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ここだけ魔術のある世界(予備)
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もう一方のスレが埋まってる時に活用してね!
参加する際の注意事項
・俺Tueeeeeeeeeeeや、厨設定、強さのインフレはほどほどに
・魔法は「魔元素設定」に沿った設定であることが望ましい
・『中の人の』安易な気持ちで人(自キャラ、NPC含む)を殺すな。死んだら生き返りません。
・鬱展開とシリアス展開は違います。ただし、↑と共に『キャラとして』相応しいなら問題はありません。
・場の空気は出来るだけ読もう。カオスな時もあります
・書きこむ前にリロードを
・描写はできるだけ丁寧に。認識のすれ違いを避けるためです。
・本スレの出来事は演技ですから恨まぬように、また演技に私怨を持ち込まない。
・眠い時は無理せず寝ましょう 健康を損ねないように
・多数対少数の場合は、少数の中の人たちのことも考えよう
・スルーされてもめげない
・一番重要なのは楽しませること、そして楽しむことです。
イベント、ストーリー展開に関する注意事項
・乱入されても泣かない。乱入が嫌なら先に断っておきましょう
・あまりにも無茶な振りをしない。されて困る事はしない
・次の日に持ち越す事も考えよう。
・単なる自己満足はほどほどに
・イベント発生場所に貴方のキャラクターが居る可能性がありますか?
・相手のキャラクターとの関係はどんなのですか?
・自分のキャラは何事にも首を突っ込むキャラですか?
・乱入する前にレスをしっかり読もう。
スレ立ては
>>900
>>950
>>980
>>1000
今日の一言
「転ばぬ先の杖と言うけど、転んだ先に杖があったら尚危険じゃね?」
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>>950
『(あとで話を聞く必要がありそうだねえ……むしろ、聞かされるほうかい?)』
独り言か何らかの形でセイジがぼやくのが容易に想像できる。
「まぁ、ありがとうございます。
この水仙は葉っぱが他の水仙とは違うんですよ。だから葉っぱも残してあるんです。
あ、お代は200VIです」
「セイジさんですか?
いつも白いユリを、ユリのないこの季節でしたら白いヒースが多いですね」
ちなみに、さすがのフィリス親衛隊(自称オンリー)の皆様も兄弟間の話っぽいと踏んで
乱入控えている模様。(相打ち狙いだと思う)
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>>951
レイジ「『貴方を偽れない、幸福な愛』」
花の名前を聞いて、兄は弟を見てニヤニヤと笑いながら詩のような言葉を呟いた。
「………!!」
その言葉を聞いたセイジは顔を真っ赤にして兄を睨んだ。
今にも殴りかからん剣幕だがフィリスの前というのもあって我慢している様子
レイジ「じゃ、これでぴったり…また来ますよ…セイジの話、色々と聞かせて下さいね」
代金を渡して背を向けて歩いていくレイジ。どうやらこのまま帰るのだろうか?
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>>952
「あらぁ、それはユリとヒースの花言葉でしょう。お詳しいんですね〜」
包装した糸水仙を手渡しながら、その言葉の意味を言い当てるフィリス。
その表情はやはり柔らかい微笑。
「ありがとうございました〜。ええ、お待ちしていますね」
そう見送るあたりセイジの心中に気付いているのかいないのか。
『フィリス……。今に始まったことじゃないけどさ』
やれやれ、と、自らが守護する女性の肩で首を振るルシア。
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>>953
今回ばかりはフィリスの天然(いや、計算か…?)に救われたセイジ。
しかしそれはそれでかなり悲しい気がしている。
(やっぱり俺相手にされてない……?)
レイジ「では、『すぐ近いうちに』」
少し変な言葉使いかもしれない。普通はまた、近いうちに…と言う所だろうに。
しかもレイジの視線の先はフィリスに向いているようで…彼女の肩に乗るルシアに向けられているように感じられた。
去り際の後ろ姿、レイジの腕には見過ごす事のできない『腕輪』が嵌めてあることにルシアは気付くだろう。
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>>954
計算だったらいいのだが、ルシアのぼやきからして天然の確率のほうが高いのが悲しい。
『妙な言い回しだねえ……ん?』
視線と後姿に気付いたルシアに緊張の色がさした。
『あれは……デュアライザーだね』
その腕輪は、腕に付けてはいないだけでフィリスも常に持っているモノ。
それを持つとは、自分達と同じ力を与えられし者ということ。
『アンタもデュアリストってわけかい。次に会うのが楽しみだよ』
レイジの後姿に言葉を投げた。
―言葉の裏で、以前の事件を思い出していた。
口説きに来た男がデュアリストで、その力でフィリスを連れ去ろうとした事件。
後に男が気に入った女達を次々と浚っていたことが判明したというおまけつきだ。
その事件だったか、セイジがルシアを知ったのは。
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>>955
「兄さんが…デュアリスト…」
ルシアの発言を聞いたセイジが、フィリスには聞こえないように驚きの言葉を述べた。
どういった経緯で兄があの力を得たかは知りえないが……
「フィリスさん、兄には気をつけて下さい…少し、いやかなり変わっていますから」
その言葉は同時にルシアへと向けたものだった。
兄・レイジは油断ならない人物だから、用心してくれ…と。
レイジの姿はすでに雑踏に紛れて見えなくなっていた。
―花屋の広場から離れた路地裏―
レイジ「―――騒ぐなよ」
腕輪をした手首を見ながら、ため息交じりに笑うレイジ。
レイジ「今度の相手は別格かもしれん
…俺もお前も楽しめるかもしれないぜ?なあ―――
――――兄弟」
その整った微笑みは、奥から確かな『歪み』を醸し出していた。
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>>956
「セイジさんにお兄さんがいたんですね〜。そっくりでちょっとびっくりしましたよ」
何も知らず笑うフィリス。
気をつけてといわれても、
「大丈夫ですよ〜。お花が好きな人に悪い人はいませんから」
と、にっこり。
『そのようだねえ。ま、アタシは雷獣さ、心配要らないよ。
とはいえ警戒だけはしとくさ』
事情を知るルシアは対照的に、何か不穏なものを感じとっているようだった。
『(ジュード達と坊や達にも伝えておくべきかねえ……)』
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>>957
「…兄貴は、仕事で帝国から離れてましたから、話す事もないかなって…いきなり帰ってきて俺も驚きました」
その笑顔を壊したくないと思ったセイジは、それ以上は何も言わなかった。
ルシアが用心すると言った事には頷きで返した。
「…それじゃあ、今日はこの花もらっていきますね」
季節外れだが僅かだけ店に置いてあった花を手に取る―――カランコエだ。
花言葉の一つは、『あなたを守る』
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>>958
「あらぁ、そうだったんですか〜。お仕事で遠くに…」
「ありがとうございます〜。180VIいただきますね」
花の意味を知っているフィリス。しかしその意味に気付いているかどうかは誰にもわからない。
ただ、いつものように、うれしそうな微笑を湛えているだけだった。
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>>959
「…はい、それじゃぴったりで」
代金を手渡して花を受け取るセイジ。やはり何時もと変わらぬ微笑みだったが、セイジにはそれが恵みだった。
――何を欲張る事があろうか?彼女の嬉しそうな笑顔が見れるだけで、俺はこんなにも満たされるのだ。
だから、この笑顔は決して奪わせたりはしない。
手にしたカランコエを一瞥すると、セイジは自然と笑みをフィリスに返す
「それじゃ、また来ますね!」
そう言って、セイジはレイジとは反対の方向へと走って行った。
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>>960
「はい。ありがとうございます。
お待ちしてますね〜」
見送るフィリス。
走り去る背中に小さく手を振っていたことに気付いたのはルシアだけだった。
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―帝都の繁華街の、とある路地裏へ続く道―
道行く人にとっては何も気にする事のない裏道への入り口。せいぜい建物の裏を通って別の通りに出るだけの場所だ。
しかし何故だろう。いつも通り過ぎているこの道、珍しく≪貴方達≫は気になってしまったのだ。
まるで何かに呼ばれているような感覚。引き込まれるような、惹かれるような…そんな感覚が道の奥から貴方がたを誘っている。
何かに導かれるように路地裏に道に入ったなら、はたしてこんな場所にこんな店があっただろうか?
古めかしい大きな書店がそこには存在した。一目見て分かるが、古本屋だった。
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>>962
「…………」
道行く途中で足を止め、眉一つ動かさぬ無表情で建物を路地裏を見詰める女が居た。
格好は典型的な戦士のそれで、帝都では性別を考慮に入れても取り立てて珍しいものではない。
暫しの間を置いて、女は方向を変え路地裏へと入る。
奇妙な感覚に誘われている事は間違いなかったが、その足取りは確固としたものだった。
やがて現れた古本屋を、やはり無表情で眺め渡す。
じっくりとその佇まいを観察した後、その扉をくぐった。
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>>963
中に入って、戦士は―――彼女は驚いただろう。
外の外装からは想像もつかない程中は広く、また膨大な量の本棚が立ち並んでいた。
また、本棚一つ一つにびっしりと本が入っており、下手な図書館よりも書物が豊富そうだ。
ただ…こんな場所にあるせいなのか、店内は薄暗く…店の奥の闇が本当に『闇』なんじゃないかと錯覚させる程だった。
「―――おや、いらっしゃい…どんなものをお求めかな?」
ふいに、君へ声がかけられた。艶っぽい女性の声だ。
声の方へ振り返ると、夜のような黒髪と血のように紅い眼の長身の美女が立っていた。
紫色のタイトなスーツはこの場には場違いにも思えたがこの女にはそれが酷く似合っていた。
「おっと失礼、僕はこの古びた書店の店主さ…君は、お客様で良いんだよね?」
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>>964
「…………」
唐突に眼前に出現した光景を、女は静かに眺め渡す。
まずは建物自体の構造が空間的に『歪』んでいない事を確かめ、
本棚に納められたもの、その一つ一つが紛れもなく――絵画でも錯覚でもなく――人の手によって記された書籍である事を確かめた。
背表紙に目を滑らせてゆくうち、声をかけられた。
ゆっくりと振り向き、声の主を確かめる。
「…………」
店主と目が合う。
戦士風の女は、只ならぬ気配を纏っていた。
どこがどう、とは言えないのだが――常人では持ちえない雰囲気を全身から放っている。
熟練の戦士とも、老獪な魔術師とも微妙に異なる奇妙なオーラ。
まるで底が知れない。
その容姿が――女としても戦士としても――あまり他と変わり映えしないだけに、そのギャップがより一層際立つ。
しかし、それも大多数の人間の眼から見れば、というだけの話。
人ならぬ身である店主からすれば、この女も有象無象と変わり映えしないだろう。
「客…………ああ」
女は、本を求めて訪れたわけではない。
この場に呑まれて誘われただけだ。
しかし冷やかしに来たつもりも、また無かった。
「基礎的な魔術の教本が欲しい。こう見えても、多少は魔術を使うんでな」
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>>965
「へえ……」
女店主は眼を細めて女戦士を改めて眺めた。
まるで何か品定めもしてるのではないかと思うほどゆっくりと。
「なるほど、面白いお客さんだ…こんな古本屋で魔術の教本を求めるなんてね…おっと失礼、決して馬鹿にしてるわけじゃないよ」
と、女店主は左右の本棚を見比べる。そのどちらにも棚一つに膨大な量の本が存在していたが…
「これでいかがかな?」
女店主は貴女に視線を向けたまま、本棚から一冊の本を抜き取って差し出した。
本のタイトルは『魔術・基礎編』と書かれた、帝都にある学園などでも扱っていそうな書物だった。
「それとももう少し難しい本の方が良いかな?」
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>>966
「…………」
店主に上から下まで眺められている間も、特に反応は現れなかった。
「基礎的なもので充分だからだ。最新の情報が必要なわけではない」
女の持つ魔力は、それほど大きくはない。言葉を裏付けている。
「…………」
店主に手渡された本を無言で受け取ると、開いて内容と著者を確認した。
「いや、これで良い」
懐から粗末な袋を取り出した。中から硬貨の擦れる音がする。
「……ここは何故、『こう』なんだ? いや、無理に答えなくても良いが。…………幾らだ?」
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>>967
「『こう』?…店が薄暗い事なら許しておくれよ、立地条件が最悪でねぇ」
女戦士が訪ねたかった事とはズレた答えだろうが、女店主はそう答えた。
「その本誰も欲しがらなかったから、1Ⅵで良いよ」
本の状態は悪くない。いくら古本屋と言っても破格過ぎにも思える。
「ところで、僕は本と人は惹かれあうって信じてるんだよ、だからその本はきっと君に出会う為にずっと残っていたとも思う」
「この店に来るお客さんには、本から寄って行くんだよ…僕はそんな君達お客様のお相手をするのが大好きなのさ」
代金の清算をするためにカウンターに立ちながら、女店主はベラベラと良く喋る
「おっと、僕ばかり喋って失礼…そういえばきちんと名乗ってなかったね…僕はナイア、改めて言うけどこの古本屋の店主さ…よければお客様である君のお名前も教えてもらえないかな?」
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>>968
「……そう、か」
自身が求めていたものとは異なる店主の返答に敢えて突っ込む事は無かった。
「曰く付きの代物か?」
言いながらも、1VIをカウンターに置く。しっかりその値段で買い取る気のようだ。
喋り続ける店主に対しじっと沈黙を守っていたが、顔に快も不快も表す事なく最後まで耳を傾け、
「リタ・ウォルシュ。賞金稼ぎだ」
と短く答えた。
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>>969
「曰くなんてとんでもない!ちゃんとした所から中古で買い取っただけだよ」
どうぞ、と包みに入れて本を手渡す
「リタ・ウォルシュ…リタちゃんだね、賞金稼ぎか…じゃあ剣の腕とか凄いんだろうね」
「この店にはこれからも来てくれると嬉しいね、君がどんな本と出会うのか楽しみだ」
女戦士…リタ・ウォルシュはこれからは自分の意思でこの本屋に行くことが出来る…そう感じた。
何故かは分からないが、そんな核心があった。
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>>970
「赤字だろう。包み代にもならない」
だが本はしっかり受け取った。
「いや…………まだまだ未熟者だ。剣も魔術も」
「では、次は真っ当な値段で買おう。ここに埋もれた本を発掘するのも悪くない」
頷きを返し、買ったばかりの本を抱えて店を出た。
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>>971
「設けては居るからご心配なく、今日はいないけどバイトを二人も雇っているんだよ」
と、自慢げに語る女店主ナイア。
そして店を出て行くリタを見送る
「またのご来店を、リタ・ウォルシュ」
店を出て大通りへ向かって歩き出すと――――気付いたら大通りに戻っていたリタだった。
時空を超えたわけでもワープしたわけでもないが、路地裏から二、三歩歩きだしたらもう外へと戻っていた…そんな気分だった。
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‐学園都市アレグレット‐
遠征任務も無事に終わった18小隊が都市に帰還してから既に一週間以上が経過した。
現在の所汚染獣の接近は格段に減り、都市そのものも非常に安定している状態だった。
教導傭兵団はまだ学園都市に駐屯しているのを見るに、おそらく生徒会長との契約がまだ続いているのだろう。
さて、何はともあれ平和な日常に戻ってきた今日、シカコ・クロックベルは一日の授業を終え午後からの予定をどうしようかと考えている頃だった。
彼女の元に一人の教師が訪ねてきた。
教師の名前は覚えていないだろうが問題無い。あまり派手な印象もなく平凡な授業しかやらない先生だから。
先生「クロックベルはいるか?実はちょっと頼みたい事があるんだが」
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>>973
「今日の午後は…」
そこで声をかけられた。
「はい、なんでしょうか?」
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>>974
「実は一年生に行った授業で課題のプリントを出したんだが、君の部隊にいるアルセディアからまだもらっていなかったんだ」
確認が遅れたのは遠征任務があった為らしい。
「流石にもう終わってると思うから、ちゃんと明日の授業で持ってくるようにお前から言っておいてもらえないか?」
学生であり小隊長でもあると、このように先生から課題の催促の仲介を頼まれる事も多い。
大学部に属しているイーグリット関係で良く頼まれたものだ。
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>>975
「分かりました。直ぐに提出させます」
返事をして、それではと教室を後にした。
「あいつ、授業になるとこうだな」
戦闘の時とはかけ離れている。
こうギャップがあると同じ人物ではないのではないかと疑いたくなるが
彼は間違いなくアオイ・アルセディアその人だ。
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>>976
同じ地下清掃のバイトをしているシカゴはアオイのシフトも大体把握している。
この時間ならばおそらくは…寮の自室で過ごしているに違いない。
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>>977
寮のアオイの部屋まで来た。
数回、軽くノックをし
「アオイ、私だ。課題のプリントを出していないと催促されたぞ」
そう声を掛けた。
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>>978
シカゴが声をかけてから数秒もしないで扉が開かれた。
「隊長?…プリント……?」
シカゴの来訪に少し驚いたアオイだったが、話の内容に眼を丸くしていた。
「えーっと……文学は昨日急いで提出したし…あの課題は……じゃなくて…えっと…」
数秒呻るとハッと顔を上げた
「ああ、思い出しました!今すぐ提出してきます!」
と、ドアをあけっぱなしで部屋の中へ行ってしまった。
これはちょっと見てられないとシカゴは感じただろう。
・部屋の中に入る
・待っていて課題を確認する
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>>979
「お前はまったく、慌ただしいぞ」
勝手に部屋の中へ入った。
キョロキョロと部屋の中を見ながら
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>>980
部屋の中に入るシカゴ。おそらくシカゴは男子が使う寮の部屋をこの二つのパターンで予測していたはずだ。
意外にも綺麗に整頓され整えられた部屋か、物がごった返している足の踏み場もない部屋か。
結論から言って、アオイの部屋はそのどちらにも該当しなかった。
――――何もないのだ。
まっさらな、寮生になった生徒へ提供された状態のままの室内がそこにはあった。
備え付けの小さなキッチンとテーブル、棚、クローゼット。
それだけだ。一応はアオイの私物もあったが僅かでしかない。
術式兵装とか、制服や防護服の予備とかそんなものだけだ。
アオイは授業用の鞄の中から、やや皺のよったプリントを取り出していた。
「すみません、本音を言うと勉強は苦手で…」
そんな何もない部屋で、アオイは今この瞬間も平然と過ごしていた。
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>>981
「何もない部屋なんだな」
率直な感想を述べた。
「娯楽や所有物がほとんどない。
殺風景というか」
プリントよりも部屋に興味が向いてしまった。
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>>982
「…僕には、何もありませんから」
シカゴの言葉を聞いたアオイは、窓から遠くを見るように言った。
「皆は普通、故郷の品とか友達からのプレゼントとか…そういったもので部屋が彩られるんですよね?」
「武芸しかなかったのに、その武芸も血で汚してしまった僕ですから…何も持たずに此処に来たんですよ」
それでも、今は此処が居場所だと思っています、とアオイは言った。
もしかしたら、アオイが戦闘…特に実戦に関して酷く冷淡な理由のヒントはこの部屋にあるのかもしれない。
この部屋はまるで他人を拒絶してるかのように殺風景だったから。
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>>983
「そうかそうか、なら次の休みにでも何か私がプレゼントしてやろう。
隊長として私からお前への褒美だ」
シカゴがそう提案した。
何かを感じ取っての発言なのかはたまた
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>>984
「隊長が僕に?」
意外そうな顔をするアオイ。
シカゴとはとっくに和解しているが、それでも武芸を貶めた自分にそこまでしてくれるとは思ってなかったのだろう。
「…嬉しくないと言ったら嘘になりますけど…」
おそらくそんな経験が少ないのか、戸惑っているようだ。
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>>985
「それなら遠慮することはない」
武芸を貶めたことはきっと納得はいっていないだろう。
だがそれ以上にアオイはもうこの隊の一人なのだ。
何よりシカゴ自身もアオイは見ていて放っておけない存在だ。
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>>986
「…分かりました、それじゃあ楽しみにしてますね」
観念したようにアオイは微笑んだ。
アオイを放っておくのはそれはそれで危険だろう。実力の都合上、アオイは単独で動きがちだ。
その姿は凄まじいの一言だが、見慣れてくると何処かまるで死に急いでるかのようにも見えるから。
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>>987
「アオイ、この間教導傭兵団の団長と揉めていたがムキになるな。
普段からそうだがお前は一人で突っ込み過ぎだ。彼らの戦い方は学ぶべき点が多い」
そう切り出した。
「何があったのか、そこまでは私には分からないがな」
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>>988
「……シュベーアトの事ですか」
指摘されたアオイは苦々しい表情をしながら答えた。
「すみません、自分でも隊に迷惑をかけているのは分かってるんですが…アイツだけはどうしても…」
「連中の戦い方が優れているのは分かっているんですけどね」
同じ流派の刀使い…自分が戒めで封じていると言うそれを、見せつけるように使うシュベーアト。
身勝手な話だが、アオイにはそれが酷く苛立たしいのだ。
そして
「僕が天剣授受者として、一人の武芸者を口封じの為に再起不能にしたのは、ご存じですよね」
と、以前ゴルアからも聞かされた話しをアオイは持ち出した。
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>>989
「ああ、その話は聞いた。
本当に口封じのためにやったのか?」
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>>990
「本当です」
即答だった。
「前にもお話した通り、僕が居た孤児院は切迫していました…どうしてもお金が必要だったんです」
その為にアオイは天剣授受者と言う都市の武芸者の模範的な立場にいながら、違法な命のやり取りを行う闇試合で荒稼ぎをしていたのだ。
そして、それを知ったゴルアの兄弟子であるガドムに八百長を強要されたが、口封じで彼の腕を落としたのだ。
「そしてそれも露見して都市から追放された僕は、二度と刀を手に取るまいと自ら刀術を使う事を禁じました」
「シュベーアトは、僕と同じ流派でそのいきさつを知っているんです…奴は僕を挑発し、その禁を破らせたいようですね」
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>>991
「そういう経緯があったのか。
つまり同じ流派の弟子同士だったのか。戦い方が似ているわけだ」
シュベーアトの動きがどことなくアオイに似ていること感じていたシカゴ
それもようやく合点がいった。
あの身のこなしと流れるような動き、同じ流派だったとは
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>>992
「師匠が違いますから、変な言葉ですけど従兄弟弟子になりますかね」
「……奴と僕は違いすぎます。戦い方も環境も…」
ふとアオイはシュベーアトとその周りの取り巻きを思い出した。
教導傭兵団として外の世界を周り、家族当然の仲間と過ごし刀術を磨いたシュベーアトと―――
―――全てを失って刀すら捨てた自分
「僕が一人で無茶な戦い方が出来るのは、何も守るものがないからでしょうね」
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>>993
「ならお前はどうして戦っているんだ?
何も守るものがないなら戦いも必要ないだろう」
厳しい目付きで言及する。
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>>994
「それは……」
何処か空虚にも思える眼で、アオイはシカゴをじっと見る
「……戦う事しか、知らないからでしょうね…もう守るモノもないかもしれないのに」
この殺風景な部屋と同じだ。アオイの戦いにも、今は何もないのだ。
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>>995
「守るものがないか。どうやらお前は
私たち十八小隊のことはどうでもいいらしいな」
残念だ、と呟く
「私はお前もすっかり一員だと思っていたんだがな。
仲間と言ったあの時の言葉は所詮その場で言った嘘だったんだな」
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>>996
「そ、それは違います!」
慌てた様子でアオイは声を荒げた
「隊長や皆には本当に感謝してるんです!武芸を捨て切れずにいた僕に居場所をくれた貴女には、本当に感謝してもしたりないくらいに!」
だから…と言い淀み
「仲間と思っていても、僕は自分の過去を思い出すと怖いんです…僕は貴女達と並んでいて良い人間じゃないかもしれない、と」
簡単に言えば、自分の過去が後ろめたいのだろう。
「そんな僕が、貴女達を守りたいなんて言っても、不快に思われるかもしれない…カッコ悪いですよね、勝手に疑心暗鬼になっているんです」
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>>997
「例え過去のお前がどうだろうと、今のお前は私たちの仲間だ。
お前が一人で汚染獣と戦った時も駆けつけるほどの連中だ」
一歩近づき
「自分も仲間だと言うのなら、これ以上他の隊員をバカにするな!
そして何より自分で自分を攻めすぎることもな」
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>>998
「……!!」
言葉と共に一歩近づいたシカゴ、壁側にいたアオイと距離が縮まる。
そしてその言葉はアオイには十分すぎる威力を持った言葉だった。
「分かりました…そうですよね、隊長の言う通りです」
空虚に見えた眼に光が戻っているような気がした。
その眼はしっかりとシカゴを見て
「僕は18小隊を、隊長達を守るために戦います…それが、今の僕が守る物です」
そう言った。
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>>999
ぺちんとおでこを軽く叩く
「分かったならそれでいいんだ。
それと私は武芸に誇りを持っている。そこは譲れない部分だからな」
と笑顔と照れ隠しが混じったような表情で言った。
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