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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

479隊長:2011/07/17(日) 01:56:16
「こんどはおじさんが話してよ、なんでこんな所に来たの?レイヴンなんでしょ?」
そういう彼女は男の後ろに立ち、頭の包帯を新しい物に巻き直している最中だった。
包帯を外された時に男は気付いた、髪は全て剃り落とされているのだと。
容姿を気にすることはなかったが、流石に違和感がないとは言えなかったようだ。
「俺はおじさんじゃぁないが…まぁいいか。確かに俺はレイヴンだ、レイヴンではあるが専属の雇われモンで
本来のレイヴンという枠組みには入らないかもな、腕が立つワケでもないから仕事を選べる立場でもないし」
愚痴にも聞こえる男の話しにうんうんと相槌、それがどうにも照れくさい。
だが、男は続けた。あの時のこと反芻するかのように、時折苦虫を噛み潰したような顔をしながら。
「今回はたまたま良くないお仕事を引いたんだ。まぁ引く前からジョーカーだってのはわかってたがね。他のカードを引くにも手札抱えてんのは
お上だから、まぁ引くしかない。なんつっても相手企業はワルキューレを護衛に付けてた…天下一品の狙撃主さ、だが俺みたいな使い捨てを当て馬に
時間稼ぎできれば新装備納入を遅れさせられるかもしれないそう思ってたのかもな連中は…まぁこっ酷くやられるのは今回が初めてじゃぁないが、流石に死を覚悟したよ」
男は震えた、怒りに、勿論悲しみにも。
下唇を今にも噛み千切りそうだ、こんな使われ方するのがレイヴンか、と。
「よくよく考えれば下らない……!クレストの株価をほんの少し落とさせるために死にに行けって言われたのさ……イタッ!!?」
縫われた傷口を包帯の上から小突かれた、滑稽にもその痛みは大の男が背中をえびぞりにさせる程。
けれど震えは止んでいた、涙目ながらに見上げればそこには少女の顔、悪戯に笑っている顔には温かみを感じる。
「でも生きてる」
少女は鼻詰まり声で優しく言ってくれた。


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