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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

586隊長:2011/11/06(日) 13:34:02
山岳地帯より見下ろす光景には金属と灰に煤けた街。
居た、男は眼光をよりいっそうのものとする。15メートル程はある人型の群、100t級のMT(マッスルトレーサー)が瓦礫の下から物資の代わりとすべく残骸を集めている。フツフツと湧き上がる怒り。さらに加速する青の脈動が怒りを視覚可させた。
心の臓は今や機械の出力機の様で、伸縮しないのだ。そのせいか耳鳴りにも似た轟流音が脳内の一切を排除しようとしている。近くに転がっている眼下のものと同じ100t級のMTの残骸に歩み寄り触れる。掌の感覚を通した装甲、その表面は傷付き元の滑らかさなど感じられなんだ。
男の耳鳴りが止まない、酷く騒がしい、鼓動が、脈動が、循環する青。何よりも感情に支配されていた……感情に支配されている自分に。
口元に歯軋り、表情筋はより深い皺を、その瞳に絶望の煌きを。
「わかっているのか…引き換えせんぞ」

〝業だ、精々背負いきることだな?首輪つき〟

「…だが、抑えられんさ」
想いはもう止まらない ―――


――   パ  ル  ヴ  ァ  ラ  イ  ズ  ――


見上げる空に絶望の光、山岳部一帯を包み込んだ青の輝きに辺り総てはその瞳を照らされる。
降り注ぐ粒子に星の煌きを、光の中心に大いなる災いを、現れた人型に底の知れない絶望を。
あの日総てを削ぎ落とし輝きに終止符を打とうとした者が居た。その願いは他者に預けられ、預けられた者は〝そうであれ〟とトドメを刺さなかった、僅かに躍動し呼応する青に気付かなかったのだから。
その一瞬の間違いから、絶望は再び地上に手を伸ばす。

光の渦の中心、粉砕者<パルヴァライザー>に代わりし絶望は、神託<オラクル>を受けし青の巨人となりて飛翔する。
浅葱の板金に身を包み、模した姿は人の四肢、今此処に君臨せしもの、人それをこう呼ぶ…

〝アーマード・コア〟

と。


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