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強奪

8舞方雅人 ◆8Yv6k4sIFg:2006/07/01(土) 12:27:56
問題点は・・・何も無い。
 内部の動力源は・・・水素タンクが空なので、外部よりの動力供給を受けているんだわ。
 躰の各部とも異常なし。
 順調に制御できることがわかって沙由里はなんだか嬉しくなる。
 な、何を考えているの私は・・・
 躰の制御って・・・まるで・・・
 まるで・・・何なの?
 躰の各部が制御できるのは当然・・・よね。
 「意識改変、ならびに人格改変作業中。進行度75パーセント。基本プログラムインストール完了。オプションプログラムを選択してください」
 沙由里ははっきりとそう口にする。
 プログラムが自分を書き換えていく。その喜びに沙由里は快感すら感じていた。
 気持ちいい・・・プログラムが浸透していくわ・・・
 嬉しい・・・私はもうすぐ完成するんだわ・・・早く完成して誰かにお仕えしたいわ・・・
 「よし、オプションはどれとどれだ?」
 「A及びDとEが選択されています。後はおいおいということだそうで」
 「金も無さそうだからな、まあ最低限ということか」
 教授はそう言うとオプションプログラムを取り出すとセットする。
 やがて沙由里の脳にプログラムが送られてきた。
 「オプションプログラムインストールします。オプションプログラムA・D・Eを認識しました。インストールを続行いたしますか?」
 「続行しろ」
 「了解いたしました」
 沙由里は自ら脳を解放し、プログラムのインストールを開始する。
 さまざまなプログラムが流れ込み、沙由里はとても気持ちよく感じていた。
 「意識改変、ならびに人格改変作業終了。進行度100パーセント。オプションプログラムA・D・Eインストール終了」
 沙由里の声は誇らしかった。
 いや、沙由里ではない。今の彼女はヒューマンドールHD-0163だった。
 「よし、確認するぞ。お前は何ものだ?」
 「はい、私はヒューマンドール社製のヒューマンドールHD-0163です」
 HD-0163となった沙由里は何のためらいもなくそう答えた。
 「ふふふ・・・それでいい。では動力をやろう」
 教授はにやりと笑みを浮かべると、HD-0163の脇腹のハッチを開き水素タンクをセットする。
 ヒューマンドール社のヒューマンドールは燃料電池で動くようにできている。
 セットされた水素タンクから水素を取り出し、空気中から酸素を取り出して水の電気分解の逆を行い電気を取り出すのだ。
 そのため見た目は呼吸を行なっているように見えるので人間らしいと評判だった。
 電気を取り出す副産物の水はこれまた排尿のように外に出すことができるため、トイレに行くこともできるのだ。
 水素タンクから水素を取り出して燃料電池が起動し始めたことでHD-0163は動力を得て躰の各部が起動し始める。
 それはとても心地よく、躰の各部を制御するプログラムを処理することはまさに快楽といっても過言ではなかった。
 「今拘束を解いてやろう。起き上がるがよい」
 「はい。かしこまりました」
 HD-0163は拘束を外されるとゆっくりと立ち上がる。
 美しい裸体を惜しげもなく晒して彼女は微笑んでいた。


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