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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

480隊長:2011/07/17(日) 01:56:30
「もう行っちゃうのぉ!?」
格納用エレベーターの中をブースターの轟音が暴れ、その音に負けじと少女は声を張り上げる。
エレベーターの駆動音にACが放つ騒音も混じりしっちゃかめっちゃかな反響音の中その言葉は男の耳に届いた。
「いつまでも此処でゆっくりしてられないから!それと!首にかけてるヘッドセット使うんだ!!」
そう言って少女に首元を指すジェスチャーをしながら、男はACの首後ろに隠れたパネルを叩きコックピットを開けた。
少女がヘッドセットのサイズを合わせている間に男も狭い個室の中へ、パチリと捻ったスイッチに通信の状態を有効に設定する。
『キサラギ、嫌いだったんじゃないの?戻ってもへーき?』
ヘッドセットで騒音が幾らか抑えられたものの少女の声はまだ大きなモノだ。
仕草のひとつひとつが可愛らしい少女に男はつい笑ってしまう。
「俺を使い捨て同然に扱ったのもキサラギだが、もしものために避難所を残しておいたのもキサラギだ。そう考えると
企業の全部が悪いワケじゃないんだろうからって思えた…それだけさ」
分厚い防護扉が開く、天気は晴れ、少女の肌にも太陽の光が当たる。
「また此処に来ても?」
『わたしは良いけど、ここ避難所だよ?』
「俺、よく機体ぶっ壊すからさ」
久々に動かす脚部間接は重い、装甲の間から響く駆動音は一歩踏むたびに振動となり少女に伝わる。
アイドリング状態で吹かしていたブースターを少しずつ強く、少しして脚は地面から離れた。
コアに弾痕の目立つACはその高度をどんどんと上げる。サブカメラに映る少女を眺めながら男は人のいない少し不気味なそれでいて居心地は悪くない避難所を後にした。

「あ、ACの火器管制規制解除するの忘れてた」
男がお上にどやされまた避難所に戻ってくるのはほん少し先の話。


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