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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

607隊長:2011/11/06(日) 13:42:08
…天高く流れる星に撃ち込む自信など私にはない
星を背に、衝撃波を撃ちやるレイヴンを前に、時間すら縮める光の前にはどのような動きを取ろうとも無駄なことだ。
エヴァンジェの脳裏にふと過ぎる言葉と考えがあの時を思い出させたが、無駄なこと、そうは思えない。今なら捉えられる。
威圧と異型を持つ長槍の如きKRSWから驚異の速度で瞬間的に射出し続けられる光弾の雨。
視覚から得る周辺の状況、状態と光弾の予測落下地点、自身の出せる最大速度と、確保できる脚取り、踏み込み位置。
避けられない、機体の損傷度から問題にならずに済む弾は無視。しかし直撃すれば確実な致命傷となり得るものが一から三発。
ぐるぐると巡る考えの中、刹那に選び出した策。
エヴァンジェは光弾を叩き落すと決めた。
両の腕に備えられた金色のブレードフレームから、蒼の刀身を伸ばせば僅かに触れた部分からは火の粉。
光弾網との接触地点へと突入し加速する推力機を絞り込み、初弾、コアへと直撃する光弾を右腕のブレードで除去。
そこから振り抜いた腕を地に、その支えを主軸に各推力を順に吹かして加速度を生かしたままの脚を浮かし、空転、瓦礫で埋め尽くされた足場を削っていく光弾の隙間を縫い着地。
主推力をもう一度全力に、回転を加えたままの姿勢から二、三の光弾を打ち落す。
この間に減速は見られなかった。

『早過ぎる、これは…』

レイヴンの脳裏にも言葉は過ぎる。
無限に進化する力、そんな実在する御伽噺を。だがそうだろう、以前とは違いすぎるのだから。
無茶な連続射撃を試みたせいで、ACの出力機は一時的な出力不足。その脚を一度構造物の上に突き立てる必要があった。その合間の考えだ、嫌な汗を感じるのはあの時以来か。
今目前に迫る男との戦闘の後に戦った彼女のことを思い出す。
エネルギーの回復は間もなく、迎え撃つ準備を。レイヴンは標準調整と火器管制の変更、前面に展開する防御スクリーンの被弾角度や展開構造の二重化三重化。
カイルスのナノマシン残量はあるが、不安要素は残る。
エヴァンジェとの距離、あと僅か。


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