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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」
594
:
隊長
:2011/11/06(日) 13:36:59
「エヴァンジェ、泣きそうな顔してる」
扉に手をかけた少女がこちらに振り返っていたことに気付き、彼女の言葉に思わず顔を触ってしまった。頬は濡れているワケではないようだが。
そんなことはない、と強がりの口調も流され抱える本を足元に、少女は男へと駆け寄りその勢いのまま座る男に抱きついた。
驚きながらも自身に顔を埋める少女の頭をゆっくりと撫でてやる。そんな男が今、どれほど優しい瞳で笑っているかを教えてやったらそれは驚くことだろう。
その顔に獣など影も見られない。
「エヴァンジェのこと、好き…エヴァンジェは?」
「無論、君が好きだ」
引っ張るコートから上目遣いに少女は頬を赤らめた。返す言葉も照れくさい、日の落ちる空のように男の顔もまた赤く。
シンとする室内、男の耳に届くのは少女の息遣いと身体を通して伝わる鼓動だけ。
それのなんと心地良いことだろうか。
男が知らなかった感覚、本来ならば知らずに世を離れていただろうこの感覚は、いつの間にか男の琴線に触れていた。
ほろりと零れる男の涙に少女は口を、つんと尖らせる。
「やっぱり」
流れる雫に、少女の言葉に、男は…エヴァンジェは無理にでも笑ってやろうとしていた。
だが上手く笑えない自分が居て、それに気付いた自分もあって、男の涙大粒のものと。
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