したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

591隊長:2011/11/06(日) 13:35:50
あれから4ヶ月、多くの企業が本社、支社施設を展開する都市部では急速な復興活動により様々な機能が回復している。
複数の車両用レールには既に貨物車両も見られるし、大型の作業用MT(マッスルトレーサー)や重機が騒がしくあっちへこっちへ。
柱の溶接によって吹き荒ぶ火の粉を避けながら走るヘルメットにスーツ姿の企業人などは何処か可笑しな光景だ。
そしてそれらを通してわかること、それは世界が確実に修復を遂げて行っているということだ。
一度分裂したアライアンスではあったが、各地で多発する頭を失った武装勢力による略奪行為、これへの抑止力としてクレスト、ミラージュ、キサラギは再度アライアンスの名を使い〝ラストレイヴン〟を企業側へと置くことに成功。
この絶対的存在を広告塔とすることで武装勢力の暴走はこれを機に激減し、歯止めが効かない程膨れ上がった勢力は企業側の部隊によって文字通り殲滅された。
それにより都市部から離れシティーガードすら存在しない小規模なコロニーでも復興作業が盛んになり、都市部の機能回復によって企業からの支援も円滑になった今、とある街にも復興という言葉は形となって見られた。
一人の男が身を隠す寂れていた街にも。

男は見惚れていた。
ケーブルを命綱に高所の僅かな足場を軽やかに渡っていく若々しい男性を、旦那にでもと焼いたのであろう香ばしいパンを包む女性を、露店を開くためか古びた木材に金槌を小気味良く鳴らす初老の男性を。
こうして自分達の住むべき街を自身の手で自身の足で、蘇らせ心地良い場所へとするため汗を流し、誰かを想い、動き続ける、この街に。

「人…か……」

その顔に見られる羨んだ瞳はどこか曇り沈んでいた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板