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避難スレ

22カタストロフィーは想いとは裏腹に ◆O4VWua9pzs:2008/03/06(木) 02:02:29 ID:V9mKCRT6


―――どうしてあなただけ助かろうとするの?

か細い生気のない声が耳朶を打つ。
「え…!?」
リドリーは閉じていた目を見開く。その瞬間、金縛りにあう。
そこには、褐色肌の少女と凛とした風貌の女性、長い金髪の女性が私を覗きこんでいた。
その目は生気がなく恨めしそうに私を魅入っていた。彼女たちは皆この舞台で私が殺した者たちであった。
一同は一斉に壊れたオルガンのように訴えかける。

「「「どうしてあなただけ助かろうとするの?」」」

三人の身体から夥しい血が溢れ出る。それは私が刻み込んだ箇所から止め処なく吹き出る。口元から蛇口のように零れ出る。
「「「痛かったよ」」」「「「苦しかったよ」」」「「「死にたくなかったよ」」」「「「生きたかったよ」」」
「「「報われなかったよ」」」「「「家族のところ帰りたかったよ」」」「「「愛する人のところに戻りたかったよ」」」
「「「助かりたかったよ」」」
「「「でもどうしてあなただけ助かろうとするの?」」」
「「「私たちはあなたに対して何もしなかったのにどうしてこんなことするの?」」」
「「「どうして殺したの?」」」

「ちっちがう!!」
リドリーは後退しながらも頭を左右に振り必死に否定する。
恐怖から涙が滲み出る、目を背けられない。
言い聞かせる。これは幻だと、性質の悪い幻覚だと。


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