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日本大陸を考察・ネタスレ その168
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日本大陸のSSや考察・ネタを書き込むスレです。
スレが荒れる事のないように喧嘩や煽り合いは厳禁です。
みんなで仲良く日本大陸世界を楽しみましょう。
尚、このスレは憂鬱本編とは無関係という事を前提としてearth氏の許可が下りています。
憂鬱本編に関係するネタを書くときは本編の設定を遵守し、細心の注意を払いましょう。
各職人様の作品や、スレで語られた内容設定の数だけ世界線が存在しており、皆それぞれ日本大陸です。
設定に関して疑問に思う処などがあれば職人様や住人の皆様に質問し、大いに議論しましょう。
投稿する作品の設定は下記の説明にある日本大陸の基本ルールを遵守していれば、どのようなネタでも自由です。
また既存のアニメーション作品、ゲーム作品等の創作物とクロスを取り扱ったネタについては
下記の日本大陸クロスネタスレご利用してください。
日本大陸の設定は日本大陸スレ及び日本大陸クロスネタスレのみの設定であり、他スレへの持ち出しは厳禁です。
【書き込みにあたっての注意】――日本大陸世界の公式想定まとめ(wikiより転載)
0――【日本大陸の民族や資源に関して】
・日本大陸の主要民族については史実同様に日本民族というほぼ単一民族で構成されているものとする。
・日本大陸は、豊富な資源に恵まれているものとする。
1――【歴史的事実に関して】
・日本大陸世界は「基本的な歴史的事実において」史実世界と共通するものとする。
・「基本的な歴史的事実」は、歴史年表に記される出来事の名称および結果である。
その影響は日本大陸本土周辺において厳密に守られるべきであり、その外縁や海外における出来事はこの目的を達するためにある程度の改変を可とする。
・上記の「基本的な歴史的事実」以外、たとえば歴史的人物の来歴や出来事の経過については、「基本的な歴史的事実」例えば「関ヶ原の戦いにおいて徳川氏が勝利する」といった事象を妨げない限りにおいて、日本大陸世界の地理・自然・人物その他の状況を勘案した上で自由な想定を可とする。
ただし、歴史的重要人物の生死や重要行動については慎重な想定を要する。
・日本大陸本土周辺における「基本的な歴史的事実」を達成するための想定は、自然科学的に妥当な理論および手段方法をとり、かつ社会科学的にも可能な限り妥当な想定をもって行うものとする。
・日本大陸世界における「基本的な歴史的事実」は、幕末前後から転生者たちによる干渉が大規模化し最終的に「明治維新成立」を目的にと改変を可とする。
史実や憂鬱世界とは違った明治維新となる可能性が高いだろう。
・明治維新以後については本編同様、自由な想定を行うものとする。
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安価な穀物の国内需要も備品向け代用食の異常発達で抑えられていますから
多数を輸出できる(特にソ連)
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>>764
そんな感じですね。
これのどうしようもない点が例え米合が米連か史実合衆国並の健全な国内市場を手に入れられたとしても、
それで増えた生産能力をどのみち海外の市場に求めないといけない点ですね。
まあここら辺は工業化の進んだ国家ならどこでも陥る現象であります。
じゃあ漆黒世界の海外市場を見てみると日英独が大体独占しているので、どのみち正常化しようとも米合は自国の経済を守るために列強に喧嘩仕掛ける選択肢しかないという定めなのが…
普通に土下座して日英独のどっかの市場に上手く参加できれば当分は安泰なんですけどね(汗
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>>767
マンハントやらかしまくってる時点で土下座で許されるかっつーと…。
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>>763
なんもかんも奴隷や備品に頼ってるのが悪い(確信)
じゃあどんな時にも一定の質を確保したまま低コストで物を輸出することが出来る理由である備品を廃止て普通に人間として運用し直せるかと言えば…
結構な冒険的改革となりますな。改革するためには諸々のコストがかかるのは目に見えていますし、改革中の生産能力と低下と生産コストの上昇も目に見えています。
そして米合の財源になっているのが海外との貿易。海外市場と戦いの最中で最大の武器である低コストを捨てられるかな? よしんば捨てたところで改めて太刀打ちできるようになるかな?って話ですから。
そんな分の悪い賭けに乗りたがる人間は少ないというのがオチかと。
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合理主義の権化の様な米合ならいきなり全部切り替えるとは言わんでも徐々に割合を変えていくくらいはやってきそうで怖い……
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>>768
西部開拓の名の下に散々日本とも衝突した後ですしねぇ…
本来の予定?通りに普通の合衆国となったとしても日本とは相容れない関係になるのがオチでしょうかねえ(汗
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切り変えたいだろうけど、それにはまず日英に負けない何かが欲しい
当然技術だったり安さだったり、兎に角誰かが自分の製品を選ぶ何か
それを手に入れる為にレギュレーションを破ったのにまだ追いつけない
壁が2つもある訳だわ、それで仲間を集め始めたのがWW1前後から
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大陸日本自体が広大なフロンティアな上にその後ろには更に中華というフロンティアまで広がっていて……
まあマニフェスト・デスティニー標榜しているなら100%ぶつかりますよね
それが分かってるから夢幻会の先人たちは必死で小さくしようとしたんですが
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>>770
備品の中で能力に優れた物を選別。数世代かけて人間化させるのであれば…
人間化した後の諸々の問題も教化と称して子供の頃から徹底して米合的愛国心を刷り込ませれば離反する可能性を大きく抑えることも理論上は可能。
教化に関してはフランスカルトが行った手法の一部が、愛国教育に関しては中・上流階級に行っていた既存のやり方とソ連における徹底的な同志化教育の手法が流用できる。
あとは幾つかの試験から寄り効率的な手法を模索していく。
って感じですかね。
案外空売り砲の後で改めて自国の経済体制の脆弱性を確認したため、その手の人間化・思想教化のための実験を始めているかもしれませんね(汗
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>>773
そしたらなんかおっかないのが誕生してしまった…
どうして…(夢幻会猫並感)
>>772
なのでまぁ備品体制の改革するのには漆黒米合ですら中々及び腰じゃないかなと。
改革中に経済的に支配されたり、自滅する可能性もあれば、改革できたとしても日英に対抗できる保証もなく…
日英の壁が厚すぎますわ(汗
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とは言う者の・・・まだ歴史は1920年、国連誕生までしか進んでいないから
何が起こるか全く判らん・・・
間違いなく今の議論より酷い歴史になる、今までのように
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技術的にはともかく、情勢と人道に関しては悪化しかしていない漆黒世界ぇ…(白目)
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>>770
ただそれは日英と同じ土俵に立って戦うことになるので最終的には
基礎体力の差で押し負けるという予測を立てるんじゃないかと
それなら戦争を吹っ掛けて判定勝ちを狙おうという意見が強くなりそうな
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>>762
そうすると、それはそれで疑似的な賃金の発生となるので難しいのです。
つまるところ誰がその金出すのよ?ってやつですね。
まあ地域振興券みたいな疑似通貨でもいいかもしれませんが、それだと国内市場の活性化に結び付かないんですよね(汗
使っている通貨に互換性が生まれませんので。
そして国内市場の活性化という意味で行うのなら結局のところ普通の労働者と変らない待遇になっていきますから。
これを半端なところで止めると半端にコストが上がっただけになってしまい、今の強みを無くしてしまう可能性も出てきますね。
外に売ってる商品の値段が安いから海外の市場でも太刀打ちできているわけですので。
結論:備品に御駄賃持たせるのなら普通に労働者として扱おう!
まあそんな改革しようとすれば、>>769の問題に突き当たりまして…
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>>778
どのみち日英の軍門に降るのでなければ、どこかでぶつかるのは必然ですからなぁ。
史実だって結局のところ戦争の原因は市場の奪い合いみたいなところありますし。
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情勢と人道は悪化してるが人種差別とかは史実よりだいぶましだろうけどね。
そんなことしてる余裕がない、優秀ならどうでもいい、効率的でないなどの理由により。
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効率主義とか実力主義とかが優先されてる世界ですからの。現実主義的な観点が第一になっていそうですわ。
>>754 >>756
漆黒米合の経済構造考えれば空売り砲ほど効くものもあるまいて…
日英もきちんと米合を観察していた証拠ですね。
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何より隣りにいる黄色と白が混じった憎いあんちくしょうが昔から常にあらゆる分野で最先端突っ走ってますからのう……
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>>776
とはいえ、1920年代って史実だとどんなイベントがありましたっけ。
関東大震災
大正デモクラシー
アイルランド内戦
ファシズムの台頭
黄金の20年代とアルカポネの台頭
トロツキー追放
世界恐慌
このくらいしか思いつきませんねぇ。
他にどんなイベントがこの漆黒世界では起きて逆にどんなイベントが発生しなくなるんでしょうか。
黄金の20年代やアイルランド内戦あたりは起きない気もしますが。
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アルカポネは前に米連の方で登場するネタがありましたが、ファシズムはどうなるのやら…
イタリア限定のローカル思想?
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ぶっちゃけ、ファシズムが躍進する要素が少ないですからねぇ…
かろうじてイタリアとかですかね?
世界恐慌については空売り砲で意図的に引き起こされているので消化済みといえるかと。
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なんかアルカポネがドイツの伍長閣下率いる帝国警備の様な綜合警備保障を米連で設立してアメリカ版第二の伍長になり上がる電波が突如被雷した
トロツキー追放は米合によるソ連の実質的オーナー化成功の号砲見たいな感じかも知れませんな。世界革命をお題目にソ連から国外逃亡とかだったら笑う
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>>779
米連は奴隷を労働者にクラスチェンジさせたってのに、
使い潰すことでの成功体験に固執した結果が…。
>>781
「足りない備品は他国から調達(マンハント)すればいい」なんて考えなければそれでもよかったんだけどw
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空売り方が史実の世界恐慌とリンクしてるのなら開始は29年…
米合との戦争開始する時期によっては日英は10年くらい戦争準備し続けいた可能性も?
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フランスの分裂と軍閥化とカルト教団の急造で一気に治安悪化して『このままじゃダメなんだ!』と我らがムッソリーニがイタリアを本気で纏め上げる為に、
と言う流れが精々でしょうかねぇ>ファシズム
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>>788
元奴隷の扱いこそが米連と米合を分けたのかもしれませんなぁ。
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>>790
イタリアも呑気していられる情勢ではなくなりますしの。
伍長も政治的に台頭してきそうなのはこの頃からでしょうし。
そう考えるとむしろ漆黒世界が更に加速しだした年代になるのかな?
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>>791
まー、米連の奴隷は換えの効かない技術者にまで育ってたし…。
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デモクラシーはWW1直前に世界的に起こるかもしれません・・・
これがWW1の限定戦争の原因になるかもしれませんな
日英陣営でも所属国によって選挙権もあれば無い所もある訳ですし
陣営の完全選挙権を要求する運動が起こっても不思議では無いかと・・・
そして戦後はドイツで伍長が全国民の平等選挙権を求めて煽りまくるかと
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>>793
対する米合というか連邦政府的としては西部侵出のための使い捨ての鉄砲玉という認識。
そう考えると面白い差違ですわ。
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この世界戦では、ムッソリーニとシチリアマフィア、アルカポネ率いる米連傭兵集団がイタリアを
救うためドリームタッグ組んで、フランスカルト教団や米合ギャングとガチバトルしてそう。
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米連の場合奴隷も息子も家畜も死んで農場主に残されたのは息子や奴隷達の残した幼い子供だけ
だから残った子供たちを守るためにとうとう立ち上がったと言う歴史がある
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死んでしまった息子の代わりとして奴隷たちの子供を育て上げた農場主とかいそう…
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>>796
マンハンターとの戦いも一息付いた時期でしょうし、(流石に隣国の警備が厳しくなってるので北米外からの調達に切り替えていそうなため)カナダや米連の警備会社が欧州のどこかに雇われてってのはありそうですね。
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>トゥ!ヘァ!氏
漆黒合衆国の破断点は「生産能力に市場=消費が対応できなくなる」時と言う認識でよろしいでしょうか?
ならば逆説的に、国内の消費量を増やせば最低でも時間稼ぎは出来ますよね。
(もうちょっとで、何か「強化プラン」第二弾がひらめきそう……)
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まぁ国内市場を増やそうにも入手可能な天然資源(石油やゴム等)に制限が掛かるので限界到達は意外と早い気もしますね
工業塩とかもシレっと封鎖されてるかも…アメリカで取れたっけ(´・ω・`)?
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>>800
ですね。
まあここら辺は史実のアメリカと同じであります。
漆黒米合の場合は国内の市場が史実よりも小さいために、国外の市場により大きく依存している点が違いとなります。
>>801
単純に米合国内の購買層が史実よりずっと少ないのも欠点の一つですからな。
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備品は厳密に言えば購買層ではありませんからな
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史実米「な? 奴隷解放しておいてよかったろ」
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>>801
アメリカは史実で第二位の塩生産国ですね。
メキシコ湾エリアで多く作ってますが、漆黒の合衆国領内でもたくさん産出されます。
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工業塩に関しては極論食塩さえ生産出来れば自力で作れますしの。
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>>806
……人体の0.3%って、「塩分」なんですよね。
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>>807
そっち使っちゃうかぁ(白目)
普通に海から作るやつでええやん!!
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>>808
他のところもつかうしもったいないじゃん?
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まさに人間に捨てるところなし…ですな…(白目)
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バイオディーゼルの「素材」として使うのは「脂肪」だけなんで…。
塩分はむしろジャマですから、抽出技術も確立されてるでしょう。
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きちんと抽出するための技術が確立されてるの恐ろしいですわ…
昔話に出てくる人食いの化け物かな?
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何かもう『国益の為に人外魔境に墜ちる』んじゃなくて『人外魔境に行く理由付けに国益を持ちだす』してる主客逆転現象引き起こしてる気がする(白目)
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少なくとも我々はそんな感じで設定作ってますからな!
我々こそが諸悪の根源だった?
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>>813
合衆国「なら石油よこせ。もっと言うなら油田よこせ。テキサスでいいから。」
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米連「うちは独立してから油田が出ただけなんだよなぁ…」
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木炭自動車を作っていたら、燃料を永久的に供給出来る様に植林もしっかり行うんだろうな。
まぁ、米合の場合は石炭が使えるか。
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史実でも国有林作りのための植林は行っていましたが、ここの米合な尚更力を入れて行っているでしょうしね。
木材はあって困る物でもないですし。
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日本「うちも、金が出たから加州の開拓を進めたしな(夢幻会除く)」
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>>817
昨日の私のネタでは「蒸気自動車」ですね。だから主に石炭が燃料です。
まあ、燃えれば何でもいいのですが。
木炭自動車は性能的に向上しずらいので没にしました。
あと、蒸気自動車が史実で最も発展したのがアメリカですんで。
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>>820
木炭自動車は空爆等で石炭供給が途絶えた際の緊急手段として使われるくらいですかね?
とは言え、準備の良い米合だから各要塞都市の頑丈な保管庫にたっぷりと石炭を蓄えていそうだが…
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効率の問題はあれど極論燃えれば何でもいいので、極端な緊急事態ならば蒸気自動車に木炭が放り込まれるようになるのでは?
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所で>>787のトロツキーの話を見て思いついたので一つ投下してもよろしいでしょうか?
問題なさそうなら22:10から投下したいと思います。
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おkおk。
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「スチームパンク」系SF好きには『天国』でしょうなぁ>漆黒の合衆国
民間は自動車も鉄道もほぼ蒸気機関で動いていて、多分「蒸気機関航空機」なんてのも
実用化されているかも!!
オラ、夢幻会SF派閥よ。喜べよ……。
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>>825
スチパンスキー「求めていた物と違うんだよなぁ…」
天国(物理)…
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議論が煮詰まっていない部分を妄想で書いたのでボロボロかもしれませんが、投下します。
「ソビエトを守ろうとした二人」
「それさえ行えば、貴国は我が国を援助する、と?」
「ええ、その通りでございます。閣下。その契約書を履行していただければ閣下が望むだけの援助を実現して見せましょう」
暗闇の中でいかにも高級そうなスーツを身にまとったビジネスマンのような人物がひげ面の男にそう返答する。だが、その雰囲気からは濃い血の匂いが漂っており、まっとうなビジネスマンとは到底思えなかった。いや、事実まっとうなビジネスマンではない。人の生も、死も金銭に変換する商人――米合の外交官――だった。
話しかけられたひげ面の男――スターリン――は苦悩の様子を見せる。彼の選択によって国家全体の行く末が変わるかもしれない瀬戸際なのだ。
その様子を見た外交官は、悩みを好機だと捉え攻勢をかける。
「閣下。今この機会を逃せば国を救うことも、共産主義の理念を保存することもできなくなりますぞ」
「いや、しかし」
「閣下。あなたの理想はこの国なしには実現できないのではないですかな?」
なおも悩み続けるスターリン。その様子は頭を抱え、今にも叫びだしそうなほどだ。
外交官の男はここで声音を変えた。今までのビジネス然としたものから、相手を心底同情するような声音に。
「閣下。あなたの国と国民と理念を思いやる心に感服いたしました。あなたは真の愛国者だ。よろしいでしょう。我々もビジネスですが、あなたの心意気に惚れこんでしまいました」
そう言って手元の書類を書き換え、再度スターリンに手渡す。そこには事前に提出されたものの30%増しの無償供与資源と各種工作機械が記載されていた。さらにはトラックなど機械化に必要な車両の有償購入可能数も大幅に増加され、工場や交通インフラへの投資も倍額になっていた。
そして極めつけには戦車及び、航空機の共同開発研究が記載されていた。
「・・・っ。これは」
スターリンは息をのむ。これが本当ならば。
「はい、閣下。これだけあればあのドイツに対抗することも可能でしょう?我々の軍事技術に関しては閣下もよくご存じのはず」
スターリンは心の中で毒づきながらもそれに同意した。何しろ先の戦争であのドイツが圧倒的な勝利をおさめた原動力はこの吸血鬼共がもたらしたものだからだ。
おかげでこの国はボロボロになり、共産主義を実現していける目途が立たなくなった。この国の苦境を作り出した人間が目の前にいるのだ。
「我々の先進的な軍事技術を用いて、あなた方の事情に合わせた戦車や航空機をご提供いたします。その際には貴国の技術者も開発に参加してもらい、帰国の技術力の向上に貢献しましょう。生産体制に関しても、我々にお任せください。『誰でも』『高速に』『完璧に』生産し、運用できる兵器に仕上がることをお約束いたします」
しばらくスターリンは硬直していた。だがその名前通り、彼は鋼鉄の心を持っていた。
彼は決心したように迷いなく書類にサインをする。
そこには関税の段階的撤廃や国内資源開発の米合企業の参加、最恵国待遇といった内容が先の援助等と引き換えに米合に与えるという内容が記されていた。
中でも特異な条件がレフ・トロツキーの殺害と少数民族の米合への輸出だった。
サインしたのをしっかりと確認し、カバンの中にしまった外交官は笑顔でスターリンの方を向き、
「ありがとうございます。閣下。これで貴国にも我が国にもますますの繁栄がもたらされることでしょう」
そう言い、ドアの方へと歩みを進める。後ろからはスターリンのため息が聞こえてきた。
やがて部屋を出てスターリンから見えなくなった外交官の顔には、笑顔どころか何の感情も浮かんではいなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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ある部屋で一人の眼鏡をかけた男が手を組み、静かに座っていた。
静寂だけが存在する部屋に、やがてドアをノックする音が響いた。
それは特定のリズムと回数に従ったものであり、それはこの部屋に入る資格を持った同志であることの証明だった。
「入り給え」
「失礼します。同志トロツキー」
入ってきたのは部屋の中にいた男――トロツキー――の顔なじみの男だった。
彼は情報関係の職についており、多忙なことで有名だった。トロツキー自身も久しくあっておらず、日ごろであれば再会を祝しただろう。
だが、今日に限っては最も会いたくない人物だったといえる。
「君が来た、という事はそういうことでいいのかね」
「はい。残念なことに」
トロツキーは大きなため息をつく。そして顔を真っ赤にし、大きな怒りを込めて
「スターリンの大馬鹿野郎が。あの吸血鬼共に国を売りよって…!!」
そう叫ぶ。幸いにも『防音』がしっかりしている部屋であり、万が一にも漏れることはなかった。
部屋に入ってきた男は最近スターリンが進めている米合との関係改善について調査を進めており、大きな動きがあった際に報告するようになっていた。漏れ出てくる情報からある程度内容は推測されており、国を売る内容であることは確実視されていた。
男は怒り狂うトロツキーを制し、言葉をかける。
「同志トロツキー、残念ながらあなたにはここで怒鳴り散らす時間はありません。早急にお逃げください」
その言葉を聞いたトロツキーはきょとんとした顔から、次第に顔を青く染め白に到達したかと思えば再び顔を赤く染めた。
「まさか、スターリンの奴は」
「はい、同志を殺害するつもりです。米合からの指令で」
「奴らはそこまで私の永続革命論が邪魔か!!それにのせられるスターリンもだ!!」
1920年代に入ってからの世界情勢は極めて混沌としていた。あまりにもスピーディな第一次世界大戦の終結は、そこに至るまでの世界中のゆがみを取り除けないばかりか、悪化させていた。
それは世界中に民需市場の停滞という影響をもたらしていた。社会情勢の不安から投資心理が鈍っていたためだ。
例外は日英経済圏だったが、それ以外の特に欧州地域においては復興需要こそあったものの、大規模な民需市場の成長にはつながっていなかった。
そして米合は第一次世界大戦においてさらに成長した工業力の投射先を欲していた。その経済構造上、内需にはほとんど期待できないため外需の安定と成長は彼らにとって必須だった。
そのため永続革命を掲げ、一時的にでも世界を不安定にしかねないレフ・トロツキーという男が邪魔だった。そこで米合はロシアという大きな人口を抱える国家の民需を牛耳るとともに、不安定要素のトロツキーを排除するという一石二鳥の合理的な手段に出た、というのが今回の条約の真相である。
「とにかくお逃げください。あなたが生き残ることこそ、我々の誇りを失わずに済む方法です」
「しかし、私が逃げたと思われては…」
情報部の男はそう言いよどむトロツキーの肩をつかみ、顔をしっかりと見る。
「あなたはおっしゃられました。平和を実現すると。あの地獄のような革命の最中に、共産主義革命を通じて世界平和を実現して見せると。万民平等を実現して見せると。国家という枠組みを取り払って見せると」
「…ああ」
「我々はそれを信じ、あなたについてきました。だからこそ、あなたを同志と呼ぶのです。同志トロツキー。その言葉を嘘にしないでください」
「…ああ、ああ」
「そのためには、ここであなたが死んではなりません。あのスターリンと米合に立ち向かえる共産主義者はあなたをおいてほかにはいません。あの革命のすべてを、無駄にしないためにも、あなたは死んではいけません」
「ああ、わかった」
トロツキーは静かに目に浮かぶものを拭いもせずに身辺整理を始める。
情報部の男も、今生の別れになることを覚悟し、静かに涙をこぼしていた。
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誰もいない部屋で一人、スターリンがウォッカをあおっている。
「そうだ。これでよかったのだ」
独り言が口からこぼれ出る。
「トロツキーは何もわかっていない。どれほどこの国が危機的状況にあるのかを」
実際、ソビエトの内情は危機的といっても間違いがなかった。ウクライナをはじめとした穀倉地帯は失われ、明日の食べるものすら苦労するありさまだ。工業力も前身となるロシア帝国が近代において日露戦争をはじめとした諸戦争に負け、資金不足から十分に育てることができていなかった。
このままでは革命で発生した国が、革命によって倒されるという喜劇を演じなくてはいけなくなる。
そうでなくとも、ドイツが攻めてくれば現状ではまともに戦うことすら難しい。
「だからこそ、あの悪魔とも手を組む」
自らの力で立つことが難しいならば他者の力を使う。赤子でもわかる理屈だ。
米合に頼れば、この国は近代化できる。
戦うことができる。
一国で共産主義が成立すると証明できる。
そのためならば何でもするのが合理的な判断というものだ。
「それに、世界に共産主義をばらまくだと?日英が黙っているはずがない」
世界最大の同盟にして、帝王を戴く二つの国家。ブルジョアジーを否定する共産主義との相性が良いわけがない。
「そうだ、私は間違っていない」
スターリンはひとりウォッカをあおる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
誰もいない部屋で一人、トロツキーが旅の支度を始めている。
「なぜ、こうなってしまったのだ」
独り言が口からこぼれ出る。
「スターリンは何もわかっていない。米合がいかなる国なのかを」
米合の内情は、トロツキーにも伝わっていた。もはや社会階層は固定化されており、民衆が夢を見ることすら許されない。資本家と貴族という差はあれど、基本的に親である英国よりもひどい階層社会だった。
どこまで本当かはわからないが、人以下の扱いをされている人々も存在するという。
このような国と手を組めば、共産主義は永遠に誤解され、二度と日の目を見ることはないだろう。
「だからこそ、この国を変えてみせる」
共産主義の理想を実現する為に、全力を尽くさなければならない。
例え、一時負けようとも。
卑怯者の烙印を押されても。
この身が滅びようとも。
この身の信念にしたがって行動してみせる。
「それに、あの吸血鬼と手を組むだと?日英が黙っているはずがない」
世界最大の同盟にして、帝王を戴く二つの国家。すでに百年以上にわたって敵対してきたあの帝国達が、我が国と米合の関係をそのまま放置するわけがない。
「私はこれからも、正しくあれるだろうか」
トロツキーは支度を終え、扉を開ける。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
二つの場所で、二人の男が声を発した。
「「そうだ。お前は間違っているんだ、トロツキー(スターリン)」」
「「間違いは正さなければならない」」
「「この国(共産主義)のために、私は全力をもって行動するだろう」」
「「お前はどうだ?未来のために、お前は何をする?」」
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以上になります。
ソビエトロシアを守ろうとしたスターリンと共産主義を守ろうとしたトロツキーの対比してみました。
どちらも守るべきものがあり、その優先度の違いが、そのまま方向性の違いになってしまった形になりますね。
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乙。まさしく鏡あわせのようで描写上手いな
どっちも行き先が地獄の向こう側なのがなんとも・・・・
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乙です
目指すところは同じ、だけど、過程があまりにもかがみ合わせ…
面白い話でした、とても…(語彙力
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乙です
もしもトロツキーが権力握ったとしても、遠からず日英独による分割だろうしなぁ…
この世界のソ連はほんとハードだ(汗
そしてこれは駄目だ…私がスターリンでもサインするわ…
史実以上にボロボロで敵ばかりのソ連を考えると米合との契約にサインせざる得ない…
米合の支援さえあれば工業だけではなく、南ウラルに大規模な耕作地帯を整備することだってできる…
人民が明日食うパンを用意できるんじゃ…
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乙です
トロツキーそういやユダヤ人だけど筋肉派閥なら純朴な巨漢なんだろうな・・・
逃げるとすれば米合の目が怖いメキシコでは無く比較的米合陣営から遠い
東南アジア方面に逃げるんだろうか?
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乙です。
素晴らしい文章構成です。
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乙です。
優先して守るべきものの違いが2人の行動の違いとなりましたか。
どちらにしろ2人が進むは日英を敵に回す茨の道か…
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乙です。
表現力すごい(小並感)。最後の独白がかぶるところリアルに映像浮かびました。
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>>834
東南アジアは日本の裏庭で、英国の心臓部に近い位置なので…
あそこに逃げたら今度は日英の上層部と追いかけっこでしょうね(汗
逃げるとしたらアフリカか南米のどこかか…
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お読みいただきありがとうございました。
結局、どちらを選ぼうと多分ソビエトの滅亡は規定ルートに近いのだと思います。
そもそも、史実でも米国の支援がなければ厳しかったですし、その米国自体は弱体化してますからね。
それでも何とか未来をつかもうとあがき続けるが、理想の違いから鏡合わせになってしまった二人でした。
多分、ソビエトの民からしたらスターリンの方がいい統治者なのではないかと思います。
理想のためにすべてを捨てろ、とトロツキーは言っているわけですしね。
でも、こんな暗黒の世界で理想を掲げ続けられるトロツキーも貴重な存在かな?なんて思ったりします。
>>834
イヤー、すっかり忘れてたユダヤ人(筋肉)
どうしましょう?このトロツキーはユダヤ人(筋肉)の中にあって貴重なユダヤ人(知性)という事にでもしましょうか?(焦)
逃亡先は具体的に設定していません。この世界情勢でこいつが逃亡して無事そうな場所のイメージがわきませんでした。
どなたか、考えていただけたらな―って(丸投げ)
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ドイツ勢力圏に逃げるべきかな?
一応ドイツがWW1で援助をしたのはレーニン・トロツキー派閥だし
ドイツ勢力のユダヤ人を搔き集めて一勢力を築けるかも・・・
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トロツキーの潜伏先…
どこにしろ、日英米合の息が掛かった土地が有るな…
ワンチャン、日英はソ連に対するカウンター要員で生かしてくれそうか?
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>>838
アフリカはベルギー+米合vsイギリス+ドイツで睨み合ってて、一番マシなのが南米でしょうけど
その南米も国際連盟で調子のりそうなんですよねぇ。
…トロツキーに逃げ場なし。
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コンタクトは尾崎さんに頑張ってもらおう
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米合に独立国建国を目指すユダヤ戦士団の団長をやらせるのも良いかも・・・
仮名はレオニダスで
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乙でした。
文章力に脱帽です
この世界、日英独伊とどれも立憲君主制だったりして共産主義ととことんまで相性悪いんですよね……
ドナウ連邦だけどうなってるか分かりませんが、まあ共産主義の入る余地は少ないでしょうし
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乙でした。
二人とも真に国を想っているが故のすれ違いですねぇ
情景が目に浮かびます。
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スターリン「尊厳が無くても飯が食えれば人は生きられる」
トロツキー「飯が無くても尊厳があれば人は耐えられる」
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乙でした。まさかの思い付きの呟きからこんな凄いモノが出て来るとは全く想像だにしてませんでした。素晴らし過ぎて顎外しそう( д )
始まりからして八方塞がり、そして大人しく餓死しない為には米合経済圏に事実上服属するか、若しくは世界革命を引き起こして全てを覆すかの二択のみ。
日記か何かで後世にスターリンやトロツキーの思いが残って居たら、幾らかは再評価される可能性も無くも無いでしょうね。『完全に行き詰まり切った失敗国家を、
決して見捨てず抗った愛国者』としては。米合に着いてしまった以上、そして共産主義を掲げている以上ヤラカシはヤラカシとして糾弾されますが
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>>841
スターリンならまだしもガチガチの想主義者の革命家であるトロツキーを匿う理由は日英にはないですなぁ…
何より日英には既に東ロシアのロマノフ家というロシア統一の大義名分が手元にあります故。
>>842
南米に潜伏するトロツキー…半世紀くらい後に吸血鬼の軍団とか作り上げそう(ヘルシング並感)
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>>847
日英「尊厳と飯がそろってこそ人は人となる」
…多分、米合も初期の頃に飯と尊厳を満たして満ち足りる事を知っていれば、世界第二位の大国であり続けることができたのでしょうねぇ。
残念ながら討伐対象となってしまいましたが
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この世界のスターリンは何だか史実の様に権力握った後は生き残る為にも何でもやりまくって人間不信の極に落ちて行ったのとは別で、
多大なストレスを抱え込みつつも必死にソ連と言う国の立て直しと生き残りに駆けずり回り、武運拙く敗戦した時にも『終わってしまったか…
ならば、責任を果たさねばなるまいな』と従容と全ての責任背負って裁判に出廷する覚悟を見せつけそうな気がする
難い敵では有るけどこういう人間って判官贔屓が強くもある日本人大好きだよね
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>>849
確かに、東ロシア帝国が成立している時点でソ連へのカウンターは常時展開されているか。
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>>849
日英としても思想的に相容れないしトロツキーはタヒんでくれた方が後腐れないからねぇ
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なので、ある意味日英の手が届くところに来てくれるのならありがたく抹殺したい御仁ではあるのですよね>>トロツキー
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フランス崩壊後にフランス本国の半分位の領土を持ったトロツキー入り赤いフランスの成立ってあり得ますか?
ちょうど宗教に絶望を抱いていそうですし。
大戦は中立か、若干日英よりで。
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問題はトロツキーの政治主張が史実と同じなのかですな・・・
最後に残った知性派閥なら史実と同じ世界革命論でしょうけど
そうじゃなかった場合を考慮しなければ
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それは各国が許さないかと
フランスが適度に分裂して緩衝地帯になるならばOKでしょうが、一個の勢力が出来上がると将来的には面倒事になる可能性がありますから
あくまで地方軍閥程度ならば支援したりする可能性はありますが…聖女たちのことを考えると、軍閥を利用するのも忌避される可能性も
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量産型『聖女』が跋扈するカルト教団VS夢破れ都落ちした世界革命思想型共産主義者、ファイ!
どっちにしても日英が抹殺する事には変わらんけど後者の方が色々とマシになりますねホント(´・ω・`)
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成立できる可能性は十分あるかと。元々フランスにもパリコミューンという大規模な労働者コミューンがありましたし。
ただフランスにそんな共産国家が誕生すると英国とドイツとオランダとベルギーとスペインとイタリアとスウェーデンとノルウェー&デンマークが黙っていないよねという(全部王室持ち)
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安全な場所に逃げるのにフランスは無いと思う……
分裂前ならあり得るが、逃げる時期次第
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>>858
まさにマッポー的情勢…
聖女よ!寝ておられるのですか!!
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???「私はジャネットですから…聖女じゃありませんから…」
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史実トロツキー恐慌後にまずはトルコに逃げて、次にフランス、そしてメキシコだ
こっちだとフランスで逝きそう……丁度三国志めいたイベントやってるし
どっかのイベントでピッケルエンドじゃのぅ……
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>>863
こうなるとトロツキーの享年5〜10年近く早まりそうですねぇ。
ほんと、どこなら生き延びられんだ?
そんなところはないのかなぁ(無慈悲)
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北欧……?ソ連に近いから無理か>生き延びられる
スターリンならまぁ敏腕内政官として東に逃れたロシア王国に雇用される可能性ワンチャン有る気がしないでも無いですけど、
現実より理想を優先させる思想家はねぇ……
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