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△▼△アポロチョコ▲▽▲

917萌えるさすらい人さん:2004/02/04(水) 00:06
>907
shotgunningか、エロいなぁ・・・



はじめて煙草を吸ったのは、セカンダリーへ進むよりも前だったかもしれない。
誰かが兄貴のをくすねてきたマルボロのハーフパケットに、悪ガキ仲間と円陣組んでつっ立っていた。
晴れた運河沿いの冬風にあおられる、ジッポーの透明な炎。汚れたアノラックの袖口。
舌に触れたニコチンはとらえどころのない苦さで口の粘膜を痺れさせる、それだけのものだなと思った。
近所のドラッグストアの親父に見つかって、走り抜けた変電所の煉瓦塀。

そんなふうに、煙草も酒も、悪い遊びも、わりと早くに覚えてきた。

「…どうした?」
薄く傷痕のある上唇からゆっくりと煙草を指に挟んで、目の前の男が訊いた。
火口をぼんやりと見つめていた若い青年の瞳が、過去から現実に引き戻される。
目尻に皺をよせて慈しむように微笑みかける年上の男の、北欧人らしい青灰色の眼。
端正な唇の上に口髭をのばしている青年は、なぜだかひどく無防備な気がした。
すでに吸うのをやめた煙草だって、ませた悪ガキの火遊び、なんて後ろ指さされる年齢は
とうに過ぎたはずなのに。

――咎められたいのだろうか、ぼくは。

あるいはそれよりも、もっと…。

冬空の色を湛えた瞳が、悪戯っぽく問いかける。
「欲しい?」
男の指は柔らかく青年の唇をなぞりながら、枷を噛ませるように、有無をいわさない。
顎骨をこじ開けられたのが口惜しくて、ニコチンの匂いのする侵入者の指先を軽く噛んだ。
かすかに顰められた眉間。男が笑う。
奥歯をまさぐられると、指をつたって唾液がわずかに唇の端から漏れる。
歯列の間から差し込まれ、肺へゆっくりと流れ込む、甘やかな懲罰。
「…禁煙、したのに…」
抗議のつぶやきは口の端にぶら下がったフィルターを通って、空気に散っていく。
そっと顔を近づけた細い煙の中に男は、火遊び、ということの意味をはじめて知った
青年の不安な心臓の音を、吸っていた。



・・・なぞと妄想。お目汚しスマソ。


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