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「vipArmoredCoreSS外伝 ヒワイナントアンテナ」

459隊長:2011/01/16(日) 19:48:59
オラクルは地面をボードで滑るかのようにスルスルとその軌道を変えスラッグの弾を避ける。
時折飛んでくるミサイルをリニアライフルで撃ち落しながら数発の弾をジャウザーの機体に叩き込んだ。
(もっとだ!もっと距離をとって―――)
とうとう、オラクルはリニア以外の武器を選んだ。肩部一方のキャノンを展開、折り畳まれたバレルは機構搭載部と連結する。
その瞬間を捉えたとジャウザー。
(今なら!)
背部装甲が展開しミサイルとマシンガンをパージ、重石を外し軽くなった機体をほんの僅かな間出力されたオーバードブーストがオラクルまでの距離をあっと言う間もなく詰める。
更にそこから左腕の近距離兵装、高出力ブレードが襲う。
だが、見誤った。オラクルは既に展開したキャノンをパージしていたのだ。エヴァンジェもまた左腕に輝く月光を振り抜こうとする。

「やっぱり、読まれてましたか――――…っ私の勝ちです!!」

脚は触れていた。
コンクリを削る、そんなものではなく。ジャウザーの機体、ヘヴンズレイは脚部を捨てたのだった。脚部に度を超えた衝撃とそれに伴う損傷が警告を機体の悲鳴として鳴り響かせる。
だが減衰できた。それ以上に、最大値を超えた出力で胸部のブースタを吹かし脚への信号が途絶える前に送られた操作信号が脚部ブースターを破損前に吹かさせたのだ。
距離が生まれた。ブレードが当たらず、コチラの散弾兵器が相手を襲う距離が。
確信していた。これは自分の中で越えたと確信できていた、あの恐怖、あの不安、あの紅い目を。

散弾兵器の撃ったにも関わらず、相手を沈められたと思っていたにも関わらず、ブレードは当たらないと信じていたにも関わらず。
あの紅い目がメインモニターに映ったまでは。
『悪くない…が、まだ粗い』
青い刀身が真っ直ぐに伸びるコチラのコアを目掛けて。貫かれる、どうして?どうやって?あの距離をどう縮めた?キャノンは?どう避けた?なにも理解できなかった。

軽い金属音が響いた、何の音かはジャウザーは理解できなかった。少ししてそれがブレードの甲でコアを小突かれる音だと理解したのはサブカメラを小突くオラクルの姿が映っていたからだ。
『まぁまぁだ、御苦労。我々アライアンス戦術部隊は君を歓迎しよう。これにて実戦演習は終了とする』
今度はメモではないようだ。不機嫌そうではあるが棒読みではない。
その言葉にジャウザーは安堵と疲労、そしてあの感覚がまたも皮下を駆け巡る。
「恐怖?不安?…アッハハ、越えられないワケですね。これは――――」

「純粋な尊敬…ですか」


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