したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

【試験】ここだけ魔術のある世界 置きレス進行スレ【運用】

1名無しの魔術師:2011/07/24(日) 01:07:43 ID:???
非リアルタイムの絡み・イベント用スレです。
長期間の間がある置きレス(レスの書き置き)で進行してゆくスレです。
参加者同士で時間の都合が合わない場合や、イベントの長期化が予想される場合などに活用しましょう。

スレ立ては
>>900
>>950
>>980
>>1000

その他注意事項などは通常の本スレ参照。

706盗賊たち:2016/01/02(土) 01:13:20 ID:l6WYJN/I
>>703-705

「そうか――」

頭領が頭を垂れると同時に戦場の音が消えた。
無音。耳鳴りがするほどの静寂。

「交渉は決裂ということだな」

頭領は立ち上がりゆっくりと歩み始めた。
彼の声、服が擦れる音、足音。それらだけが響く。

「まだ時期尚早だったかもしれぬ」

コツンコツンと足音だけ。
不思議なリズムだ体から力が抜ける。

「しかし、機を伺い過ぎてもダメだ」

コツンコツン。
違う。力が抜けるのではない動けないのだ。
動くのは視線だけ。魔術を使うことすら適わない。

「これより世界に長きに渡る冬夜が訪れる。
 闇の王が支配する世界だ」

彼は両手を大きく広げた。
周囲に視線を移すとそこには無数の彼の姿が。
数十……数百。聖堂を埋め尽くす程の彼の姿が。

「さ、死んでもらうよ」

彼らは十字弓を構え一斉に放った。
数百の矢が三人に降り注ぐ。回避は不可能だ。

「あれ、みんな何してるの?」

聖堂の扉が開く。そこには頭領を捕まえたアーシャの姿があった。
同時に周囲の景色が変わった。今の場所は聖堂ではなくただの倉庫。
降り注ぐ矢もなければ、数百の頭領もいない。それどころか倒した盗賊の死体すらない。
あるのは柄が折れた箒や剣が突き刺さった小麦袋といったものだ。

「あっあっあっ折角いいところだったのにねぇ、久々過ぎて腕が落ちたかねぇ」

先ほど頭領がいた場所には覆面頭巾をした男が立っていた。
東部訛りが強い帝国標準語。先ほどとは声色すら変わっている。

「まぁ、どうせ皆殺しだから結果は変わらねぇか
 それじゃぁ、また会う機会がありゃぁ今度こそ殺してやるよ」

そのまま霞が晴れる様に姿が消えた。
転移魔術の類だろう。気配は全く感じられない。

「おーい、みんな起きてるー? 幻でも見てたの?」

707レノ:2016/01/02(土) 10:29:01 ID:???
>>706
「(こ、これは――ッ!?)」

云うことをきかない自身の身体を見下ろしながら、状況整理の為に頭脳をフル稼働させる。

「(幻術?何時だ…!」

しかし、そうしているうちに無数の矢が放たれ、全てが身体を貫く。
痛みや流血の感覚、死の予感全てが現実的な感覚として脳を侵し始めたとき、
ここには居なかった筈のアーシャの声が目覚ましの如く正気を呼び覚ます。

膝から崩れ落ちる。
強力な幻術により精神力を大きく削られただけでなく、体力までも奪われた。大粒の汗が、血の気の失せた頬を伝うのを感じる。

「(此処に入った時には既に……野郎……ッ)」

覆面の男が姿を消した後、仰向けに倒れ、大きなため息をつく。

708神乃:2016/01/05(火) 21:09:34 ID:???
>>706
(さすがにギルド関係の人間の前で『戻る』のは拙い・・・どうする・・・?)

二人を助ける手段はあるが、それを行使すると自分が討伐対象となる。
見捨てるか否かを迷っているところで現実に引き戻される。

「・・・なるほど、幻術ですか。
 仮にも白面九尾の眷族の血を引く
 この私が化かされるとは・・・
 母様や『あのお方』に知られたら大目玉ですね。」

ぼそりとつぶやく。

(ま・・・あの頃の姿に戻るほど追い込まれなかっただけ良しとしますか。)

アーシャの方に向き直り、頭をかきながら照れ笑いを浮かべる。

「どうやら私たちは罠にはまってしまっていたようです。」




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板