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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

496隊長:2011/10/10(月) 16:35:48

『どう思う、レイヴン』
影を落とす女性の顔を映す電子画面に照らされるこの空間は相変わらず暗く、レイヴンと呼ばれる男は気だるそうな瞳に一握りの哀愁が。
これに気付いた女性は、勘繰るような瞳でレイヴンへと問いかける。

『同情しているの?』
「なんだか、見ちゃいけないものを見ちまった気がするよ」
『…そうね、以前の彼からはまるで想像できない。でも、企業と貴方、ふたつを仲介する立場として言わせて貰えば、精神が不安定だからこそ危惧すべき存在であり、早めに芽を摘むべきだと思うわ』
「不安定ねぇ、建前用意して三企業を再び統一、それでやることは道理のわからないガキと変わらん男一人を殺すこと…か。物のわかった大人ってのは恐い恐い」

画面の向こうからそれは皮肉?と言う声が聞こえたがレイヴンは軽く流し、重い腰を持ち上げた。どうやら彼は何かに腰を下ろしていたようだ。
一旦暗闇の中へと消えた男、次には眩い光源が天井から辺り一帯の暗闇を呑み込みかき消した。
どうやら此処は巨大な造りのガレージの様だ、飾り気もなく温かみもないただただ無骨な金属の空間。作業用のクレーンやケーブルがぶら下がる天井には大型のライトが幾つも並ぶ。
そしてその下に佇むは鋼の皮膚に身を包む白金の板金が眩い巨人。

「シーラ、出撃する。ガキの相手は同じガキが一番だ」

展開される電子画面の近くに戻ったレイヴン、その瞳には紛れもない最後の烏として鋭さが光る。
シーラと呼ばれた女性は目標と呼ぶ者の所在地を画面へ出力、そしてその画面には、エヴァンジェの名の代わりに並べられたパルヴァライザーの文字。
獣の烙印を捺されたことへの同情か、レイヴンはその表情を僅かに歪めた。

『あの時、ちゃんと止めを刺していれば…なんて責任感じる程度には大人なのね』
「……どうだかな」

白金のACに紅い瞳、各部から排出される蒸気は息を吹き返した姿の様に。
最強を冠したレイヴンは再び動き出す。


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