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筆の遅い仲達 ◆xhuEl2sY0Q  作品

14名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 11:14:09
振り向いた彼女は同い年くらいだろうか
田舎では見たこともない程、可愛いくて整っている

昼間会ったコと比べるとちょっと大人っぽさに掛けていたが
少しサルの子供みたいな感じだがそこがまた可愛い…

俺は立ち上がれないまま正座をした形で座り
彼女は現実を受け入れられずに口は開いたままで
頭の中が真っ白になってしまったのだろうか
胸を隠そうともしないで立ち尽くしている

2人とも顔を見合わせて動けない
正確に言うならば俺の視線はもう少し下にある
彼女の綺麗で豊満な胸であった

可愛らしい顔とは不釣合いなくらいにみごとで
形も良くて張りがある感じで…
桃色の乳首が白く透き通るような肌によく映える

・・・・・

と言っても童貞の俺は同年代の女の子の裸を見るのは初めて
顔がみるみるうちに赤くなる

しかしこんな幸せな状態がいつまでも続くわけがない…

もしかしたら俺の考えていた状況とはまったく違う展開なんじゃないだろうか
そうだとしたら今度は俺の方がやばい事になってしまう

そうなる前になんとかしなければ
俺は無実を証明し誤解を解こうとしたが
俺より先に口を開いたのは彼女の方だった

15名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 11:21:15
「だって、さっき…真希が…なんで…」

どっかで聞き覚えのある声
だがどこで聞いたのか思い出せない…

しかし、こっちもテンぱっている
このままではまずい何とかしなければ

だが感じなときに何から話したらいいのだろうか
頭が働かずまったく整理がつかない

「大体、なんで家の中に知らない奴がいるのよ…もしかして…泥棒!イヤー」
「それは違うって、どっちかって言うとそれはお前だと…」

と反論し始めた時に

「ただいま〜」

と玄関のほうから違う女の子の声がした。

やばいこのままでは更にまずいことになる、どうにかしなければ…

「亜弥ちゃ〜ん、杏仁豆腐買ってきたよぉ〜」

しかしどうすることもできない、状況は変わらない
変わったのはこいつの名前が『亜弥』というのが分かった事だけ

「真希〜入って来るちゃダメ!泥棒いるから!」

反論したいが声が出ない…
俺は心の中で叫んだ

違う違う、俺はどろぼうじゃねぇよ。全部お前の勘違いだよ!

「なに言ってるのぉ〜あはは〜亜弥ちゃん、おもしろ〜い」
「ダメだって!危ないよ!」

そうだ入ってこないでくれ、余計に話がややこしくなる

ガチャリ

しかし無常にもドアは開いてしまった。
希望に満ち溢れていいた俺の『未来への扉』
それは今、地獄への門へと変わっていた。


そして繋がらない話
明らかに動揺している

16名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 11:27:58
ヤバイ、俺はどんどん顔が青ざめていく
だが幸いドアは半開きでまだ部屋に入ってきてない為に
外の子からは俺の姿はまだ見えないようだ

「はい、亜弥ちゃんの好きな奴だよ〜あれぇ?なんで服脱いでるの?」

なんてのん気に話している。

それを言われて亜弥は自分の姿に気付いてみるみる顔が赤くなる

「キャッ!」

と叫びながら手で胸を覆い、しゃがみこんだ…

「何、恥ずかしがってるの?後藤に見られるのがそんなに恥ずかしいかぁ〜
でもね亜弥ちゃん、ここお風呂じゃないんだよぉ〜もう手がかかる子だよ、気が早いんだから〜」

と笑いながら部屋に入って来た。

17名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 11:41:31
遂に外にいた真希って子が部屋に入ってきた

俺の新生活、いや人生もこれでおわりだ…
俺はうつむいて考え始めた、今日一日が走馬灯のように頭の中を駆け巡る

すべて誤解が生んだこととはいえ最悪の1日だ…

無愛想女に、パンちら女
さらにはやっと部屋に入ったと思ったら泥棒扱い
この町はろくなことがない

そうだ田舎では両親が田んぼを耕している
だまってオヤジの跡を継げばよかった
都会になんか出てくるんじゃなかった…

いや、そんなことはない
いいこともあった昼間のケーキ屋さんで会ったあの子
名前は聞けなかったけど俺が生きていた中で最高の時間だった

こんなことにならなかったら、もう一度会えただろうか?
会いたかった、もっと色々話したかった
さよならシュークリームちゃん…そしてありがと…

親には申し訳ないが、でも漢は自分の行動に責任を持たなければ
漢としてここは覚悟を決める時だ
さぁ煮るなり焼くなりどうにでもしろ!

すると予想し得ない慣れ親しんだ言葉が耳に飛び込んできた

「あ!北村健太!」
「え?」

なんで俺の名前知ってるんだ?
びっくりして俺はハッと顔を上げ、真希って子の方を振り向いた

そこには昼間ケーキ屋さんで会った子が俺の方を指差していた

「来るのが遅いぞ!北村健太!」

まさかこんな所で再会するなんて夢にも思わなかった…
しかし状況が全然つかめない…
全然意味がまったくわからない…

だが俺以上に驚いている奴が約1名
そう、亜弥だ。

「北村健太!?もしかしてこいつ今日エレベーターのところで
一人でぶつぶつ言いながら突っ立ってた、不審者じゃない!

俺も思い出した!この声もどこかで聴いたことがあると思ったら
もしかして、こいつはあの昼間の超性格ブスで無愛想のエレベーター女か!

なんて口が裂けても言える状況じゃない

「ちょっと真希、あんた、なんでこの不審者を知ってるのよ!?」

さすがにこれ以上の泥棒扱いはゴメンなので反論しようとすると
洋菓子屋で会った子『真希』が先に

「泥棒じゃないよ〜今日から一緒に住むんだよ!でしょ?」

そう言うと真希は俺の方を振り向いてニコっと微笑んだ

か、かわいい〜この笑顔、たまらない

しかし、どう言うことだ…
一緒に住む…
一緒に…

「い、一緒に住む!?」
俺と亜弥の声が完璧にシンクロした。

18名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:02:34
俺は開いた口がふさがらなかった
それは亜弥も同じことと言ったような感じだった

「え、ええ〜一緒に住むって、ことは…この泥棒野郎が?」
「だから泥棒じゃないって、この人が前からルームシェアするって言ってた人だよ」
「男なの!聞いてないよ?」
「え〜ウソウソ〜あたし前から何度も何度も言ったよ。
いつも亜弥ちゃん適当に返事してるとおもったら、やっぱり聞いてなかったね。もぅ〜」

と言ってくちびるを尖らせる真希、かなりいやそうな顔をする亜弥
どっちも可愛い…

少し考えて亜弥から出てきた一言が

「やだ」

え〜〜意外な展開!と言うよりも俺の寝床はどうなる…

「ムリムリ!絶対ムリだって。こいつ泥棒みたいに勝手に家はいるし」
「それはどうせ亜弥ちゃんがめんどくさがりで出なかったんでしょ?いつものこと、お見通しだよ♪」
「うぅ〜それに暗闇の中で私のこと揉みくちゃにするし」
「それもどうせ全部、亜弥ちゃんの早とちりでしょ〜いつものことジャン♪」

と亜弥の文句を軽く受け流してくれる真希
だけど俺の早とちりもあるんだけど…
それは言わないでおこう

「だいたい、私はこいつに裸を見られたんだからね!」

それはお前が勝手に脱いだんだろが!でも大丈夫だ。
この調子なら真希が返り討ちにしてくれるだろ

「それもそうね、だいたいなんで亜弥ちゃん裸になってるの?」

え?予想を反する真希の対応
裏切り者ぉぉぉ

てか
え、え、えぇぇぇぇぇぇ〜それこそ早とちりだろ!勝手に脱いだんだぞ…
これに関しては俺はノータッチだぞ

しかしそんな言い訳が通じるのだろうか俺、大ピンチだ
どうする俺…

19名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:23:00
「なんで?亜弥ちゃんが裸なの?」

と真希が俺の方に話を振って来た、なんて答えたらいいか

「それは…」
「それは?」

俺はどうしようもなくなり、下に俯いてしまった。
しかし逃がすものかとさらに俺の顔を覗き込んでくる真希
まさに絶体絶命! でもこの顔をみたら言わざるをなくなってしまう
ここは正直に言ってみるしかない

「あ、あいつがブラ直すとか言って勝手に…」
「ピンポーン!正解〜」
「え?」

ピンポーンって?なんだ?

すると真希は人指し指を立てオデコに持って行き
あたりをうろうろと歩き回り初め
いかにも考えてます的なポーズで語り始めた

「亜弥ちゃん!あなたはいつも見え張って大きいブラ付けていますね!そのままでも十分大きいのにねぇ〜」

と振り返り亜弥を指差した
ドキッっとしたのか亜弥の顔が一瞬こわばる。

「だからちょっとしたことですぐズレてしまう!
しかも、面倒くさいがりやのあなたは直すとき、つい裸になってしまう習性があ〜る。
違いますか?」

え?そうなのか〜と
俺がドキドキわくわくした顔で亜弥の方を見ると

なにみてんだ!
と言わんばかりの顔でにらみ返してくる。
萎縮してしまう俺…

「そして今日の場合もいつもと同じ様に裸になってしまった!
しかしあなたは大きなミスを犯してしまったのです!」
「ふむ、ふむ」
「面倒くさがりで、早とちりの亜弥ちゃんのこと暗闇の中で誰なの分からないにも関わらず
あたし後藤か美貴ちゃんのどちらかと勘違いしてそのまま気づかずに服を脱いでしまった・・・
という訳だよ!ワトソン君〜」

とまるで自分がシャーロック・ホームズにでもなったかのつもりで
この難事件?を解決してみせた。

「おぉ〜」

パチパチパチパチ〜
それは俺が思わず声を漏し拍手をするほどの推理力だった。

「えっへん!これにて一件落着〜ってとこかな^^」

と真希はまた俺の方を向いて微笑んでた、、、
その笑顔に俺は吸い込まれてしまいそうな気がした

20名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:28:50
ここで面白くないのは亜弥だろう

「そうよ、そうですよ!私が全部悪いのよ〜」

と未だに服を着ようともせず、その豊満な胸を揺らしながら
亜弥はそっぽを向て、ツンとしてしまった。
きっとまた興奮のあまり自分が服を着ていないことを忘れてしまったのだろう

それに気づいたのはやっぱり真希だった。

「うん、それはそうなんだけど。寒いでしょ、早く上着れば」

それを真顔で言える真希がおかしくて俺は必死に笑いを堪えていたのだった。

「きゃっ!」

それを聞いて亜弥はまた顔を赤くして胸を手で隠してしゃがみこんだ

「わかったから、着替えるから、そいつを向こう向かせといてよ」

ん〜もったいないと思いつつも
ここはおとなしく引き下がらないとまた問題になる
俺はだまって亜弥の言う通りにした。

後ろを向いた俺を、真希がニヤニヤしながら覗き込んでくる。

「なんだよ」

とぶっきらぼうに言うと真希が

「びっくりした?」

と意味深な問いを投げかけてくる

「あたり前だろ!わかってるならあんな言い方するなよな!」
「ん〜なんのことですか?」

と自分で聴いたくせに、いきなりすっとぼける。しかしそんな真希も愛らしい

21名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:34:32
俺は思わずドキッとしたが平常心を保ち

「とぼけんなよ〜わかってんだろ」
「あはは〜お昼の仕返しのおまけだよ〜で?どっちの方が驚いた」

どっちと言うのはきっと

「そのうち分かるから〜」
と意味深な言葉を言い残して走り去ったのに再びこうして俺の目の前に現れたこと

そして残りの1つは
俺が亜弥の裸を見てしまった理由をわかっていたくせに俺に質問して落し入れようとしたことだろう

驚いたのは当然、前の方である。もう会えないと思っていたのに
真希にもう一度会えた喜びも加わり、さらに驚きを増した

しかしここで再会出来たことだと答えれば
俺がまた会えて喜んでいると言っているようなものである
見透かされてしまうのはさすがに照れくさい…
だから正直には答えなかった

「今の方だよ、ひやひやしたぜ!」

どうせ真希のことだ、また俺の答えを聞いてなんか吹っかけてくるに違いない
そうだ今度はやられる前に俺から吹っかけてやろうと構えていた。

すると真希は以外にもあっさりと

「ふ〜ん、そう」

さっきとは一転つまらないっといった感じの顔をした。
以外な態度に拍子抜けしてしまった。

俺なんか間違ったこと言ったか?それとも変なこと言ったか?
ん〜と悩んでいると。

「ただいま〜」

また玄関のほうから声がした。

22名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:37:59
ドタドタ

やけに騒がしく入ってくるもんだな

「キャッ!」

ドテッ バタン

たぶんコケたな…

「おい、なんか来たぞ?大丈夫か?」
「うん、いつもだから」
「いつもって…」

やっぱりさっきとは違いよそよそしい感じ…

「キャー、いたあ〜い」

ドン、ぱりーん

「うわぁぁ〜」

どどどどどん!

「ひゃぇ〜」

・・・・・・

「これ、いつもなの?」
「…う、うん」

ボズッビロビロビロ〜

「あ〜〜なんでこんな所にあるの〜」

ドデ〜ン、

「うぇぇぇん〜〜」

・・・・・

「おい、本当に大丈夫なのか?」
「・・た・・たぶん・・・」

だんだん真希の言葉にも自身がなくなってきたように思えた

23名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:45:38
「ひぇ〜〜ま、ま・・・」

ずどーーん!!!!

また、こけたな・・・

「真希ちゃん助けてぇ〜」
「おい、いくらんでもやばいんじゃないか?」
「そうみたい!美貴ちゃ〜ん」

と真希は玄関へと走り出した

「俺もいくぜ!」

と振り向き玄関の方へと行こうとすると

ズピューーン

俺の顔めがけて小物入れが飛んできた
元高校球児を舐めるな!動体視力には自信が…

ゴン!

見事、俺にクリーンヒット
そして恐ろしい剛速球
こんな怪物が甲子園にも行かずに埋もっていたとはな…

バタン

「こっち向くなって言ったろ!」

怪物の正体は亜弥だった…

「なんだ、おまえまだ付けられないのかよ!」
「うるさいな!あんたらがイチャイチャしてっから
気になって着替えれなかったんだよ!つかじろじろ見ないでよね!」
「だ、だれが、見るかよ!」

そう言いながらも手では覆いきれない
部分に目はくぎ付けだった
そんな言い争いをしている間に
真希が騒ぎの元を連れ帰ってきた。

「大丈夫?」
「う〜ん、部屋は電気ついてるけど、玄関暗いんだもん」

おいおい、それだけでこんな大騒ぎになるかよ
とんだおっちょこちょいだな

24名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:49:33
おっちょこちょい?いやな予感だ…
正直、思い当たる節がないでもない…

「そっか〜美貴ちゃん、とりあえず怪我はないね?よかったよ。
あたしここ片付けちゃうから、美貴ちゃんはさきに部屋入ってなよ」
「私も手伝おう・・」
「いいよ!いい!うん、あたし1人で大丈夫だから、だからね」
「うん、ありがとう・・・」

きっと手伝うとまた厄介なことになると思ったんだろう
真希はうまく美貴を言いくるめて部屋へとおっぱらった

「亜弥ちゃ〜ん、ごめ〜んまた花瓶をっちゃったよぉ〜」

といいながら女の子が部屋に入ってくる。
しかもこの状況はまたしても、やばい隠れるべきか

速やかにこの場から移動しなければと思ったが
そんな場所・時間があるわけなくきっと簡単に見つかってしまうだろう…

その子の顔をまだ見てはいないが、悪い予感がする。
こう言った時の俺の感はずるどいものがある・・・

恐る恐る顔をうかがってみると
その子はやはり昼間、入り口で会ったパンチら娘。だった
やっぱり本当に二度あることは三度あるのである

「お、お、男の・・男の人・・?」
「あの、昼間はどうも。。。」
「え?なんで知らない男の人がいるの?」

おいおい、昼間あっただろ。俺のこと忘れたのか!

「いや、美貴〜これには色々とわけがあるんだよ、ね?」
「え?え?わ、わけ?」
「美貴、とりあえず落ち着こうか?落ち着こう」

ここは俺もフォローしとかないと
そう思って美貴に近づこうと立ち上がった。

25名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 12:52:06
しかしそれを見て美貴ちゃんは後ろに退き俺に訴えかける

「いや、来ないで!」

俺はまたしてもA級の犯罪者扱いか…

「美貴、大丈夫だよ。こいつはね〜」

とここでまた美貴が新たな発見をした

「て、てかなんで亜弥ちゃんは、は、は、裸なの?」
「え?キャっ」

としゃがみこむ亜弥
それは入ってきたときに気づけよ…

「亜弥ちゃんが男の人と裸でって、え?その私…」

と顔を真っ赤にした美貴

「え?君、ちょっと変なこと、、、ち、違うよ?」

俺の言葉なんか届くはずもなく

「ごめんなさーーい!!」

と言い、美貴は半泣きで部屋から飛び出して
玄関の方へと走っていった。

そこにちょうど片付けが終わって真希が戻ってきた。

それにも構わず走り去ろうとする美貴を見て
真希も異変に気づいたのか呼べとめようと声を掛ける

「美貴ちゃん?どうしたの!」
「亜弥ちゃんが亜弥ちゃんが〜」

とだけ言い残して
真希の横をすり抜ける用にして
そのまま玄関から出て行ってしまった。

慌てて真希が部屋に入ってきて俺たちに問いただす

「いったい!何があったのよ?」

しかし俺たちは黙りきったまま何も話そうとはしなかった。

26名無し募集中。。。:2005/04/30(土) 13:01:41
「何だんまりキメ込んでんのよ!亜弥ちゃんまた美貴ちゃんになんかしたの?」

しかし亜弥はしゃがんだままオレを指差して言う。

「こいつが…こいつが…」

オレか?ことの発端はお前がさっさと着替えないからだろ・・・

「亜弥ちゃんに聞いてもダメかな…亜弥ちゃんほら着替えないとダメだよ
こっちの部屋で着替えたらもう休んでていいよ。」

と優しく声を掛け真希は亜弥を奥の部屋へと連れて行った。

帰ってくるなりそうそう真希はオレに問いただしてきた。

「で北村健太!なにがあったの?」
「いや、その…勘違いだから…」

はぁ〜と真希は深くため息をつき

「あ〜ラチがあかないな〜もぅとりあえず美貴ちゃんを探しに行かなきゃ!」

そう言って真希は四月まだ肌寒い夜の町へと飛びだして行った!
真希は無事、美貴ちゃんを連れ戻すことが出来るのだろうか…
がんばれ真希、僕らの明るい未来のために
つづく、、、

「なに、わけの分からないこと言ってんのよ!」

今、さっき部屋を飛び出し、美貴ちゃん探索に行ったはずの後藤が戻って来た

「どうした?忘れもんか?」
「どうしたじゃない!一緒に来る!」

なんで俺が!と口では言えるはずも無いので顔で表してみる
それを察した真希が今度は
目を細め口を尖らせながらの渋い顔をする。

そして急にしゃがんでオレの方を指差して一言
「こいつが〜こいつが〜」

亜弥のマネか似てないだろ…
そう言う問題じゃないか…

俺はため息をついて

「はぁ〜分かったよ!行けばいんだろ!」

とオレは少し愚痴を溢すような感じでいい
そんなオレに真希はニコっとして

「初めからそういいなさいよ!分かったらすぐ出かける!」

と言い俺の手を取る
俺はまたドキっとしたがそんなこと感じている暇などない

真希に強引にオレは引っ張られるような形で部屋をあとになった。

27名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:13:51
真希につれられて美貴ちゃんを探しているが
肝心の美貴ちゃんはまったくもって見つからない
手がかりもなく探すのはもう限界だ…

俺たちはとりあえず近くにあった公園で
休憩を兼ねてこれからどうするかを話し合うことにした

「なぁ、なんか思い当たることとか無いのか?」
「う〜ん…亜弥ちゃんならどこにいるか分かるかもしれないけど」
「じゃあ、電話して」

しかし幾ら電話しても亜弥は出ない
こんなことをさっきから何回も繰り返している
だから話の内容はいっこうに進まなかった

その時 突然 真希のケータイが鳴った
こ、この曲は…
『ムーンライト伝説』
なんてちゃめっ気タップリなんだ!!!!
ちょっと興奮してきた!

やっと亜弥からの連絡が帰ってきて
これで何か解決の糸口がつかめるかもしれないと思った

28名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:14:12
しかし話は意外、、、
いや異質な方向へと進んでしまう

真希の顔つきが変わり、口調も変化した。

「もしもし、何やってたの?どこ行ってたのよぉ!」

おぃ、亜弥と話てるんだよな?家じゃねぇのか???

「嘘だ、まぁ、いいけどね。今からバイト行くところ、忙しいんだから切るね」

ピッ―
 
え?なんで切ったんだ?
真希のいきなりの奇想天外な行動に俺は呆然と立ち尽くす
だが自然と自分が発するべき言葉は思いついた

「おぅおぅ無理してるねぇ、バイトなんかしてないじゃん」

違うな…これじゃない。正解だけど間違ってる、それに俺の台詞じゃない気がする…

「っておい!切ってどうすんだよ!」
「あ…ごめん、つい癖で〜」
「・・・・・じゃあ、仕方ないね」

俺たちは唯一の手がかりも失ってしまった。自らの手によって(てか真希のせいで…)

29名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:14:30
しかし意外にも次のチャンスはすぐにやってきた。
再び真希の電話から「ムーンライト伝説」がなり響いたのだ

なんとさらに意外だったことに
電話の主は当の美貴ちゃん本人だったのだ!

電話を手にすると再び真希の顔付きが変わる。
さっきの二の舞になる前に
俺は真希の腕を掴んで、首を横に振った

すると真希もハっとした表情をすると
元に戻ったのだろうか、無言でOKサインを送ってきた
とりあえず一安心だ…

「もしもし美貴ちゃん、今どこにいるの!?」
「あたし、あたし…」
「迎えに行くから、大丈夫だよ!どこにいるか教えて」
「マンションの階段のところ…」
「え?どういうこと?」
「・・・・・」
「美貴ちゃん?美貴ちゃん!」

プッ、ツーツーツー

電話が切れてしまった…

30名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:14:58
「で、なんだって?なにか分かったのか?」
「マンションの階段のところにいるって」
「マンションの階段?つか俺たち階段降りて来たろ?」

そうなのだ、俺たちのマンションには
贅沢にもエレベーターが付いているのだが
本日マンションのエレベーターは故障中なのである(スレ1参照)
今日、俺は必死にそこを昇って行ったのである

「う〜ん、そうなんだけど…」
「とにかくマンションに行こう」
「うん」

真希の顔からは疲れと心配からかもう笑顔が消えていた。
少し休ましてあげたいと思ったが、そんな余裕はない
もう少し我慢してくれ…

俺たちは急いでマンションまで戻った。

マンションに着いて一気に12階まで掛け昇ったが
美貴ちゃんの姿なんて何処にも見当たらなかった…

31名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:15:22
「やっぱり違うんじゃないか」
「うん…そうかも」

やはり真希の声には元気がない
俺なりに精一杯、真希を気遣ってみた。

「なぁ疲れてんだろ?先に部屋に戻って休んでろよ」
「そんなわけに行かないよ、それにまだ大丈夫だから」
「大丈夫じゃないだろ?」
「大丈夫だってば」
「いいから休んでろよ」
「いいってば…」

だんだん2人の空気も悪くなってきた
ここでよせばいいのに俺はムキになって言った

「いいよ、後は俺一人でなんとかなるから」
「だいじょうぶ」
「無理すんなよ!」
「してない」
「してるだろが、いいから部屋戻れよ!」
「イ・ヤ・だ!」
「なんでだよ!そんなに俺、信用ないのか!」
「違う!そんなことない…」

32名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:15:49
明らかに真希がトーンダウンしたのが分かったが
勢いあまって俺はつい強く言ってしまった

「じゃあ、なんでだよ!言ってみろよ」
「・・・・」
「黙ってちゃわからないだろ」
「ただ、、、」
「なんだよ?」
「ただ、一緒にいたから…」
「う・・・」

真希の意外な言葉に俺は度肝を抜かれてしまい
あれだけ勢いに任せてしゃべっていたのに
次の言葉が出てこなくなってしまった。

「ごめん、あたし足でまといみたいだね…」
「・・・・」
「言う通りにして部屋、戻るね…」
「・・・・」

今度は俺が黙りこくってしまった。
ここで、すぐ誤らなければならないのは分かってる
だが言葉にならない…
悪いのは自分だと気付いているだけに
そんな俺が情けなくて、悔しくて俺は天を仰いだ…

33名無し募集中。。。:2005/05/02(月) 00:16:18
すると緑色の光が遠くの方から目に入ってくる
光の元を突き止める、それは階の反対側の一番奥の扉の上からだ
よく見てみると文字が書いてある…

俺は閃きとっさに帰ろうとする真希を引き止める。

「おい!ちょっと待った!」
「なに・・・」

と元気なさげに振り替える真希

「アレ見てみろよ!」
「ん・・・?」

不思議そうに俺の指す指先を伺う真希

「ひ、じ、ょ・・・あ!」
「そう、分かったか!」
「非常階段!!」

このマンションは贅沢で
階段に咥えてエレベーターも付いているが
それとはまた別のところに非常階段なるものがついているのだ
おそらく美貴ちゃんが言っていた階段はこれに違いない

俺たちの顔に再び希望の色が戻ってきた


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