[
板情報
|
R18ランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」
88
:
エヴァンジェSSその7
:2006/10/29(日) 23:05:49
『……前金が?』
「ああ」
まじかよ、とマーシャルが呻いた。次いで、そういやそうだったよなぁ、とぼやきつつ、
『……じゃぁ、しょうがないよなぁ。やるしなないよなぁ。そんなに貰っちゃたんだものなぁ』
一頻りそう繰り返した後、マーシャルは告げた。
感情を削ぎ落とした、冷え切った口調で、
『やってこい。プロだものな』
それは事実上、『死んでこい』と同義だった。それを承知しつつも、二人は会話を続けていく。
「そのつもりだ」
『戦闘が始まれば、こちらからの指示は出せない。これはいつも通りだ。無事任務が終わったら、そちらから一報を』
そこで、通信が途切れた。
『死んでこい』と言った後とは思えない、そっけない別れ方だった。
だがエヴァンジェは、特に薄情とは思わなかった。
お互いプロなのである。レイヴンとオペレーターの関係は、元来こういうものだし、こうあるべきだとエヴァンジェ自身も思っていた。
「……行くか」
呟き、ブーストペダルをより深く踏み込んだ。
オラクルが速度をあげて、網目のような地下水路を進んでいく。
エヴァンジェの聴覚が、背後より近づいてくるブースト音に気づいたのは――そうして五つ目の角を曲がった頃だった。
(じき追いつかれるな)
思ったが、もう待ち伏せしようとは思わなかった。
勝負の時間である。
エヴァンジェはルートを工夫しつつ、地下水路を駆け抜け、やがて目的の空間に辿り着いた。
馬鹿みたいに高い天井と、馬鹿みたいに広い床。珍しく照明が施されており、強烈な光が、カビの生えたコンクリート壁を、佇むオラクルを、その膝下まである水面を、白く照らし出している。
エヴァンジェが戦場に選んだ場所とは、この大空間――無数の水路が集中する『ターミナル』だった。
(ここなら)
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板