのなら出方を伺うなんて無駄なことだったか…。
なら、
「始めるか」
私はそういうとドラクロに向かって飛び掛ろうとする。が、ドラクロは待ったといったように手?を突き出す。
「…なんだ?いきなりギブアップか?」
そう聞くとヤツはブンブンと凄まじい勢いで首を左右に振る。首が動くたびに機械が擦れる時に発するあの独特なキィ〜という嫌な音があたりに響く。…コイツ錆びてるんじゃなかろうか。
「――――。」
361
:
◆7eQNLEQzeg
:2010/04/07(水) 04:16:50 ID:VILT9Kos0
私が耳を押さえていると、こちらが止まったのに気づいたのか首を振るのをやめる。音攻撃が止んだので耳から手を離す。
するとドラクロは少し考えた後、しゃがんで地面に何かを書き始める。このまま襲ってやっても良かったのだが相手はあのドラクロだ。
多分ここに連れて来られた者(物?)の中でもなかなかの実力者だろう。そんなヤツに比べて私はただのカンフーマン。相手が悪い。
もちろんこちらには龍騎のカードデッキがある。だがせめて並キャラクラスの相手で龍騎がどれほどの力を有するのか確かめてからの方が良かった。
目の前のロボットだかアンドロイドかは実力を試すでは済まないだろう。下手したら返り討ちに遭う可能性も有るのだ。
私が思考に耽っているといつの間にか立ち上がっていたドラクロが地面に指?を刺す。そこにはギリギリ解読できるレベルな汚い字でこう書いてあった。
~こるしぬい いくない~
この時なぜか私はヤツの顔が~図工などで何か分からない物を作り上げ得意げに見せつける子供の顔~に見えた。
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◆7eQNLEQzeg
:2010/04/07(水) 04:17:39 ID:VILT9Kos0
※※※
殺し合いは止めてという私の思いは伝わっただろうか?そもそも私は海外産なのだから日本語は得意ではない。
なら自分の得意な英語などで書けばいいのだが彼はカンフーマン。その数はどれ程居るか…。
もし彼がカンフーマンでは無く和訳カンフーマンで英語が通じなかったら?私はその可能性を拭い切れなかった。
そこで私の頭は計算した結果日本語で伝えるのが一番だと出た。かつて私はある大会で彼が同じカンフーマン系のキャラと日本語で会話をしているのを見かけたことが有る。
それならば日本語、それも平仮名なら通じるだろうと私は考えた。平仮名なら嘗て大会で会った幻想郷から来たという妖精に習ったことがある。あたいはさいきょ−だからなんでも知ってるよ!といって親切にも教えてくれた。
その時に教わった通りに一字も間違えてないで書けたはずだ。ならば彼がどのカンフーマンでも通じたはず。
完璧な作戦だ…。時々自分の頭が恐ろしくなる…。これで彼は殺し合いに乗らないはずだ。
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