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皮のニモ靴 ◆2tH7zOPLcg 作品

81名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:06:46
三年生のクラスが密集している校舎に入る機会はほとんどないので、いつも
自分がいる校舎とはなんだか違う空気を感じた。そういえば、吉澤が
「なんかあそこは居心地が悪い」
なんて言ってたっけなぁ。やっぱり<縄張り>が違うからだろうか。
藤本は確か三年六組だったっけな。もう帰っただろうが、もし会ったりしたら気まずいので
あっちの方には近づかないようにしよう。
それにしても疲れた。無我夢中で走っていたからなぁ、こんなに走ったのは久しぶりだ。
俺は二階へと続く階段に腰掛けた。すぐ目の前に三年四組がある。
教室の明かりが点いてる、誰か残ってるのかな?
そんな疑問を神様はすぐに解いてくれた。教室から女子生徒が出てきたのだ。
それは、今二番目くらいに会いたくないやつだった。
「あっ」
と藤本が言った。反応されたからには俺も無視するわけにはいかない。
「おう」
なんだこの微妙な空気。沈黙は一瞬だったが、まるで時を止められたかのように
感じた。ザ・ワールドかよ。
「あんた何してんの?」
「ちょっと命のかかった鬼ごっこしててな。今はかくれんぼになってる」
「はぁ?」
「藤本こそ何してるんだよ、ここお前のクラスじゃないだろう」
「梨華ちゃんに勉強教えてもらってたんだけど、あの子トイレ行っちゃってさ。
やけに長いから様子見に行こうかと思って」
石川先輩、大の方かな。はは、まさかな。
「なんか今さっき勉強してるときにキティちゃんのボールペンなくしちゃってさ〜。
梨華ちゃん帰ってこないし、することないから探してたんだけど、一人きりで黄昏て感動した」
「なんだいそりゃ」
「あんた勉強しないの?さっきあんたの仲良しが二人で図書室いたけど」
たぶん吉澤と亀井のことかな?
勉強しなきゃなんねーよ。でも今はできるような状況じゃないんだ、追いかけられてるんだから。
もちろん、藤本に理由を言えるわけがなかった。


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