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皮のニモ靴 ◆2tH7zOPLcg 作品

87名無しさん:2005/05/06(金) 15:51:26
おじゃましまーすと部屋に入ってきたのは亜弥ちゃんだった。
あまりの珍しい出来事に、俺は呆然とする。
「どうしたの?狐につままれたような顔して」
「いや、亜弥ちゃんが俺の部屋くるなんて、珍しいこともあるんだなーって」
「でも美貴タンはしょっちゅー入ってたみたいだけど?」
うぅっ…藤本の話か。今の心境で藤本の話はちょっと…
「お兄さん、美貴タンとなんかあったでしょ」
「え、なんで?」
「顔にそう書いてあるもん」
俺が皆からわかりやすいって言われる理由はここにあるのかもしれない。
まぁいくら亜弥ちゃんでも後藤のことは読み取れまい。
「あややに相談しなよ」
「…きみらは三人ともいい子だな。俺が困ってると必ずそう言ってくれる」
「うん、面白そうだし」
面白そう…か。
「よし」
俺は立ち上がり、財布や携帯を手に取る。
「お兄さん?」
亜弥ちゃんが不思議そうに俺を見上げて言った。
「俺、しばらく留守にするよ」
「どこ行くの?」
「旅にでるんだ。自分を見つめなおしてくる」
「はぁ?」
眉をひそめ、亜弥ちゃんは懐疑的な色を見せる。
「一人で?テストはどうするの?」
「それまでには帰ってくるさ。後藤と藤本によろしく」
「あたしも行こうかな」
「は?」
「お兄さんいい所連れてってあげるよ、ちょっと着替えてくるから下のテラスで待ってて」
いい所…?連れてってあげる…?亜弥ちゃんからそんなこと言われるなんて初めてだ。
俺は震える心臓を抱えて家を出た。


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