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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

60名無しさん@コテ溜まり:2006/09/17(日) 19:31:26
 我輩はAMIDAである。名前はまだ無い。どこで生まれたかはとんと見当がつかん。
いや、ここには我輩と同じ様なAMIDAが沢山居る、そしてその中には生まれたてのAMIDAもいるから
おそらく我輩はここで生まれたのだろう。
今日も今日とて培養層の中で我輩の同胞と一緒にのんびり暮らしている。

我々の暮らしぶりを観察している集団がいる、キサラギとかイザナギとかいったか。
まぁ「彼ら」とでも言っておこうか。彼らは皆白衣である、我輩の見ていない処では違うのだろうが
それすらも日ごろの彼らの様子を見ている限り怪しいものだ。観察する分には問題ないのだが
彼らは我々をみて性的興奮をしているのだ、しかも深夜、一人っきりになった培養層を見下ろす研究室で
自慰行為に及ぶ者すらいる、我々に見られているという自覚がないのだろうか、むしろ彼らにしてみると
我々に見られている方が興奮するのだろうまったくの変態である、我輩――正確には我々だろうがを見て
そこまでされるのは精神衛生上好ましくない。

そんなストレスを発散するため我輩は時々研究所内を探索するのが楽しみである、もちろん培養層から
出るのは厳罰であるからこっそりと彼らの見ていない隙を狙っては培養層の隅に設けられたダクトに
入り込む、ダクトの入り口には金網があるが欠陥工事なのか取り外し可能となっている。
このダクトは研究所中に繋がっているらしく我輩でも全体を把握できない、そしてダクトからみる所内は
我輩の好奇心と探求心を呼び覚ますのに十分すぎるほど面白い、第一ブランチにあるAC設計・開発部門
を覗くことの出来るダクトは我輩のお気に入りの場所である。

AC設計・開発部門では名前のとおりACを開発しているらしい、見渡せば「瑠紗那☆」と肩に書かれたACが
立ち並んでおりその周りを機械が動いている、近くにいた研究員の話をきけば今度はAMIDA搭載型無人AC
を開発中らしい、人間の変わりに我々が戦うなど御免こうむる、我輩は今の生活で十分である。

ふと視界の隅に入った時計に目をやるとAMIDA担当の研究員が休憩から戻ってくる時間である。
我輩は培養層へと通じるダクトを急いだ、這ってでは遅いのでジャンプしながらだ、奇怪なのは解っているが
この際かまってはいられない、彼らに誤魔化しはきかない、彼ら全てのAMIDAを把握し一匹一匹に名前を
付けているのだ、一匹足りないだけで研究所中に警報が鳴り響くだろう、かくいう我輩はサンタナと
名づけられている、我輩はメキシコ生まれではないのに。

なんとか培養層に到着し金網を元に戻したところで上の研究室に人が戻ってきた、どうやら間に合ったらしい。
それから彼らは我々を観察し続ける、彼らは我々を観察しているが、我輩も彼らを観察するのは楽しい。
我輩と彼らは見目こそ違いはあれど芯の部分は似ているのかもしれない。


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