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修正作品&試験投下スレ

280転(修正) ◆DxQ.rNoSKQ:2012/11/17(土) 00:11:41 ID:tte3u08U



「改めて、ガッカリしたからよ」
ため息と同時に吐き出された言葉に、ルシファーは眉を顰める。
ベルゼブルはその様子を気にとめる事なく、決壊したダムのように次々に喋り続ける。
「社長が思っていたより、無能だったからよぉん」
今まで黙っていたこと、全てをぶちまけるように。
「自分が創造した世界の存在に滅ぼされそうになったから、創造した世界を滅亡させた。
 そんな姿に本当にガッカリしたわぁ」
起こった事実から、自分が受け止めた真実を吐き出していく。
「だから、思ったの。
 今回も自分が掌握しているはずの存在に、社長がボコボコにされちゃうんじゃないか、ってね」
可能性の話と自分の気持ちを織り交ぜて、ぶつけていく。
「だったら、そんな上司に従うなんてバカらしいじゃない?
 プロジェクトが失敗すれば社長の無能が再度証明されておしまい。
 成功すれば社長が汚名返上しておしまい。
 だからどっちでもよかったのよん」
試してやろうと思ったのだ、このいけ好かない野郎の実力を。
「でも、はじめからガチガチの枷をかけておいてプロジェクトが成功しましたって言われても微妙よねぇ。
 だったら、前回の汚名を返上しきるぐらいの事じゃなきゃ、面白くないでしょ?
 だから妹や外部の妨害を受けさせて、それすらも乗り越えてプロジェクトを運用できるかどうか。
 それを見届けようと思ったのよん」
どれだけの壁が立ちふさがろうと、全てはねのけて野望を掴む力のある人間なのか。
それとも、今回も無様な姿を晒して終わる存在なのか。
「ここで私を殺してもいいわよ、でも罠も作動してるしブレアちゃんも新たな妨害に走ってる。
 私にかまうことがプロジェクトの成功に結びつくのか、考えた方がいいわねぇん」
このクソったれの無能を試してやろうと思ったのだ。
「もう一度、私が惚れた社長を見せて頂戴」
一言、強めに言う。
挑戦的で高圧的な一言を受け、ルシファーは笑う。
「……フッ、私も見くびられたものだな」
やれやれと肩をすくめてから、次の言葉を放つ。
「いいだろう、私の力のみでこの状況に対処してみせる。
 助けも何も必要ない。絶対にこのプロジェクトを成功させてみせる」
素早く身を翻し、ルシファーはその場を去っていく。
「ええ、見せてもらうわぁ」
ベルゼブルはその後ろ姿を笑いながら、ずっとずっと見守り続けていた。

ブレアがこのプロジェクトに無数の罠を仕掛けていた。
これに気がつけなかったのは確かに自分のミスだ。
ベルゼブルの言うとおり、どこか慢心していたところがあったのかもしれない。
ならば、その慢心を捨て去る。
自分こそが絶対支配者なのだともう一度示してみせる。
その証明のために、彼は駆けだしていく。
己の部屋ではなく、このプロジェクトの全てを統括している、メインルームへと。


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