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没作品投下スレ

40 ◆cAkzNuGcZQ:2011/01/30(日) 17:47:41 ID:mxG9llTU
「ブレアさんと会ったんだ!」
「ああ?」

反応有りだ。アルベルの殺気と勢いが僅かにではあるが、確かに薄れた。
やはりブレアの仲間のアルベルなのは間違いない。ここで説得しなくては。

「ブレアさんは――――」

アルベルを説得しようと声を発したその時だった。
説得を妨害するかの様に、不自然に出現した濃霧が一瞬クロードの視界を覆い、そして消えた。

「――――っ!?」

ようやく作れた説得のチャンスだったのだが、クロードは思わず口を止めた。
クロードは今の霧を知っている。経験した事が有る。
この霧は間違い無く紋章術『ディープ・ミスト』の効力だ。
クロードの仲間内では、レナやレオンが使用出来る紋章術だった。
そう。レオンが。

まさかと思い、クロードは慌てて辺りを見回した。
まさか、レオンのはずはない。
ここにはもう1人紋章術師が居る。ソフィアが居る。
今のディープ・ミストは彼女の仕業に違いないだろう。
レオンではない。レオンが自分に術をかける理由なんか、ある筈がないのだ。


しかし、クロードの視線が捉えたのは、目が合う直前、クロードを拒む様に顔を背けた少年の姿だった。


(ば、馬鹿な!?)

クロードは愕然とした。レオンへの忠告もアルベルへの説得も忘れる程に。
ディープ・ミストが自分をも対象としていた。
それはつまり、レオンがクロードを敵として認識しているという事に他ならない。
そして朧気に見えているのは、全く予想だにしない展開。
距離を取りつつソフィア達と対峙しているレオンの姿だった。
クロードの心臓が大きく跳ねる。
あの二人はギョロとウルルンさえも殺した危険人物。
それを、かつて前衛に出て敵と対峙した事など無いレオンが一人で相手にするなど、自殺行為以外の何物でもないではないか。

「何故だ!? レオン、どうして!?」

レオンは振り向かない。クロードの声が届いていない筈も無いのに。
もう一度叫ぼうとした時、耳に入ったのは自分の方に走り迫ってくる足音。
振り返れば、当然の様にアルベルが剣を振るわんとしている。
身体ごとぶつかる様なアルベルの斬撃を、クロードはエターナルスフィアで真正面から受け止めた。
弾き飛ばされそうな程の重い一撃だったが、何とか堪えられる。足を止めさせ、鍔迫り合いに持ち込んだ。


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