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冒険の記録

51幸ゆきな:2018/08/13(月) 22:30:16
第23回の最後でやりかたったことを勝手に文にしました。多分、19日のセッションでもこんなことしてる時間ないので。
別にドラゴンほしくないわけじゃないんだけど、という言い訳をストーリー的に演出したかった!というお話です。





「少し話を聞いて頂いてもよろしいでしょうか。聞いていただけるだけでかまいません」
 神殿をあとにする前、みんなに断って時間をもらった。どうしても、ベルギリウスさんに聞いてもらいたかったから。
「ロップの言うように……というわけではないんですけど、僕自身、全く求めていないというわけではないんです。寄り添える竜を、相手を」
 現実主義で神を信じないロップとしては、戦力とかもろもろそういう理由であって、そこに同意するわけではない。けれども、ロップが口に出してそういう相手がいないのかと聞いたように、来るのを待つのではなく自分から求めなければ、きっと機会すら訪れることはないというのは心の何処かで理解はしている。
「ただ今は、全く同じというわけではないですけど、エルクブス様とゲオルギウスの槍の戦いと同じ戦いが起こっている。
 ドラゴンの力なしで人族が立ち向かうのは絶望に等しいのかもしれません」
 封印の鎖は手に入れたが、それはディオニシアのもとに辿り着けなければ意味がない。しかし事実、味方となるドラゴンの助力なしに、グレータードラゴンや複数のエルダードラゴンを相手取れる人族なんて、伝説上でもそう何人も存在するものではないだろう。
「けれど、人族の都合でドラゴンをこれ以上巻き込んでいいのかという思いもあります。エルクブス様の戦いですら、犠牲になったドラゴンは少なくはなかった。
 今回も仮に力を借りれたとしても、全くの犠牲なしにとはいかないとは思います」
 結局のところ、きっかけも、ここまで酷い状況になったのも、全ては僕らの責任だ。だから僕らの都合でドラゴンの力を頼ろうとするのは、自分勝手で傲慢でしかない。
「それを考えると……今、僕がユリンとサイデルのような関係になれる竜(相手)を求めるというのは、戦いに巻き込むも同義です。
 もしそうなった場合、全力で守ります。けれど、けれど、やはり、エルクブス様がシュレギントを失ったように、僕も同じように失うかもしれない。それが、たまらなく怖いんです」
 僕自身にそういう思いを抱いた相手は今まで一人もいない。だから、エルクブスがシュレギントを失った悲しみは、想像できない。想像できないからこそ、恐ろしいのだと思う。例え、人と竜という間である以上別れが必然だとしても。
「……この恐れがある限りは、きっと応じてくれる竜はいないとは思います。いたらそれは余程通じ合った時だとは思いますが。
 ……僕が今、直接求めないのはそういう理由なんです」
 我ながら苦笑いしかできないほどだ。また得てもいないものを失うことを恐れるなんて。
「……ベルギリウスさんからしたら、僕のこんな恐れは呆れてしまうでしょうか?」
 そう言って、僕は、彼を、どこか人の世ならざるところにいる気がしてならないその神官の顔を見た。


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