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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

69忠実EOのオメガSSその14 ◆8G/OIpNBb2:2006/10/05(木) 20:39:50
 呟き、オメガはブーストペダルを踏みつけた。
 猛スピードで接近、ファシネイターの懐に潜り込む。
 ジナイーダが、驚きの声を漏らした。
 オメガは構わずスティックを操作し、チェインガンを照準した。
 70ミリの砲口が狙う先は――ファシネイターの右肩だ。
「死ねよ……」
 静かだが、その分寒気のする声だった。死神が、耳元でそっと囁いたら――こんな感じかも知れない。
 直後、チェインガンが吼えた。
 無数の銃弾が、ファシネイターの右肩に突き刺さる。
 鼓膜を叩く発射音の中、金属が歪み、千切れる音が響いた。
 高威力の銃弾が、ファシネイターの右肩をもぎ取ったのだ。
『なんだと……!』
 ファシネイターは、残った左腕でクランクラウンを突き飛ばすと、ブースト移動で間合いをあけた。
 しかし――それは紛れもなく、本能的な『逃げ』の動きだった。
 ドミナントが、怖れている。
 オメガが叫びをあげた。
 スティックを握り直す。
 そしてもう一度、ブーストペダルを踏みつける。
「行くぞ……!」
 呟きつつ、クラウンクラウンが接敵。
 マイクロミサイルが浴びせられるが、怯むことなく中央を突破し、ファシネイターに迫る。
 このまま接近し、またチェインガンを浴びせかける。それしか頭になかった。
 同時に、地力で圧倒的に劣るクラウンクラウンが、ファシネイターに勝利するには――この特攻先方しかないと、本能的に看破してもいた。
 だがそこで、疾走する機体に鋭い衝撃が走った。
 ロケットだ。マイクロミサイルに紛れ、ファシネイターが撃っていたのだ。
 そしてその鋭い弾頭は、クラウンクラウンのジェネレーター部位に、冷酷に、かつ無慈悲に突き刺さっていた。
「……は?」
 一瞬の間。
 ぞっとするような、空白の時間。
 それが過ぎた後、急激に機体温度が上昇し始める。
 ダッシュが止まる。
 腕部が痙攣を始め、サイトが勝手にぶれる。
 慌ててトリガーを引くが、どうしてか弾が出なかった。
「ふざけんなよ」


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