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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

465隊長:2011/03/24(木) 21:07:10

「もう少しだけ」


避難勧告は鳴り響き、天井の下の町からは煙が上がる。
道路に転がる車に火の手、赤子が泣き母はそれを捜し父が身構える。
今にも崩れんとするオフィスビル。壁やコンクリの地面からは千切れた配管が蒸気や水を撒き散らす。
人の真上を飛び交う機動兵器、ACの戦闘による被害だ。
大型の人型兵器が推力を噴かすたび、その圧が瓦礫の山を吹き飛ばす。それらは未だ逃げられぬ人達の頭上に。
彼らが脚で地面を蹴りいるたび、その揺れが絶望する人達の膝を折らせた。
『レジーナ!エリアDの市民の避難が完了したよ、西の方角になら撃てる!』
無線に応える余裕はないが、それを聞けただけよかった。
そう言わんとする表情の彼女はレジーナ、たった一機のACに対し複数で挑む〝コチラ側〟の一人だ。
今まで抑えていた火器管制のレベルを上げる。彼女の乗るACもまた、早く撃ちたかったとFCSにエネルギーを回した。
メインモニターに納まらぬ速さを見せ付ける敵AC、その黒光りする装甲に紅い眼光は滲んでいた。
「管理者の実働部隊だかなんだか知らないけど、コレで…!」
右腕を突き出せばソコから生えるグレネードが槍のように伸びた。この弾頭であればACすらも吹き飛ばせる。
限定された射角、恐ろしい程の機動力、レジーナが戦ってきた中で恐らく最強のACだろう。
大型火器を向けられているにも関わらず、敵の視点と行動は他のレイヴンに向けてのみ行われていた。
飛び交うライフル弾を避け、あらゆる武器を同時に使役し複数相手に苦戦すらしていない。
ロックオンを示す赤の表示、彼女は好機だと引き金を引いた。


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