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マザリア 聖母闘士の伝説

1名無しさん:2007/05/05(土) 00:00:00
*注意点
このスレは基本的に『マザリア 聖母闘士の伝説』を書き込むだけのスレです。
感想等は感想スレにお願いします。

39名無しさん:2007/07/09(月) 20:19:48

タルミアは、傷ついて蹲る男に声をかけた。
「村長、ご苦労様でした。後は私に任せて、貴方は退っていてください」
「あ、ああ・・・」
村長、泰泰は頷いた。
よろよろと立ち上がり、退っていく彼の様子を確認するや、タルミアは人影の方を向いた。
「観念なさい、ナルタリ。あなたの悪行三昧も、今夜限りで終わりよ!」
「そんな、酷いよ。僕の芸術を悪行だなんて・・・」
ナルタリは、目に涙を浮べる。
が、次の瞬間、タルミアに向かって両手を突き出し、指を鳴らした。
タルミアの体が爆発に包まれる。
「タルミアさん!」
思わず立ち止まって叫ぶ泰泰。
「やったか?」
呟くナルタリ。
だが、その彼の視線の先で、タルミアを包んだ爆発の炎が、内側から発せられる光によって切り裂かれていく。
「!」
「な?」
思わず目を見張るナルタリと泰泰。
彼らの目の前に姿を現した者。
それは、戦闘衣装に身を包んだ、聖母闘士(セイントマザー)タルミアの姿であった。

ナルタリの目を見据えながら、タルミアは言った。
「私を誰だと思っているの? 聖母闘士を甘く見ないことね」
そして、ゆっくりと歩を詰めていく。
「くっ!」
ナルタリが、狂ったように指を鳴らす。
タルミアは光剣を抜き、ナルタリの指の動きに合わせるかのように振るう。
剣の一振りごとに、ボゥッ、ボゥッと小さな爆発が起こる。
良く見ると・・・、ナルタリの指からタルミアに向かって放たれる極小型の爆弾が、光の刃に切り裂かれ、目標に届くことなく空しく爆発を起こしているのだ。
「無駄よ。観念なさい」
ナルタリを睨みつけながら、タルミアは静かに言った。
ナルタリの目に、恐怖の色が浮かぶ。
逃げるように視線を泳がせるが・・・、ふと、ある者を見つけ、すばやく右手を伸した。
「危ないっ!」
ナルタリの意図に気づいたタルミアが、とっさに跳んだ。
薙ぎ払う様に光剣を振るう。
ボゥッ、ボゥッ、ボゥッ・・・
剣の軌跡をなぞる様に、次々と爆発が起こる。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ・・・」
タルミアの言葉に、青ざめた顔の泰泰が答える。

40名無しさん:2007/07/09(月) 20:20:22
その隙に、ナルタリは走った。
彼の走る先には、いつの間にか現れた小型転移装置が作り出す、異空間への入り口が・・・。
「さすがは聖母闘士。いくら僕でも正面切っては戦えないね。それじゃあ、また会おう!」
「おのれ! 待て、ナルタリ!」
タルミアの叫びに、にやりと笑って応えると、ナルタリは異空間へ飛びこむ。
だが、彼が飛び込むより一瞬早く、銃声が鳴り響いて転移装置が打ち砕かれ、異空間は消滅した。
「な、何だとっ!」
後一歩というところで異空間に飛び込みそこね、立ちすくむナルタリ。
「一体誰が?!」
3人の視線が集まった先にいたのは・・・、
「敢敢!」
タルミアと泰泰が、驚きの声を重ねた。
父親の取り落とした猟銃を構えた少年の姿がそこにあった。
彼は叫んだ。
「タルミアさん!」
はっと、我に返るタルミア。
ナルタリの方へ向き直るや、光剣を構えて走った。
構えた剣に、彼女に、すなわち聖母闘士タルミアに宿る力、マザリアフォースが集い、光の剣はその輝きを増していく。
そして・・・、
「ナルタリ、あなたに殺された者たちの悲しみと怒りを、今こそ思い知りなさい! セイントクラッシャー!!」
技の名を叫びながらタルミアが振り下す剣から、幾筋もの光の奔流が放たれる。
「う、うあぁわぁぁぁ・・・・」
断末魔の叫びと共に、ナルタリは微細な粒子となって、光の奔流の中に消えていく。

ナルタリの滅した跡に、タルミアは無言で立った。
「・・・タルミアさん?」
恐る恐る声をかけた敢敢は見た。
彼女の頬を流れ落ちていく涙を・・・。



数日後。
タルミアが村から旅立つ日が来た。

迎えに来た宇宙艇の前に立ったタルミアが、見送りに来た一団の中の一人に声をかける。
「敢敢。あなたのおかげで、ナルタリを倒すことが出来たわ。改めてお礼を言わせて。ありがとう」
「えへへっ・・・」
タルミアの礼の言葉に、敢敢は照れて頭を掻いた。
そんな少年を、周囲の少年少女たちは、うらやましげに眺める。
微かに誇らしげな敢敢。
ふと、タルミアは、悪戯っぽい微笑を浮べた。
「本当にありがとう。これは、ほんのお礼よ」
いうなりタルミアは、敢敢の額にチュッと口づけた。
「おお〜〜!!!」
少年少女たちが、一斉にどよめきの声を上げた。
一方敢敢は・・・、大きく目を見開いたまま、その場に立ち竦んでいる。
彼の頭の中は真っ白になり、さっきまでとは比べ物にならない激しさで突き刺さってくる羨望の視線も気にならない。
いや、その中に一つだけ他とはまったく異なる視線がある。
それを感じて、敢敢は振り向いた。
「美、美美!」
幼馴染の少女の、ジトリとした視線に、少年はたじろぐ。
「ち、違うんだ! こ、これは・・・」
慌てて釈明する少年。
周囲が、どっと笑い声を上げた。

41名無しさん:2007/07/09(月) 20:20:54

やがて、タルミアは別れの言葉を告げ、宇宙艇に乗り込んだ。
敢敢と美美の、そして村の人々の見送りを受けながら、宇宙艇は空のかなたへと飛び去っていった。


「美美、待ってよ!」
すたすたと歩く少女を、少年は呼び止める。
「なによ・・・」
「だからあれは違うんだってば・・・」
ややふくれ顔の美美に、必死で言い訳する敢敢。
しばらく、無言で聞いていた美美だったが、ふいに呟くように言った。
「じゃあ、目をつぶって・・・」
「え?」
「しばらく目をつぶってて。 いい、絶対に明けちゃだめよ!」
「え、ええ」
言われるままに、両目をつぶる敢敢。
次の瞬間・・・、チュッ!
「わ! え! な、何!」
唇に、柔らかい感触を感じ、敢敢は慌てて目を開けた。
彼の目に飛び込んできたのは、自分の唇に人差し指をあてて悪戯っぽく笑う少女の顔。
「敢敢、今回はこれで許してあげるわ」
美美は、そう言うなり足早に立ち去っていく。
慌てて追いかける敢敢。

追いかけてくる少年の声を背中に聞きながら、美美は空を見る。
タルミアが去っていった、遠い空のかなたを。
少女は呟いた。
「タルミアさん。さようなら。そして、ありがとう・・・」



同じ頃。
敢敢や美美たちのいる惑星の衛星軌道上に、ゆっくりと加速しながら外宇宙に向かいつつある恒星間宇宙船があった。
その宇宙船の展望室に置かれた豪奢なベッドの上で、聖母闘士タルミアとグリンラスの将軍デルギオは、互いの裸身を絡めあっていた。

「すまない。迎えに来るのがこんなに遅れちまって」
タルミアの豊満な乳房を揉みながら、デルギオが言った。
「いいのよ、気にしないで。私が勝手に一人で飛び出したのが悪いんだから。ろくに連絡も入れなかったし」
「・・・」
タルミアの返事に、デルギオはやや訝しげな顔をした。
「あら、何か御不満?」
悪戯っぽい声で問うタルミアに、デルギオは慌てて答える。
「と、とんでもねえ! 俺はむしろ嬉しいんだ。普段はあんなに他人行儀な態度しかとらないお前が、今日はこんなに打ち解けてくれて・・・」
うろたえた様に話すデルギオだが、彼の腕はタルミアの体を抱きしめ、離さない。
そんなデルギオの豚に似た顔を、タルミアは微笑を浮べて見つめる。

42名無しさん:2007/07/09(月) 20:21:25

夫と子供を喪ったタルミアが傷心の日々を送っていた頃、惑星マザリアにグリンラス軍を率いて攻め込んできたのが、この将軍デルギオだった。
聖母闘士に選ばれたタルミアは、悲しみを忘れようとするかのように、デルギオに立ち向かった。
そして、激しい戦いの末、タルミアはデルギオに捕らえられ、下僕(しもべ)とされたのだ。

グリンラス帝国の若手将軍たちの中でも、一二を争う武闘派として知られるデルギオ。
だが、いざ下僕となったタルミアに対する彼の態度は、意外な物だった。
皇帝の前などの公の場ではともかく、2人だけの時、デルギオはタルミアに優しかった。
他の将軍たちのように、下僕の聖母闘士同士を交換し合って乱交にふける事もなかった。
その扱いは下僕へのものではない。そう、まるで・・・。
不審に思うタルミアに、デルギオは顔を真っ赤にして言った。
「まあ、その・・・、何だ。俺たち2人きりのときは、主人と下僕なんて上下関係ではなくて・・・。今までお前にした事を思えば、虫が良すぎるどころじゃない話なんだが・・・。つまりだな、俺は、お前と恋人同士みたいにイチャイチャと・・・」
自己の身勝手さに自分自身で呆れ果てた様な口調だが、その眼差しは真剣そのもの。
だが、彼の言葉を聞くうちに、タルミアの眉毛がしだいに釣り上がってく。
そして・・・、バキッ、と音が鳴り響くとともに、デルギオの体が吹っ飛んだ。
「ふざけないで! 確かに私は貴方の下僕になることを誓ったけど、恋人になってあげるなんて言った覚えはないわ!」
啖呵をきるタルミア。
「やっぱりな・・・」
拳の形に痣のついた顔を押さえて、デルギオはしみじみと呟いた。

その後も、デルギオはタルミアの心を優しく解きほぐそうと努めた。
根気良く。ただ、根気良く。
そんな日々が続くうちに、タルミアの心にも変化が生じ始めた。
(ここまで本気なら、受け入れてあげても・・・。だ、ダメよ。私の方からなんて・・・)
自らの気持ちの変化を、必死に押し殺すタルミア。
そして、あえて必要以上に卑屈な態度をとる。
“自分は貴方の下僕であって、恋人ではない”、とデルギオに思い知らせるために。
(大体何よ、私に散々あんな事をしておいて! それを今更、勝手よ!・・・)
(それならいっそのこと、有無を言わさず命令してくれればいいのに・・・)
(それなら私だって・・・)
負けず劣らず、勝手なことを考えてしまうタルミアであった。

デルギオにナルタリ討伐の勅命が下ったのは、ちょうどその頃だった。
ナルタリ。
宇宙をまたにかけ、芸術活動と称して愉快犯的な爆弾テロを繰り返す、狂気のテロリスト。
その被害は、グリンラス、反グリンラスを問わす、宇宙の到る所に及んでいる。
そう、タルミアから夫と子供を奪ったあの爆発も、マザリアに立ち寄ったナルタリが起こした物だったのだ。
グリンラス帝国としても放置しておけなくなり、本格的な討伐が決定された。
デルギオは、その任を皇帝に願い出、許されたのだ。
(あの子の、あの人の仇が討てる!)
喜びに身を震わせるタルミア。
だが、いざ討伐が開始された直後・・・、デルギオが重症を負ったのだ。
かつて、タルミアの夫がそうしたように、ナルタリの爆弾からタルミアを庇って。

43名無しさん:2007/07/09(月) 20:22:00
幸いなことに、デルギオは一命を取り留めた。
そして、逃走するナルタリの宇宙船を探知したタルミアは、周囲の制止を押し切って、一人追跡に飛び出した。
長い追跡行が続いた。
その間、グリンラス帝国から逃亡しようと思えば出来たのかもしれない。
だが、そんな考えはタルミアの頭にはまったく浮かばなかった。
その間、彼女の脳裏にあったのは、かつて彼女から夫と子供を奪い、いままたデルギオを奪おうとしたナルタリへの憎しみ。
そして、今、窓の外に見えている辺境の惑星にナルタリを追い詰めたタルミアは、卑劣な罠で搭乗船を破壊される等のアクシデントがありながらも、ついに彼を倒したのだ。



デルギオの、爆弾で受けた傷の未だ癒えきれぬ顔を眺めながら、タルミアは思う。
(デルギオ、貴方は私のために、この任務を願い出て、こんな傷を・・・)
彼女は追跡行の間ずっと、このデルギオの肌の温もりを思い、一人悶々と夜を過ごしてきたのだ。
そして、その間に出会ったある少女に語った言葉。
『くだらない意地を張ってはいけない。自分の心に正直になれ』
そう、彼女が美美に語った言葉は、半ば彼女自身に向けられた物だったのだ。
(美美・・・、私も、自分の気持ちに正直になるわね)
抱きしめるてくるデルギオの腕の力に、“もう決して離さない”、という意志を感じながら、
タルミアは思った。

彼女の心中も知らずに、デルギオは話題を変えた。
「それでな、タルミア。これから俺たちはグリンラス本星に帰るんだが、途中、マザリアにも寄っていくんだ」
「え?」
「いや、何。マザリアの様子を色々と観測する必要があるんだ。それで、衛星軌道上に何日か滞在することになると思う」
「・・・」
「だから、その間に、タルミア、お前はマザリアに降りて行って来るといい。子供と・・・、その、旦那の墓参りに」
「!」
タルミアの目が大きく見開かれた。
「それで、ナルタリを倒した事を報告してくるといい。お前にとっては今でも一番大事な2人なんだろ。その、なんだ・・・、まあ、俺にだって、そのくらいの度量はあるってことだから・・・」
鼻の脇を指で掻きながら、目を逸して言うデルギオ。
「じゃあ、貴方も一緒に来て」
「え?」
顔を向けたデルギオの目を見ながら、タルミアは言う。
「その時は、デルギオ、貴方も私と一緒に来て」
「おいおい、俺なんかが一緒じゃ・・・」
戸惑う様子のデルギオに、タルミアは語りかける。
「貴方と一緒じゃなきゃダメなの。だって、あの子とあの人に、私の新しい大切な人を紹介したいから・・・」
「タルミア・・・」
呆然と呟くデルギオの目が、次第に大きく見開かれていく。
タルミアは彼の顔を両手ではさみ、目を覗き込みながら微笑みを浮べる。
「お願い、デルギオ・・・」
「タルミア!」
デルギオは叫ぶなり、タルミアの胸に顔をうずめる。
「ちょ、ちょっと、デルギオ」
「タルミア、タルミア、・・・」
目に涙を浮べて、タルミアの名を呼び続けるデルギオ。

44名無しさん:2007/07/09(月) 20:22:34

「もぉ、デルギオったら・・・」
彼の頭を撫でながら、タルミアが呆れたように言った。
「許してくれ、タルミア。俺は最初にお前を捕らえたとき、あんな酷いことを・・・。でも、わかってくれ。俺は、何としてもお前を手に入れたかった。そのためには、ああやって一旦捕らえて下僕にするしかなかったんだ。タルミア、すまなかった」
豚に似たその顔を申し訳なさで一杯にして、デルギオは言う。
「いいのよ、そんなことは。気にしないで。でも、デルギオ。これだけは約束して」
「な、何だ?」
「お願いだから、私を置いて一人で逝ったりしないで。貴方まで亡くしたら、私は・・・」
「・・・わかってる! わかってるさ!!」
デルギオは叫ぶように言うと、涙を浮べながら乳房に顔を擦り付ける。
そんな彼を抱きしめながら、タルミアは思いうかべる。
デルギオと2人で、子供と夫の墓の前に立つ自分の姿を。
そして、彼の事を紹介するのだ。
かつて最も愛した2人に、今の自分が最も愛し、そして、これからの人生を共に歩んでいく人のことを。
そして、亡き子供と夫の見守る前で、2人は唇を重ねるのだ。
(きっとあの子は、あの人は祝福してくれるわ・・・)
そう確信しながら、タルミアは言った。
「さあ、来て、デルギオ」
返事の代わりに、彼女のぬれぼそる女陰に、デルギオの逸物が突き立てられた。
「あぁ・・・」
タルミアの口から、甘い喘ぎが漏れた


様々に体位を変えながら、2人は激しく交わり続ける。
そんな中、デルギオが、タルミアを膝の上に乗せ、両足を大きく割り開いた。
窓の外に輝く満点の星々に向かって、タルミアの濡れぼそる女自身がさらけ出された。
「いやっ」
タルミアは恥じらいの声を上げる。
彼女の女陰を、背後からペルギオの逸物が一気に貫き、一気に責め立てる。
まるで、自分たちの仲睦まじい様を、宇宙の星々に見せつけるように。
たまらず、絶頂へと追い込まれるタルミア。
顔を後ろに回し、愛しいデルギオの唇を求める。

デルギオと唇を重ねるタルミア。
彼女の目に、窓の外の光景が映った。
しだいに遠ざかっていく辺境の惑星が見える。
漂白されていく意識の中、タルミアは、そこで出会った少年と少女のことを思った。
敢敢、そして、美美。
敢敢がいなければ、自分はナルタリを取り逃がしていたに違いない。
そして、美美との出会いが無ければ、自分はここまで正直にはなれなかっただろう。
(敢敢、美美。ありがとう。2人とも幸せにね・・・)
怒涛のように押し寄せる悦楽の津波に飲み込まれながら、2人の未来に幸あれと願うタルミア。

狂ったようにデルギオと舌を絡めあい、貪りあう。
促すように、自ら腰を激しく振る。
そして・・・
「あぁあぁ〜、い、いく、いっちゃう〜〜〜〜!!!」
聖母闘士タルミアの絶叫が、展望室の中に響き渡った。

<おわり>


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