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ここだけ魔術のある世界堕天録
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参加する際の注意事項
・俺Tueeeeeeeeeeeや、厨設定、強さのインフレはほどほどに
・魔法は「魔元素設定」に沿った設定であることが望ましい
・『中の人の』安易な気持ちで人(自キャラ、NPC含む)を殺すな。死んだら生き返りません。
・鬱展開とシリアス展開は違います。ただし、↑と共に『キャラとして』相応しいなら問題はありません。
・場の空気は出来るだけ読もう。カオスな時もあります
・書きこむ前にリロードを
・描写はできるだけ丁寧に。認識のすれ違いを避けるためです。
・本スレの出来事は演技ですから恨まぬように、また演技に私怨を持ち込まない。
・眠い時は無理せず寝ましょう 健康を損ねないように
・多数対少数の場合は、少数の中の人たちのことも考えよう
・スルーされてもめげない
・一番重要なのは楽しませること、そして楽しむことです。
イベント、ストーリー展開に関する注意事項
・乱入されても泣かない。乱入が嫌なら先に断っておきましょう
・あまりにも無茶な振りをしない。されて困る事はしない
・次の日に持ち越す事も考えよう。
・単なる自己満足はほどほどに
・イベント発生場所に貴方のキャラクターが居る可能性がありますか?
・相手のキャラクターとの関係はどんなのですか?
・自分のキャラは何事にも首を突っ込むキャラですか?
・乱入する前にレスをしっかり読もう。
スレ立ては
>>900or>>950or>>980or>>1000
ざわ・・・・ざわ・・・
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>>前1000
「何処かが良くなれば必ず別の場所が悪くなるって、見習いの頃に教官に言われたものです」
「俺としては早くこうした貧富の差がなくなればなと思っていますが…まあ、貴族の俺がこんなこと言っても普通の人たちには嫌味に思われちまいますよね…だから騎士になったんですけど」
関係ない話しましたね、と言ってディアスはマクダインに頭を下げた。
「優しい心根なのですね、アトカティア親善大使は」
「…そろそろ、裏側の大通りに出ますよ」
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‐帝都‐
「さて…今日も何もないと良いんだがな…」
そうぼやきながら、帝都へとやってくる外来者が通る大きな門のあたりを警邏している若い騎士。
彼はアディン・バーネット。ディアス・フレデレックの部下だ。
指揮官であるディアスが別件で出払っているため、普段より多く見回りに時間を使っている。
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>>3
ふとアディンが門のほうを見ると、
「……どうしよ」
ローブの上からマントを羽織った女性が一人、
困ったように門の向こうでたたずんでいた。
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>>3
「ええと……」
地図を片手に、困った様子で街を歩いている男がいる。
見た目から推測すると、東方出身の男で、
最近街に住むようになったが、目的の場所がわからず彷徨っているといったところだろう。
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>>4-5
「おろろ…隊長のいない時に…」
クルス「ぼやいても仕方ないだろ、俺もいるし分けて対応しようぜ」
と、近くにいた同僚の騎士、クルスが口をはさむ。小柄な若者だ。
>>4
「どうかしましたか?見たところ旅のお方のようですが」
困った様子の女性に近づいたのはアディン。女性から見た彼は若い男の騎士、という印象以外は特に何もないだろう。
強いて言うなら、ディアス隊の特徴なのか、人当たりはよさそうだ。
>>5
クルス「何かお困りですかい。旦那」
男よりも背の低い若者の騎士が、声をかけてきた。
街を守る騎士なら地理にも明るいだろう。
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>>6
近づいてみると……
「えー、明日は午後から講義で……あっ、レストランは地図の大通りを真っ直ぐ行って……わっ!」
明日の予定を気にしながら地図を読むという、なんとも器用というか、非効率なことをしていた。
忙しい人物なのかもしれない。
「あー、ええと……現在地って、この地図で言うとどこでしょうか……?」
驚きなのは、現在地すらわかっていなかったこと。
そして、クルスが見せられた地図は帝都の地図ではなく、見知らぬ土地の地図であるということ。
色々抜けた男であることがわかった。
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>>3-6
そんな人々の中
ミイラが徘徊していた。
ミイラ「返事がない。ただの屍の様だ」
-
>>6
「あっ、いいところに」
(確かこの格好のは騎士とか言うやつだったっけ。
敵じゃないなら割と親切なだとかなんとか)
門の外側―それも、見えぬ結界のある向こう側で、アディンを見つけて表情が変わる女性。
「ええと、帝都はここでいいんですよね?」
女性はボサボサの銀髪に一房だけはねている黒髪、ローブもマントも薄汚れてほつれている。
長旅でもしてきたのだろうか、そういう印象を受けるりりしい顔立ちだ。
歳は20代中頃か。
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>>7
クルス「…旦那、悪いけど俺も見たことない土地の地図を頼りに帝都の案内はできねぇn……」
あきれた様子で地図が間違ってることを指摘すると、自分のコトを屍と…正しいのだが、自分のコトを屍と呼ぶミイラに眼を丸くした。
>>8
クルス「ちょ、なんだお前!?」
>>9
アディン「はい、ここは間違いなく帝都ですよ」
結界の向こう側、ということに意識は向いていないアディンはその言葉に頷いた。
アディン「ここを抜ければもう繁華街ですが、何かお困りで?」
(お、カッコ良美人なお姉さんだな…隊長だったら案内するって言って業務中にデートに持ち込んだりして)
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>>10
ミイラ「返事がない。ただの屍の様だ」
どうやらミイラだ。
ミイラというか動く死体というか
これは放置しておいても徘徊しているだけのようで
今のところ害はないようだ。
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>>8,10-11
「え?……あっ!コレじゃない!!でも私お腹すいてて早く何か食べなきゃ体力が持たないし、そのあとは学校の先生とうち合わギャー!!!」
色々支離滅裂なことを言ったあげくミイラに対して悲鳴をあげる。
「さ、流石トラブルの絶えない街……噂どおりですねえ」
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>>10
「ですよねえ。うーん、おっかしいなー」
ただ、そんな彼女のいでたちをよく見ると何か違和感がある。
マントもローブも、体格にあっていないのだ。男物を無理に着ているようだ。
さらに言えば、両腕はマントの中に隠したまま。
両足は引きずりそうなローブにすべて隠れている。
「なぜかここから入れないんです」
アディンの脳裏に、女王の結界の存在が浮かび上がったなら、
その言葉が意味するものはすぐにわかるだろう。
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>>11-12
クルス「が、害がないなら無視しても良いのか…しかしなんであんなミイラが帝都内に…?
ま…まあ良いか…まあとにかく旦那も落ち着いて、結局どこに行きたいんですかい?」
>>13
アディン「…」
女性の服装に違和感を覚え、さらにここになぜか入れないという発言に思い当たる節が一つだけある。
しかし、そんなまさか…と思いながらアディンは恐る恐る聞いてみることに、した。
アディン「き、気分悪くしたらすみませんけど、あの……貴女、もしかして…高位の魔物…とか、だった…り?」
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>>12-14
洪の叫び声に反応し
ミイラ「成仏」
ぶわっと塵になって風に乗って消滅していった。
謎の存在は謎のまま成仏した。
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>>14
「魔物!? 私が?」
意外な事を聞かれて驚きの表情を見せる。
(迂闊だった……そういえば帝都には帝国の女王が結界を張っている噂が……。
彼は普通に通れるからって油断してた)
「魔物……なんでしょうかねぇ?」
とぼけてみることにした。
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>>14-15
「えっ?いいんですか?いやでも私も行きたいところがあるし……そ、そうだ、落ち着こう!!」
深呼吸をする。
「お腹がすいているけど所持金が少ないので、安いレストランに行きたいです。でも、この後は人と会う約束もしてるので食べている時間があるかどうかというと微妙だけど空腹が…………」
全然落ち着いていなかった。
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>>16
「いや、俺に聞かれてしまっても……」
困った様子のアディン。
「…自覚のない先祖帰りな魔族とか、いろいろありますけど…失礼ですが、帝都には何の御用で?」
しかしアディンの表情がややこわばる。ちゃんとコミュニケーションが取れているとはいえ、結界に阻まれる存在に心中穏やかではない様子だ。
>>17
クルス「落ち着いて落ち着いて旦那、それなら良い出店しってるんで案内しましょうk…ってアイツ何手間取ってんだ?」
と、クルスはチラっと門の方で対応している相棒に視線を向けていた。
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>>18
「助けに行ってはいかがでしょう?私、さほど急な用事ではないし待っていますよ。あ、急じゃないとは言ってもほんの数分ならということですが……」
と、進言する。
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>>18
「自覚のない先祖がえりって……それって大変でしょうねぇ」
(それって彼のこと? あ、彼は自覚してたっけ)
「人に会いに来たんです。女を待たせるなんて男として最低だと思いません?」
どうやら恋人に会いに来たらしいが……
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>>19
クルス「つまりあんまり時間はない、と。分りましたよ旦那、すぐに片づけてきまさあ」
そう言って背の低い騎士はアディンの方へと駈けて言った。
>>20
「まあそういう人たちの殆どは実害ないんですけどね…けど通れないのは俺の力じゃどうにもならねぇし…
待ちぼうけですか、ってことは身内が帝都の人なら手続きみたいなのが通ってるかもしれないですね」
クルス「どうした?」
少し離れたところで市民に対応してきた騎士が様子を見かねて近づいてきた。
「あ、いや…実はかくかくじかじかで」
クルス「何ぃ…」
背の低い騎士はいぶかしげに女性を観た。
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>>21
「はい、いってらっしゃい」
笑顔で見送るも、アディンや女性たちが見える位置で様子を伺っている。
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>>21
「手続きなんてしてるかなぁ……してればいいけど」
そこにクルスが近づいてきた。
彼が向ける視線が好意とは思えない。
「あの、何か問題でも?」
さらにとぼけた表情を重ねるほど器用ではないため、表情が軽く引きつる。
>>22
見たところ普通の女性が、なにやら門前でトラブルに見舞われたようにしか見えない。
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>>22-23
「おいクルス…迎えが来る話なんだからそんな…」
クルス「おっと、こいつは失礼しました。職業柄、結界を越えられない奴を睨むなってのが無理な話なんで」
「すみませんね、悪気はないので…」
しかし迎えが来るにしても遅すぎる。彼女が結界を通れない事情を知らないわけでもあるまい。
…いや、もしかして知らないのか?
「…ここにいても埒明かないと思うんですがどうしますか?もし来なかったら…外の村で待機します?」
クルス「迎えが来るってんならそれが一番無難かもなあ…」
?「おい、門の前で何をごちゃごちゃとやっている」
と、突然高圧的な物言いが後ろから聞こえてきた。
アディン達はうわっと表情を歪めている。どうやら歓迎されない相手のようだ。
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>>24
「ま、まあそうですよねぇ。
外の村? ああ、道中に見えたあの村なら……
(彼が知らないわけないし)」
内心胸をなでおろしたのも束の間、
(流石にまずい……)
まさか会った顔ではないだろうかと、次なる騎士の姿を見る。
(この前に棲家に来た奴じゃないでしょうね……?)
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--路地裏--
「お?」
新聞が飛んで来ましたよ。
「何々? ほう、ハーピーに対する討伐隊……続きはないのか?」
破れてますねえ。
「まあ、俺様には関係ないがな」
帝都から一歩も出ませんしね。
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>>25
アディン「ベルケックス隊長殿……」
クルス(あーあ…嫌な奴に会っちまったよ…)
クルスは小さい声でぼそりと悪口を言う。
新たに現れた男の名はドルクス・ベルケックス。騎士団の部隊長の一人で剣の腕や指揮も相応の実力を持っている。
しかし暴力主義にも見える強引な振る舞いは騎士団の中でもあまり評判は良くない。が、実績も腕もあるので強く文句も苦情も言えない相手という厄介な存在だ。
最近では>>26にも出てるハーピーの討伐隊にも関わっている。
ベルケックス「ディアスのところの無能どもが、何を手間取っている?そんな小汚い旅人、さっさと入れるなり追い返すなりしたらどうだ?こっちは魔物討伐の任が滞っていて面倒なことになってるんだよ」
クルス「ベルケックス隊長殿が指揮を取られてるハーピーの討伐っすか?…あれそんなに大部隊必要なんですか?」
ベルケックス「黙れ!…まったく、カイザーのせいで生意気な下級兵士が増えて困るわ」
また、数少ないカイザーを批判する人物でもある。噂ではキャリアも年齢も近いから嫉妬だと言われている。
ベルケックス「まあ…あんな煩いだけの鳥、すぐにでも狩りつくしてやるさ」
アディン(数減らすか脅して近隣に来なくするだけって話なのに、この人は…)
アディン「…あ、すみませんほったらかしにして。とりあえず村でお待ちいただくのが一番かと…」
と、女性の方へ視線を向けた。
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>>27
ベルケックスの物言いに、明らかに女性は気分を害したようだ。
小汚い旅人と言われれば誰でも……と、思うだろう。
が、
「すぐにでも狩り尽くす?」
その言葉と共に見返したその目は、まるで鷹のように鋭くなっていた。
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>>28
「え、えぇ…!?」
突然の女性の変貌に驚くアディンとクルス。しかし後から来たベルケックスは不遜な態度を改めることはしない。
ベルケックス「何だ貴様、文句でもあるのか?魔物は人の害にしかならん、それを狩って何が悪い?
それに、俺も剣の腕を錆びさせるわけにはいかんのでな…ハーピーは手ごたえも人に近いから感覚が鈍らんですむ」
クルス「最ッ低だな…(ボソッ」
「ベルケックス隊長、旅の人にからまんで下さい…!」
ベルケックス「フン!…それで、何故貴様らはココでちんたらとしていたんだ?」
「そ、それは…」
ベルケックスの性格を考えてか、女性が結界を通れないということを言うことをためらうアディン。
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>>29
「確かにね。けど―」
ローブの裾が動く。
「魔物にしてみれば人間は獲物。それを狩って何が悪いのでしょうね?」
アディンの沈黙は、女性の反論によって意味を成さなくなった。
「ねえ、弱いくせに威張ってる人間さん!?」
その言葉と共に激しくローブの裾が舞う。
足元の石を蹴りとばしたのだ。狙いは無論、ベルケックス。
ただの石なら結界を通過するだろう―そう彼女は考えたのだ。
振り上げられて見えた脚は、人ではなく猛禽のもの。
その勢いが風を起こし、マントを広げる。
その下に腕はなく……ただ折りたたまれた翼があった。
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>>30
「なっ……!?」
ベルケックス「ぐお!?」
驚きの声をあげるアディン、あっけにとられるクルス。そして蹴り飛ばされた石が顔に直撃するベルケックス。
突然のコトに対応できず、顔を抑えてうずくまる
アディン「ハ…ハーピィ!?」
クルス「意志疎通できるなんて思わなかったぜ…」
ベルケックス「ぬ、ぐぅ…畜生風情が俺の顔によくも……!!」
額から血を流しながら、ベルケックスは怒りに震えて腰に収められていた剣を引き抜いた。
その行いに周りにいた者たちが騒然とする。
ベルケックス「人のフリをして帝都に入り込むなんて浅知恵で何を企んだか知らんが、ここでぶち殺してくれる!!」
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>>31
「知らないの? 太古の昔、ハーピーは神のしもべだった話を」
一説にはそういわれるが、現在の大半のハーピーはただ食料を食い荒らし、
人間を遊び半分に殺したり、人間を浚うこともある害鳥とみなされている。
そして事実その通りなのだ。
「知性を備えているのが自分達だけだとか思い上がりも甚だしいんじゃない!?」
もはや素性を隠す必要はないと判断したのか、その翼を広げマントを取り去った。
そして、周囲に響く甲高いハーピーの鳴き声。
「受けて立ってあげる。
君がこのアエロひとり倒せない程の男だったら、
ひとかけらの魅力もなければ私たちを狩りつくす力量もないただのおもちゃ。
そんなのがヘッドの群れ、相手したって何も面白くないだろうし。
ここで試させて?」
結界の外で誘う。
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>>32
「…」
アディンもクルスも息を飲みながら腰に下げられた剣に手を添えた。
アディンとしては彼女がこのまま旅人のフリをしてくれれば事を構えるつもりもなかったのだが、この状況では致し方ない
が、この中で最も頭に血が上っているのはベルケックスの方であった。
ベルケックス「よくも吠えたな雌鳥が!!
生け捕りなんていう温情が与えられると思うなよ!?ズタズタに引き裂いてそのブザマな死体を晒してやるわ!」
剣を構えたまま、ベルケックスはうなり声を出しながら術式を編み出した。
すると鎧ごしに鍛えられてると分かる彼の身体が、一回り大きく膨れ上がったのだ。
シンプルな肉体強化の魔術を取得してるようだ。
ベルケックス「トロルすら片手で潰し殺してやった俺に、貴様なんぞが勝てると思うなよ!?」
そして巨体ながら筋力から来る瞬発力で素早く動くと、アエロへ向かって握られた剣を振りおろしてきた。
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>>33
「君こそ、衆人環視の中で惨めな姿を晒せば?
そしてもう二度と楯突こうなんて……!」
挑発を掛けながらも、しっかりとその動きを見ていたアエロ。
強靭な脚で、剣より早く跳び下がる。
「思わないことね! ―!」
短い鳴き声。それは彼女らの魔術呪文。
小石など容易く弾き飛ばす疾風が騎士らを襲う。
―両者の間に横たわる結界が、その風を通すならば。だが
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『あの声……アイツだね……』
「あらぁ? お知り合いなんですか?」
『まあね。アイツらとはよくシマ争いした仲さ。
別にどうなろうと知ったこっちゃないけど、
帝都で騒ぎ起こすのはまずいんじゃないのかねえ……悪いけど』
「いいですよ〜。このままじゃあ私たちも通れないですし」
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>>34
「ぬうっ!?」
剣を前に構えて疾風を受けるベルケックス。結界の外に飛び出したため、彼だけは直接的な防御手段に出る。
そして風に吹き飛ばされた石をあわてて避けるアディン達。
アディン「ちょ、二人とも止めろって!周りの被害考えた方が…」
クルス「本心じゃハーピーを応援しいたいけど、黙ってねぇと俺達まで彼女と戦うことになるぞアディン」
「フン、この程度!!」
疾風をやりすごすとベルケックスは強化された身体能力で距離を詰め、まだ地上にいるアエロの翼に掴みかかる。
細いハーピーなど、力ずくで抑え込めば後は首を撥ねるだけ。彼はそう考えているのだ。
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>>36
(もらった!)
距離を詰めてくるベルケックスを見据え、アエロは内心でほくそえんだ。
ベルケックスの進路真正面に、猛禽の鉤爪を持つ脚を高速で突き出す。
翼は隠すように背中の真後ろへ伸ばした上で、だ。
もしベルケックスがそのまま突っ込んでくるなら、
群集からは自ら蹴られに行ったようにしか見えないだろう。
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>>37
クルス(決まるか!?)
しかしベルケックスは意外にも対応力を見せた。
突きだされた脚を、なんと空手となっていた左腕で掴んでしまったのだ
「俺はなぁっ!!無能な若造どもとはぁぁぁっ!!!違うんだよォォォッ!!」
そう怒鳴りながら、ベルケックスは脚を掴んだままその身を捻り、アエロを真横に投げ飛ばしてしまった。
上空に投げればすぐに羽を広げて態勢を立てなおされてしまうからだろう。
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>>38
「きゃっ!?」
完全に油断していたのか、容易く投げられ地面に倒れこむアエロ。
ハーピーに腕はない。よって、真横に地面へと投げ出されれば踏みとどまるのも立て直すのも困難だ。
「やるじゃない……!」
立て直そうとはせず、そのまま鳴き声を上げようとする。
恐らく、ベルケックスも次の一撃を加えるため動いているのだろう。
と―
突如、二条の閃光が地面伝いに走り、それぞれベルケックスとアエロに電撃を喰らわせた。
それはダメージとしては軽微だが、
一時的に動きを封じ、かつ視界を奪うには十分な衝撃と稲光だ。
思わず目を伏せるアエロ。
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>>39
「ぬぐあっ!?」
突然の電撃に膝をつく。
「あ、新手か!?ど、どこに!?」
そしてやや焦りを見せながら周囲を見回す。ルクスやアディンも電撃の出所に気付けなかった。
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>>40
稲光が消え去り、視界が回復するとその向こう側にハーピーの姿はなかった。
周囲を見回しても自身のほかに影はない。
新手にしては、追撃が来ないのが奇妙である。
一方―
「誰!? こんなこt」
アエロは、稲光の中で何者かに茂みへと引きずりこまれていた。
「いいから黙ってな。人間が帰るまではね」
近くにいる小動物の影が静かな声でアエロを抑える。
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ベルケックス「逃げた……のか…!?」
奇妙で、不審な行動に疑問を感じずにはいられないベルケックス。
ようやく痺れが抜けて立ち上がると、いらだった様子で周囲を見渡していた。
ベルケックス「クソ…討伐もそうだがこのあたりの取り締まりも強化すべきか…!!俺は本部に戻るぞ!?貴様らディアス隊の無能っぷりもしっかり抗議しておいてやるからな!!」
剣を鞘におさめ、吐き捨てるように叫ぶとベルケックスはその場からずんずん去って行った。
残されたアディンやルクスはトホホと言った様子で肩をすくめると、周囲の民や旅人にわびを入れて警備に戻るのだった。
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ベルケックスらが去っていくのを見届け、アエロは茂みから身を出した。
「……どういう風の吹き回しよ? 雷獣」
ルシア「あんなところでドンパチやられちゃ、アタシらが通れないじゃないか」
続いて出てきたのは、トパーズ色の体毛を持つイタチ、いや、雷獣。
その毛並みが風にそよぐ。
「ああそう。君の邪魔さえなければあの人間を引き裂いてやれたのに」
不満たらたらの風で雷獣へ言い返す。
ルシア「あっはっは! 人間のほうも今頃同じこと言ってるよ!
そして仲良く共倒れ、ってね。こっちとしては大もうけだけど」
「雷獣の分際で……」
ルシア「アンタこそ、ハーピーの分際で」
しばし睨みあう。
やがて。
ルシア「これに懲りたら、さっさと巣に帰るんだね」
そういって去ろうとする雷獣。
「……待って」
その背を、ハーピーが呼び止めた。
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アエロが去った後……。
雷獣は茶髪をなびかせる人間の女性へと姿を変え、
その身から霊体となって抜け出てきた。
『こんなことにつき合わせて悪かったね、フィリス』
「そんなに気にしなくてもいいんですよ〜ルシアさん」
『……さん付けはしなくていいって言ってるじゃないか。
それにしてもあのハーピー、面倒なこと押し付けて何様のつもりだい』
「でも、ステキなことですよ〜好きな人に会いに来たなんて」
『そうかねえ? 人間とアタシらじゃ価値観も何もかもが違うんだ。
ああなるのは解り切った事だというのに……全くバカじゃないのかい』
「……確かにわたしも、ちょっと怖かったです」
『そうだろ? そんなもんさね』
「けど、わたしとルシアさんはずっと一緒にいるじゃないですか」
『……アタシはもう死んでるからさ』
「でも雷獣さんでしょう?」
『……まあ、ねえ』
「あのハーピーさんも、こんなふうになれるといいですね」
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洪「これからレストランに行きたくて……あっ!そういえば、あなた方も騎士さんですか!いやー、私は昨日もお世話になりましてね。
色々お忙しいようでしたから途中で失礼したんですけれども……いやぁ、私も騎士の皆さんのように、人々のお役に立つような仕事がしたいですねぇ。
お二人はどういうお考えで騎士の道をお進みになられたのですか?あっとごめんなさい、レストランでしたね!ああっ!この地図じゃない!帝都の地図はどこだー!?」
騎士T「まずは落ち着いて!そこに街の案内板があるから!」
ミーナ「まずはレストランの行き方を調べて、その他個人的なことで話があるようなら我々の詰所に来るが良い……」
マシンガントークで話題があっちこっちに行ってしまう洪を相手にして手を焼く二人であった。
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A「ああー!神様!どうかこの貧乏で不幸なごろつきに多大なる富をお与えくださいませー!!」
B「私は、神だ」
A「えっ!?ど、どちら様……」
B「お前に、富と力を与えよう。全ての神よ、全ての生命よ。彼に富と力を与えたまえ」
A「えっ、あなた……うっ、わ、わわわわわ!力がわいて来た!財布もどんどん厚なってきた!私だ……」
B「お前だったのか」
A「暇を持て余した」
B「神々の」
A・B「「遊び」」
-
>>2
路地を抜けるとそこには先程までの華やかな都からは一転、張り詰めた空気が立ち込めていた。
数人の騎士――ディアスの隊とは別の隊が一応の秩序は維持しているもの、
彼らは淡々と自分の業務をこなしているだけであり、この地区の治安を改善させようという意思は見られなかった。
「アトカティア様はここに居られる筈ですが……」
-
>>47
(…やっぱ、ここの持ち場変わってもらった方が良いか…隊が一つ気張っても仕方ないけど、何もしないよりは…)
と、張りつめた嫌な空気を醸し出す周囲の雰囲気に憂いを浮かべながら思案する。
すると、マクダインが口を開いた。
「このあたりに?といってもこの区画はそこそこ広いですから、目の前にぽんと姿が見えるなんてことは…」
-
とある村
少年「おじさーん!おじさんのいう『さんたさん』はどんなひとなのー?」
ショウ「フォッフォ……サンタさんは、君がサンタさんだと思った人がそうなんだよ……。君には、君だけのサンタさんが、あの子にはあの子だけのサンタさんがおるのだ」
少年「へーえ!(何言ってんのこのおっさんwwwwwwwwwww)」
ショウ「フォッフォ……(何やってんの俺マジ)」
-
―ガルディアに向かう途中―
「西大陸は移動するだけでも観光になるな……ハマト砦跡地、か」
砦としての部分が殆ど残っていない、瓦礫と鉄、そして何かで生まれた穴ぼこのみが広がる景色。
「……景色の観光が元戦地ってのがちょっと微妙だが…」
-
>>48
「ええ、ですから手探りで捜さねばなりませんね
念のため持参した此れが役立てば良いのですが……」
そう言って、マクダインは懐から茶色い封筒を取り出した。
その中には、スラムの住人では到底手に入らないほどの札束が入っていた。
もちろん、帝国圏で一般的に流通している共通通貨である。
「さて、ここからは二手に分かれたいと思うのですが……いかがでしょうか?」
【選択肢】
1 マクダインの提案通り、二手に分かれて捜索する
2 いくら巡回の騎士がいるとはいえ一人は危ない、一緒に行動しようと進言する
-
>>51
ニア1
「それは構いませんが…本当に一人で大丈夫なんですか?」
出会った時から、素人とは思えない佇まいを感じていたディアス。
自ら二手に分かれることを提案したのなら、それなりの手段は持っているのだろう。
「もし良かったらこれを持ってってください、騎士同士が緊急で呼び出しあう時の笛です」
そう言って、懐から木製の小さな笛を差し出した。
「この区画内なら、おそらくは聞き逃すことは無いと思いますから、思いっきり吹いてくれりゃ駈けつけます」
-
>>52
心配そうに聞くディアスに対して、マクダインは屈託無い笑みを浮かべ、言った。
「こう見えても私(わたくし)、今の官職を務める前はある小国の王宮魔導士だったのです。
ですので自衛手段はごまんと心得ております故、大丈夫でございますよ」
意外や意外、この男、ディアスよりもガタイが良いというのに、過去に王宮魔導士だったという…。
「ありがとうございます、有難く使わせて頂きます。
では今から一時間後、進展に関わらずまたこの場所で落ち合いましょう」
ディアスから笛を受け取ると、マクダインはスラムの中に消えていった。
ディアスの見える範囲には現在、地区担当の騎士達、地べたにシートを敷いて寝転んでいる貧民たち、それからいくつかのボロ屋が立ち並んでいる。
さて、どうしようか?
-
>>53
まさか、そんな経歴だったとは意外すぎる話だ。
マクダインを見送るとディアスはあたりを見回しながら、とりあえず歩き出した。
担当の騎士たちの殆どはディアスよりも階級は低い。ディアスを観かければ何かしら反応があるだろう。
「さて、どこから手をつけたものか…」
自分もとりあえず、スラムの人が集まりそうな奥の路地や、広い場所をあたる事にした。
-
>>54
「あれ?もしかしてディアスさんじゃないですか?」
ディアスがスラム街の散策を続けていると、聞き覚えのある声がした。
声のした方向を振り向いてみると、
その声の主はディアスと同じ騎士団に所属するショボン――いや、現在は内藤武運、通称ブーンの隊の一員であるドクオであった。
('A`)「どうしたんですか、こんなところに」
ディアスからするとお前がどうした、と言う場所での遭遇だが……。
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>>55
「ドクオじゃないか」
ディアスも意外そうな顔をしてドクオと対面した。まさかこんな所で会うとは思わなかったのだ。
「今日の警邏、お前らの持ち場なのかここ?」
ディアスは一瞬思考する。今回の話をして良いものか、と
とりあえず当たり障りない質問をしてみる。
「実は貴族の迷子を捜していてな、迷子さんの執事と二手に分かれてスラムを見て回ってるんだ」
「それらしい人、見かけなかったか?」
-
>>56
('A`;)「えっ…あ……あ、はい、そうなんですよ。俺達の隊も協力してくれって事で」
ドクオが一瞬うろたえた。
思考が顔に出やすい人物というのは何処にでもいるが、ドクオもまさにその人であり、
何か人には言い辛い秘密を現在進行形で隠し持っている……ということが容易に計り知れた。
('A`;)「って、きゅ、貴族の娘!?」
-
>>57
「・・・なあ、ドクオ・・・」
こうもあからさまな反応をされては疑うしかあるまい
「お前さ、今何を隠してる?言ってみ?ん?」
ぐいっと肩に腕を回してヘッドロックのような姿勢でドクオに『聞く』ディアス。
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>>58
('A`;)「い、いや隠し事なんて……うっ…えと…………実は――――」
ディアスの押しに負け、ドクオは遂に口を開いてしまった。
“此処、帝都で新種の薬物が売買されている可能性”
“そしてその売人がこのスラム街に潜んでいる可能性”
“真相を突き止める為に自分が任務を請け負ったこと”
等々、全てべらべらディアスに告白した。
('A`;)「――と言う事なんです。
もしかするとディアスさんの探している貴族の娘さんは……」
件の薬物を購入しに来ているのでは、とドクオが言いかけて、口を塞ぐ。
それにしても何でこの人選なのだろうか……。
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>>59
ドクオとて帝国騎士の一人、こういった任務を宛がわれないわけがない。
しかしまあ、この人員選びにほんのちょっぴりの不安を感じないわけではないのだが…。
「なるほどな、そいつは無理に喋らせちまって悪い事をしたな」
(しかし違法薬物か……でも親善大使殿がわざわざ火遊びのために抜け出したってのか?あんな話まで聞かされておいて…)
ヘッドロックの姿勢のまま思案するディアス。しかし行きつく答えはどれも憶測ばかりだ。
「この件は俺の胸の中にしまっとく、ドクオはドクオで調査を続けてくれや」
そう言って、ドクオを解放した。
「俺も俺で娘さんを探すよ、悪い薬に手を出される前に保護しとかないとな」
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>>60
('A`)「おkです、ディアスさんの方でも何か掴んだら是非教えてくださいよ」
そう言って、ディアスを見送ろうとしたところで、ドクオがふと何かを思い出したのか、口を開きなおした。
('∀`)「そういえば、関係無い話なんですが。
さっきキレイな目をした女の子を見かけましたよ、アメジストみたいな色で……」
マクダインから聞いた話では、アトカティアは“髪色はプラチナブロンドで、瞳の色は紫色”だという。
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>>61
「……!」
まさかのところから情報が飛び出てディアスは驚いて振り返った
「ドクオ、それ何処で見た!?」
早計かもしれないが、こんなスラム街で"綺麗な眼をした女の子"というのは稀だ。
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>>62
('A`;)「ええっ!? ま、まさか……」
ドクオが素っ頓狂な声を上げ、驚きを露にする。
自分がたまたま見かけた少女が貴族の娘(実際は違うが)だとは思っても見なかったらしい。
('A`;)「た、確か、あっちの方に向かっていったと思います。あ、一緒に行った方がいいですか?」
ドクオが指差したのはスラム街の奥地が位置する方向だ。
数年前、違法な研究をしていた魔術師が摘発される事例が起こるなど、帝国の目から隠れる犯罪者が多く潜んでいるという。
しかし行かないわけにもいかないだろう。
【選択肢】
鄯 躊躇している暇はない、一人でドクオの示した方向に向かう
鄱 先ほど別れたマクダインを探し、共に向かう
鄴 居ないより良い、ドクオを連れていく
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>>50
「ハマト砦というと、確か魔道大戦の激戦地のひとつでしたよね。
後の大陸五賢者の方々の名前が初めて大戦史に出たのもここだとか……」
『へー。って、いつの間にんなこと調べてたんだよ?』
「……仕事中にちょっと立ち読みしてたんだ」
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「はい!はい!!」
詰所前で感謝の正拳突き。
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「立ちションで三日間拘束とかねーわ・・・」
と注意した騎士を五人ほど病院送りにした本人がぼやいています。
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「素振りたのしー!」
淡々と素振り。
-
--帝都近郊・ハーピーの巣--
「やっぱり音沙汰なしね……。雷獣なんかに頼むんじゃなかったわ」
不機嫌そうにぼやいている。
ハーピーA「あんたね……。勝手に人間どもをつついておいてそれ?
他に気にすることあるんじゃないの」
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>>68
アエロがぼやき、仲間が彼女の行動を指摘した頃だった。
ハーピーならば察知したり、あるいは鷹の如き眼で捉えることが出来るだろうか?
5人編成で周囲を警戒しながら行進する騎士達の姿があった。
そのうちの二人は、アエロも見覚えがあるだろう。
結界で帝都の中に入れなかった時、比較的親切に接してくれた人間達だ。
年若い茶髪の騎士と、背の低い騎士だ。
乱暴な物言いで魔物やハーピーを畜生風情と罵ったドルクス・ベルケックスの姿は見えない。
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>>69
まず気付いたのは群れの中でも特に勘のいい仲間だった。
ハーピーA「ほら、早速来たんじゃないの」
その声につられるように騎士等を見る。
ハーピーB「たった5匹じゃ通りすがりでしょ。よーし、遊びに行っちゃお♪」
ハーピーC「ちょっとアタシが先! 最近ヒマだったんだからあ!」
血気盛んな2人が騎士等を狙い、巣から飛び立った。
「……なんか見た顔があるわね」
アエロもそれを追う様に飛び立つ。
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>>70
クレイス「…来たな、少数で接近した甲斐があったというものだ」
ベテランであろう中年の騎士が落ち着いた様子で鞘に納まっている剣に手をかける。
そして、茶髪の騎士がハーピー達を凝視して、アエロを見つけると両手を振って止まるように呼び掛けた。
アディン「待てハーピー達!!俺達の言葉が分かるんだろ?止まれ!戦う意思はない!」
果たしてこの呼びかけに応じるだろうか?
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>>71
アエロを見つけるのにそう苦労はしなかっただろう。
なぜなら、彼女だけ黒髪交じりなのだから。
C「なんか言ってるけど?」
B「そんなの知らなーい♪」
C「だよね! ほらほらこっちー!」
呼びかけなど無視して1人は正面から、もう1人は背後に回った上で
騎士等の頭上から襲い掛かる。
アエロ「君はこないだの騎士ね。
戦う気がないなら帰ったほうがいいわ。私あの子たち止める気ないし」
一応答えるが、既にその脚に魔力を伝わらせ始めているアエロ。
間違っても話し合うつもりはないようだ
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クレイス「やはりこうなるか、仕方ないがやるぞ」
中年の騎士は素早く剣を抜くと、背後に回ったハーピーの一撃を受け止める
正面から来たハーピーには、5人の騎士の中で一番大柄な男が手にした斧の柄で防御した。
アディン「やっぱ無理なのかよ、くそ!」
仕方なく剣を抜き、応戦する構えを見せる。
ルクス「無力化させるしか…あるまい!」
小柄な騎士が懐から幾つも短剣を取り出してハーピー達の羽を狙って投げつける。
バチバチと放電してる事から雷属性のエンチャントが施されてるのだろう。
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>>73
>>72
安価ミス申し訳ない
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>>73
B「おっさん速ーい♪」
クレイスに止められたハーピーはそのまま剣を蹴飛ばしつつ宙返り。
さらに間合いを詰めつつ、かつ上昇しつつ頭を狙う。
C「防いだつもりだった!? 無理無理!」
もう1人は斧の柄を片足で掴むと、もう片足で回し蹴りを放つ。
「させないわ」
仲間たちのさらに上空から、魔力を込めた両脚を振るうアエロ。
その軌道から投げられた短剣目掛けて突風が押し寄せる。
風で叩き落す気だ。
ただ……
C「何するのよ!」
仲間にも風の余波がある。
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>>75
クレイス「口ぶりがうちのと同じ年頃の娘みたいでやり辛ぇな…!」
蹴飛ばされた剣を放さぬようしっかり握り、一歩後退するクレイス。
頭を狙った脚の攻撃に対し、腕に身につけられた鉄の籠手を差し出して身を守る。
巨漢の騎士…ゴールドはハーピーの素早い回し蹴りを受けて顔をしかめる。
身体の頑丈さが売りなのか、どっしりとその場から動かずに斧の柄の部分でハーピーに殴りかかる。
ルクス「くそ、あの風のせいで俺の攻撃が無意味だ…!ブリット!」
小柄な騎士が、5人の中で一番年若そうな騎士に指示を出す。ブリットと呼ばれた騎士は何かを空中に投げ放った。
アエロや他のハーピーから見れば、それはただの真っ黒い石にしか見えない。
アディン(味方もわざと巻き込んだのか?いや、どっちが本心なんだよ!)
飛べない身なのでハーピー達を迎撃する姿勢のままのアディン。
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>>76
「自慢の羽に傷がつくところだったわよ」
C「だったら巻き込まないでよっ! っと、しぶとい!」
さらに追撃しようとしていたが、正面からではきついと思ったか、
咄嗟に羽を広げてゴールドから距離を取る。
B「こっちからじゃ疲れるかも♪ それじゃあ……」
防御のために翳されたクレイスの篭手を踏みつけるように飛び上がり、
方向を急転換させてアディンを狙いに行く。
アエロはというと、ブリットのほうへと急降下して突っ込んでくる。
「(何をするつもりかしら?)」
仲間は気付いていないようだが、アエロはその黒い石の軌道を見ていた。
高速で降下しながら見事にかわしてくる
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>>77
ゴールド「速い奴は…苦手だ…」
どっしりした構えでハーピーを見据えるゴールド。
たとえ刃の部分でなくともあの斧で殴られればただでは済まないだろう。
クレイス「アディン!行ったぞ!!」
アディン「この!守ってばかりじゃ…ないんだよ!」
向かってきたハーピーBに応じるように、剣を縦に振るうアディン。
狙いは胴や頭ではなく、やはり羽のようだ。
ブリット「おわ!く、来るなー!!」
急降下してきたアエロに驚き、人にしては驚くべき走り出しで距離を取る為逃げるブリット。
そしてそのブリットをフォローするようにルクスが再びエンチャント付きの短剣を投げつけてきた。
黒い石は頂点にたどり着くとピシリと音を立ててひび割れる。
そして
ピィィィィィィィィィィィイ!!!!
と、甲高い音…いや、もはや音波と呼ぶべき現象を起こした。
耳障りな音がハーピー達に頭痛に似た苦痛を与えてくる!
-
>>78
C「自分で言っちゃうんだ! それじゃあ……」
Cの周囲に魔力が集い始める。結構な量だ、放たれると厄介かもしれない。
B「羽には触らせてあげなーい♪」
下手をすれば落ちるとわかっているのかいないのか、
剣が迫り来た側の羽をたたむB。
アエロの速度は落ちない。
そのままの速度で身体をひねり、短剣をかわす。
さらに身体を傾け、ブリットを含めた周囲全体を蹴りつけるように脚を振いかけたその時。
B「いやあああああああ!」
C「何コレ! あ、頭痛いよ!!!」
耳を塞ぎたくても塞げない。軽減すらできない音の苦痛によろめき、
バランスを崩し地面へと引かれて落ちていくハーピー達。
アエロも例外ではなく、失速。
まだ十分速いまま、眼前に地面が迫り―
-
>>79
その音は人間にも不快なのかゴールドやクレイスも頭を押さえて居た。
ルクス「っとわああああああああ゛!!」
地面が間近に迫ったアエロの眼に、ルクスが飛び込んできたのが見える。
ヘッドスライディングのように滑りこんでその身をクッション代わりに受け止めた。
痛みはあるだろうが、あのまま地面に顔面ごと身体を打ちつけるよりはマシなはずだ。
が、ルクス本人は
ルクス「ぐがあ…折れたぁ!絶対に骨が一本くらい折れたぁあ…!!」
音波は時間と共に納まるが、ハーピー達を襲う頭痛は当分消えそうにない。
地面に身を置いてしまった彼女たちを、巨漢のゴールドやクレイスが見下ろす形になった。
クレイス「さて、鉄網で動きを封じるなんて真似はしたくないからこのまま話を聞いてもらおうか」
言いながらもクレイスは剣の切っ先を手近なハーピーに向けている。
ゴールド「…危なかった、俺、多分負けてた」
アディン「お前ら、この辺りに巣を持ってるハーピーだろ?
俺達は狩りが目的で来たんじゃないんだ」
ルクスを下敷きにしてるだろうアエロに視線を向けて、アディンも話す
アディン「帝都でやりあった、性根の悪い騎士を覚えてるだろ?
近々、あの騎士が自分の隊を総動員してこの辺り一帯でハーピー狩りをするつもりだ」
ルクス「イテテ…そんなコトになりゃあこの郊外が荒れちまって、魔物達のバランスも崩れちまう
うちの隊長はそうなる前に、少しの間で良いからアンタ達に巣を移動してほしいって言ってるんだよ…」
-
>>80
「っ……?」
滑り込んでくるルクスをはっきり見ていたアエロ。
音波の名残と激突の痛みを感じながらも不審感を隠せない表情になる。
そこで聞こえてくる騎士らの忠告。
B「なにそれー?」
C「に、人間の話なんか聞く気ないし!」
「ああ、この前のあれが?」
ルクスを下敷きにしたまま応じるアエロ。
「残念だけど、私は君たちの交渉相手にはなれないわ」
-
--帝都・中央広場『カローラ』--
客A「うーん……よくいる名前だし、ちょっとわからないなぁ……」
「そうですか〜。ごめんなさいね、急にこんなこと聞いて」
客A「気にしないでくださいよ。お役に立てなくてすまないね」
「いえいえ。ありがとうございました」
--路地裏--
『そうかい……。悪かったね、人間探しなんか手伝わせて』
ノラ猫「ンニャ」
『ったく、もっと他の特徴とかないのかい。
いくらなんでも手がかりが少なすぎるよ』
-
>>81
クレイス「そう言うな小娘、オッサンの話は八割くらいは正しいもんだぞ」
BとCに向けた剣を鞘におさめながら、肩をすくめるクレイス。
手が羽となっているハーピーは立ち上がるのが難しいだろうと、ゴールドが二人を掴んで立たせてやった。
が、少しばかり握力が強いので痛みを感じたかもしれない。
頭痛は残ってるがだいぶマシになってきただろう。
ルクス「勝手にクッションになったの俺だけど退いてくんない?」
アディン「群れの長が別にちゃんと居るって言うのか?」
ブリット「やっぱこういうのって、意志が通じる相手でも難しいっすよねぇ…」
>>82
セイジ「フィリスさん!」
客Aと入れ違いでやってくるセイジ。
見える人には傍らに兎の霊が見えるだろう。
セイジ「誰か人探しですか?」
-
「なんかごっつい騎士がハーピー討伐で話があるって?」
「エアリーとデートすっから追い返せ。」
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>>83
B「うるさいオッサーン」
C「何すんのよ!痛いじゃない!」
「どう解釈するかはそっちの勝手よ。
まあ、そもそも私達と人間の間で交渉成立なんて夢物語でしょうけど?」
羽を器用に使い、優れたバランス感覚で立ち上がるアエロ。
ルクスのことは気にしているのかしていないのか。とにかくも彼の上からは退いた。
「私は帰るわ。もう飽きたし」
率先して、大地を蹴り、巣のほうへと飛んでいくアエロ。
C「覚えてなさいよっ!」
B「今度来た時はもっとしっかり遊んであげるー♪」
従うように、あるいは逃げ出すように、もう2人も続いて飛び立っていった。
この感じだと、応じてはくれないだろう……。
-
>>83
「いらっしゃいませ〜セイジさん」
いつも通りの、変わらない柔らかな微笑み。
「そうなんですよ〜。
…知り合いの方から頼まれちゃって」
微妙な間が何を意味するのかは、セイジにはわからないだろう。
フィリスの視線がふとセイジの傍らの空間に向かう。
「あらぁ? セイジさんの傍に兎さんが……?」
-
アモルフ「よう、ニキータ。相変わらずスケッチか?」
ニキータ「ええ。ここじゃ数少ない娯楽ですから。」
スケッチブックをめくるアモルフ。
アモルフ「・・・懐かしいな。アフガンの山に、戦友たち・・・」
ニキータ「いいやつばかりでしたね。」
アモルフ「そうだな。初めて持った部下で、生きている奴はもうそんなにいないな。」
さらに数ページめくる
アモルフ「・・・ちゃっかりこんなのまで書いていたのか。」
ニキータ「美人だったんでつい・・・」
含み笑いをしながら二人でスケッチブックを眺める。
-
公園のベンチに深く腰を下ろした異国風の男が一人。
カウボーイハットを軽くずらして被り、首にはループタイをつけている。
「やれやれ、厩が200VIだなんてな……」
男は腰袋からペミカンを取り出し囓りはじめた
「どうっすっかなーこれじゃ野宿じゃねーか」
どうやら金がないようだ
-
>>88
「ああいう人間を見ると少し前の自分を思い返して嫌気が差すな、ハハハ」
一人の男がそんな風なことを吐き捨てて、エディーの傍を素通りしていった。
-
>>86
「この広いだけ広い帝都で人探しですか…」
どれだけ大変か、考えるまでもないだろう
「ああ、フィリスさんには視えますよね…ソウって名前のウサギだそうです」
レイジとの一件で出現した、デュアリストとしてのパートナーだ。
以前からずっとセイジの傍にいたと言うが、フィリスや霊感がある人間が誰も気づかないという奇妙な話もあった。
ソウ『…』
喋れるはずだが、ただのウサギの霊を装ってちょこまかと動いている。
初めて登場した時の大仰なしゃべりを知っているフィリスや霊感のある常連客からしたら白々しい事この上ないだろう。
「ところで、どんな人なんですか?裏通りとかよく歩くんで、俺も力になれるかも」
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>>88-89
リビアとすれ違うように、エディーのもとへ一人の男が近づいてきた。
ごつい顔つきに大柄な体躯で、いわゆる「ならず者」を連想する風体だ。
が、身につけている装備から一応は「傭兵」なのだろうと言う事が分かる。
「不景気みたいだな、どうだ?一緒にひと儲けしないかい?」
-
>>89,91
「クソ…交易品盗まれるなんてヘマしなきゃ俺だって…」
どうやら置き引きにあったらしい。帝都に着いてまず一杯ってのがまずかったようだ。
「7だ。俺の取り分が7なら引き受けよう」
物怖じする様子はない。ただ度胸があるのか、この様な手合いに慣れているのかはわからない。
-
>>92
「遠慮知らずだな?帝都での相場は6:4だぜ相棒」
そんな相場を誰が決めたのか、あるいは誰が言い出したのか、本当にそんな相場なのか疑問だ。
「だがそうだな…俺も人手が欲しいから5:5で手を打つぞ」
どうだ?とエディーの返事を待つ男。
-
>>93
「5分か…ま、いいだろう」
交渉失敗して仕事を逃すよりはっと考えたのだろう。
「で、なにをするんだ? ただのお使いなんて事はないんだろう?」
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>>94
「そうこないとな!」
「俺はユバンズ、こんなナリだが細々と傭兵団を経営してるもんだ」
ユバンズと名乗った男はエディに契約成立の握手を求めた。
「実はつい最近大量の魔物駆逐を請け負ったんだが、数が半端なくてね
メンバーが負傷して次の仕事の為の人員が足らなくなってしまったんだ」
「依頼の内容は盗賊のアジトを制圧するって簡単なものさ」
盗賊の人数はおよそ8人、こちらはエディが参加すれば10人になるそうだ。
-
>>95
「握手は無事に仕事が終わってからにしよう。
今後とも付き合うかどうかはっきりしてからでも遅くはない」
エディーは葉巻を取り出し、くゆらせはじめた。
「小さな盗賊団のようだな……だが、それでも準備がいるな
場所と日時を指定してくれ。なーに、すっぽかしたりはしないさ」
-
>>96
「そうかい、慎重だな」
差し出した握手の手を握り、顔を顰めた
「ならば日時は二日後の夕方、場所はここから東にある外門にしよう」
「そこで他の仲間とお前さんを待つよ、遅刻はするなよ?乗らなかったと判断するからな」
-
>>97
【某日某刻東外門】
近くのパブで少し早めの夕食を取っている。
「相変わらず不味いオートミールだな……」
等と料理や店の内装にケチをつけながら門の様子を監視しているようだ。
手のこんだ追いはぎかもしれない。襲撃されるかもしれない。
そんな不安を考慮した結果だろう。
-
>>98
やがて約束の時間になると、先日会ったユバンズという男が姿を現す。
話に聞いた通りの取り巻きの人数が集まって、打ち合わせのように話しこんでいる様子が窺えた。
その中の一人だけ、外門の壁に凭れかかっている。
それ以外は特に気になる様子はない。一応、ユバンズの話した通り傭兵達が集まってるようだ。
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「考えすぎか」
しかし、用心深さは生き残る上では重要だ。
繋いであった馬に跨りゆっくりと近く。
「またせたな。俺は馬でいくが構わんな?」
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