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皮のニモ靴 ◆2tH7zOPLcg 作品

91名無しさん:2005/05/07(土) 03:28:44
夜の公園に入るというのは、俺にとってあまり気分のいいことではなかった。
そりゃ都合よく考えればいろんないけないことを期待できるが、俺にはどうも
ヤンキーが溜まってるというイメージの方が強い。
ましてや、最近後藤がらみでヤンキーにはひどい目に合わされたばかりである。
どうにも落ちつかない。亜弥ちゃん、よくこんなとこ来てるのかな…
「お兄さん?」
「んっ?」
「きょどりすぎ〜」
ぐあ〜なんか…かっこ悪いな俺。
「ヤンキーとか嫌い?」
「うん、関わってあまりいい思いしたことないな」
「そっか。あたしも大っ嫌い」
ホントか?ホントにそう思ってるか?そう思ってるやつが原チャ二人乗りでしかも
法廷速度振り切って工事用のヘルメットかぶらせたりするのか?
「お兄さん、信じてないでしょ?」
「ん、信じてないというか…亜弥ちゃんって意外とワイルドだなーと思って」
「うーん、うちのお父さんもお母さんも元ヤンだったみたいでさぁ。あたしにも
多少その血が流れてるわけだからね〜。でも、そっちの血は受け継いでないけどね」
いや、きみ多かれ少なかれ受け継いでると思うよ。
そんな風に思ってる俺をよそに、亜弥ちゃんは砂場の方へ歩いていく。
「ちょっ、亜弥ちゃん何を…」
「お兄さん見えないの?ほら」
亜弥ちゃんが遠くを指差した。
はは、なんでここまで来て気づかなかったんだ俺。こんなに綺麗で壮大な夜景を。
「綺麗だなぁ。あれは横浜ベイブリッジ?」
「そうだねぇ。こっから見る景色も綺麗だけど、あのドライブウェイから見る夜景はもっと
綺麗なんだろうなぁ」
後藤はこういう景色を眺めたことあんのかな。


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